WRCエストニア:タナック「予想していなかったサプライズがたくさんあった」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCエストニア:タナック「予想していなかったサプライズがたくさんあった」イベント後記者会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCラリーエストニアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。母国で開催された初のWRCで圧勝を飾ったタナック。WRC公式プロモーショナルイベントとして開催された前年のイベントも制しているが、チャンピオンシップとしてのプレッシャーもあり、ステージの構成も違い、まったく別のイベントのように感じたことを語った。

●WRCイベント後記者会見 出席者


1位:オィット・タナック=OT(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:クレイグ・ブリーン=CB(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRTT)
アンドレア・アダモ=AA(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT、スポーティングディレクター)

Q: オィット、今季の初勝利が母国ラウンド、ヒュンダイでの初優勝でもある。どのように思いが入り組んでいるのか想像もつかないが、今の気分は
OT: ここにいられてうれしいという気分だね。実際、すごく過酷だった。エストニアの道はドライビングが楽しいのだけれど、ここは2回目の参戦だけどすごく過酷になり始めている。唯一、言えることは、あの速さの中ですべてをマネージメントすることに、かなり集中した。それに、予想していなかったサプライズがたくさんあったので、タフだった。このイベントでポイントを獲らなくてはならないことも、勝たなくてはならないことも分かっていたから、プレッシャーもあった。もちろん、エストニアだからアドバンテージはいくらかあったかもしれないけどね。ヒュンダイではまだ勝ったことがなかったから、それをここで果たさなくてはならないことでもあった。自分たちはいい走りができたけど、それでもトラブルを一切起こさずに最速のタイムを出すというのは、かなりの大仕事だったよ。

Q: 今回は誰にとってもビッグチャレンジだったようだ。非常に見応えがあった。以前にここで勝った経験があっても、プレッシャーもあった。前回はWRCではなくポイントもかかっていなかったが、その昨年と比べて気持ちはどれほど違ったのか
OT: まず、レベルがまったく違う。みんなが全力のパフォーマンスでプッシュしていた。前年と同じところはなかったと言える。一番はステージが新しくなっていたし、コンディションもこれまでに見たことがないようだった。だから、まったく違うイベントだった。

Q: 最終2本目で、少し危ない場面があった。自分では危ないうちに入らなかったのかもしれないが、ラッピが同じところでミスをしていたのをどのように見ていたか
OT: 自分でも分かっていたからあの場所は抑えたけど、それでも道の端に押し出されてしまった。この2日間、これ以上にすごいサプライズや危ない場面もあった。でも、あの瞬間はテレビに映っていたから、危ない場面と言えるかもね。

Q: 今シーズンはこの後、あまりイベントが残っていない。タイトル争いが困難になりそうだが
OT:終わりまで一気に走り抜けることになるだろうね。すべてが計画どおりに進んでくれることを願うよ。世の中はまだかなりチャレンジングだから、どうなっていくのかは見守るしかない。いずれにしても、自分たちが仕事ができる状況の時は、もちろんベストを尽くす。

Q: マルティン、母国での優勝は特別な気分だろう。WRCもここで再開を迎えた。今の気持ちは
MJ: この6カ月間とは違うタイプのアドレナリンだね。いい週末だった。オィットも言ったように、かなり難しい1戦だった。母国で参戦できたことはよかったよ。リエゾンでは、応援してくれるスペクテイターもたくさん見られたからね。

Q: コ・ドライバーの仕事という点では、通常とは違う状況になっているが、今回はどうだったか
MJ: タイムカードの作業に関しては、COVID-19の心配がなくなっても、将来的にはこういう風になっていくのかもしれないと思っている。でも、全体としては大きな違いはなかったよ。

