2021年のWRCカレンダーが発表。クロアチアが初開催、ジャパンは最終戦 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

2021年のWRCカレンダーが発表。クロアチアが初開催、ジャパンは最終戦

©WRC PROMOTER

FIAは10月9日、世界モータースポーツ評議会(ワールドモータースポーツカウンシル/WMSC)の会合をリモートで行い、2021年のWRCカレンダー全12戦を承認。史上初めて、クロアチア(ターマック)がWRCを開催することになった。さらに今季、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによるシーズン中断後、短期間で再開戦となった初開催を成功させたエストニアもカレンダーに入っている。

2020年はシリーズ復帰が決まっていたもののCOVID-19の影響で開催を断念したケニア(グラベル)とジャパン(ターマック)、今季は当初から予定されていなかったスペイン(ミックス)もすでに発表されていたとおりにカレンダーに入っている。残り枠には英国が入った。一方、2004年から開催を続けてきたメキシコ、先月に今季の開催を終えたばかりのトルコはカレンダーから外れたほか、オセアニアは2019年に森林火災の影響で直前で中止となったオーストラリア、COVID-19の影響で今季の開催を断念したニュージーランドのいずれもカレンダーには入っていない。

2021年シーズンの全12戦は、ヨーロッパ9戦、ヨーロッパ外が3戦という構成となった。COVID-19が世界のスポーツイベントに影響を与える状況が続くことに対応して、12戦中8戦を6月以降の開催とした。

WRCプロモーターのマネージング・ディレクター、ヨナ・シーベルは、このカレンダーはコンペティターにもWRCのファンにも訴求力のあるものになると語った。
「クロアチアが初めてWRCカレンダーに入ることは、シリーズの常連イベントにエキサイティングで新しいチャレンジが加わることになり、大いに期待が持てる」とシーベル。
「先月、選手権初開催を果たしたエストニアは、主催者たちにはラリーを準備する期間が大変短かったにも関わらず大成功を収め、そのことを証明してみせた」

2021年は例年どおり、フレンチアルプスのラリーモンテカルロで開幕。その後、シリーズ唯一のフルウインター戦、ラリースウェーデンと続く。クロアチアは第3戦として4月22〜25日に開催。シーズン最初のターマック戦は、首都ザグレブが拠点となる。ポルトガル(グラベル)は5月下旬に開催。シーズンはここからグラベル戦が続き、6月のイタリアとケニアで前半を締めくくる格好だ。今年、開催を断念した、世界的にレジェンドイベントとして認められているサファリラリー・ケニアが入ることで、アフリカ大陸にWRCが戻ってくることになる。

シーズン後半戦は7月、エストニア、フィンランドと高速グラベル2戦でスタート。英国は8月に開催される。この英国ラウンドに関して、WRCプロモーターは同国のASNであるモータースポーツUKとの話し合いを進めながら、政府からの資金調達に向けて作業を行っており、近日中に発表されると見られている。終盤3戦のうち2戦はヨーロッパ外での開催。チリ、スペイン、そしてジャパンは11月に最終戦を務める。2010年以来、WRCが初めて開催される日本は、このシーズン唯一のアジア開催となる。

2020年、多くのWRCラウンドを開催キャンセルに追い込んだCOVID-19の影響が依然として続く中、2021年のカレンダー構成も大きな影響を受けた。ウインターイベントとして会期を動かすことができないモンテカルロとスウェーデンの後、シーズンはパンデミックの影響を最小限に抑えるために2カ月以上のインターバルを置くことになる。6月下旬までヨーロッパ外のイベントは入れないほか、5月までに開催されるのは全12戦のうち、3分の1だけにとどめている。

「COVID-19は、世界のスポーツイベントに大打撃を与えた。WRCも例外ではなく、2020年は多くのイベントが苦渋の開催キャンセルを余儀なくされた」とシーベル。
「このため、2021年のWRCカレンダーの策定においては、来年も渡航制限の影響が続くことを踏まえた構成を戦略的に行わざるを得なかった。2021年の最初の5カ月間は、世間一般的にも、大人数での渡航が必要となるWRCのスタッフ、サプライヤー、コンペティター、メディアにとっても、安全な方法でイベントが開催できると期待を持つことはできなかった」

「シリーズ戦を開催する主催者には来年、クオリティの高いWRC戦を行いながら、困難なCOVID-19の対策に向けて全力でコミットしてもらうことが絶対的に求められる。来年のために選んだ12戦は、我々を失望させないと確信している」

一方、COVID-19の影響でいずれかのイベントに不測の事態が起きた時のリザーブイベントとして、トルコ、ラトビア、ベルギー、ギリシャ、イタリア(モンツァ)、アルゼンチン(ヨーロッパ外イベントのリザーブ)がリストに挙がっている。

2021年WRCカレンダー
第1戦 モンテカルロ 1月21〜24日(ターマック/アイス)
第2戦 スウェーデン 2月11〜14日(スノー)
第3戦 クロアチア 4月22〜25日*(ターマック)
第4戦 ポルトガル 5月20〜23日(グラベル)
第5戦 イタリア 6月3〜6日(グラベル)
第6戦 ケニア 6月24〜27日(グラベル)
第7戦 エストニア 7月15〜18日*(グラベル)
第8戦 フィンランド 7月29日〜8月1日(グラベル)
第9戦 英国 8月19〜22日(未定)
第10戦 チリ 9月9〜12日(グラベル)
第11戦 スペイン 10月14〜17日(ミックス)
第12戦 日本 11月11〜14日(ターマック)
*合意待ち



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