Q: クレイグ、ヒュンダイで2位フィニッシュ。このチームでの初ポディウムだが、今回は見事なパフォーマンスを見せた。イベント前のコンファレンスでは、エストニアの経験が豊富なので注目のひとりだと紹介したが、この好リザルトは想像していたか
CB: 正直、こんなにいいリザルトは想像していなかった。でも、今年最初のプレイベントのテストで初めて走った時から、ものすごくいい感じがしていた。それに、これだけいい感触があって、しばらくR5に乗っていたけどすぐにリズムをつかめたら、こんなリザルトもあり得るのかもという気はしていた。土曜日の午前中は、まさにすべてが噛み合った感じだったので、ラリーが進むにつれて自信もどんどんついてきたし、すべてがやりやすくなった。そしてこんなにいい形でポディウムでフィニッシュできたのだから、最高だよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q: 今回のステージはどれほど速度域が高くチャレンジングだったか。みんながあれだけの速さで走っているのを見て圧倒されたが、速い区間、ナローな区間、テクニカルな区間がミックスされ難しいラリーでもあった。常に変化していたようだが
CB: そのとおりだね。1回目は、いわゆるとても楽しめる感じで、全開までプッシュできた。土曜日の午前はとてもよかったが、2ループ目は少しトリッキーになったね。オィットも言ったように、場所によってはかなり驚かされた。ものすごく速度域が高くて、コーナーの進入が180〜190km/hくらいあるところもあった。もし、1回目の走行の後でそこに石や穴なんかが現れていたら、かなり驚くよ。こういった要素がトリッキーだったし、リズムを崩される。それでも、ものすごく楽しかった。こういうステージをこういうマシンで走れるのは、格別なものだよ。

Q: ステージのたびに自信を高めていったようだが、最終日はWRC6連覇王者が後ろから追っていた。Mr.オジエからプレッシャーは感じていたか
CB: 彼はまったくプレッシャーは与えていなかったけど… この人(アンドレア・アダモ)からはプレッシャーは感じたね。最終日の朝はアラームが鳴る前に起きていたほど。でも、期待された結果を出せたし、自分とポール(ネーグル)にとって、今後のためにもとても重要だった。ハードルの最後で転ぶわけにはいかないので、最終日はずっとタフだったが、幸い、十分なだけのリズムを維持することができた。そして、最後のステージはもちろんリスクは一切負わなかった。本当はもう少しいい走りがしたかったが、彼の心臓に悪いことはしなかった。でも、結果的にすべてうまく行ったよ。

Q: もしかしたら、今度は自分がプレッシャーを与えることができるのでは。(アンドレア・アダモに向けて)次に彼の参戦を見るのはいつか
AA: こういったことでは、プレッシャーは受けないよ。

Q: セブ、今回のラリーを終えて選手権リードを維持した。ラリーエストニアを終えた今の気分は
SO: 基本的にはハッピーだが、複雑な思いだ。ポディウムに上がるのは、選手権争いのうえではいいことだ。でも、もし、今季ここまでもっと参戦を重ねていたらと思う。エストニアに参戦するのは今回が初めてだったし、このレベルでこのラリーの経験があるライバルを相手に戦うのはチャレンジングだった。今回、優勝を争うのは難しいと分かっていたし、オィットと張り合うのは難しかった。目標にしていたポディウムには上がったし、選手権でも高ポイントを獲得できた。でも、やっぱり複雑な気分だ。優勝は難しかったとしても、オィットにもっとプレッシャーを与えられたと思う。2位は確実に目指すことができた。残念ながら、今回はすべてをうまくまとめることができなかった。土曜日の午後はタイヤに少し問題があったし、セットアップが合わないところがあちこちあった。あまりいい内容ではなかったのに17ポイント獲れたのだからいい結果だとは思う。だから、次のラリーが今から楽しみだ。

RALLY ESTONIA / Jarek Joepera

Q: トミ・マキネンは、エストニア向けのテストで使った道が、速すぎるところと遅すぎるか、テクニカルなセクションがミックスされたところだったと言っていた。それが問題だったのかもしれないと言っていたが、同感か
SO: テストはそんな感じだったが、ラリーとまったく同じコンディションでテストができることはあり得ない。今回は、実際のラリーがどんなコンディションになるのか、見極めが足りなかった。それに、もっと早くセッティングを変更するべきだった。気づくのが遅すぎたね。ラリーを何年もやってきたけど、それでもこうしたことは起こるものなんだ。最終的には大きな問題にはならなかった。選手権では、1ポイントリードを広げたしね(笑)。次のラリーがどうなるか、だね。少なくとも、マシンの改良を大掛かりに行ったばかりだし、自信はとてもある。ラフコンディションでいい前進ができたから、その効果が得られるかを見るのが楽しみだ。このコンディションでの走りがかなり改善されたので、2週間後、同じことができるのか期待したいね。

Q: その1ポイントが、シーズンの終わりにとても重要になるかもしれない!
SO: どんなポイントでも重要だ。もちろん、もっと獲りたかったけどね。パワーステージは今回で一番ラフなステージだった。キャリアを通じてこうしたコンディションも走ってきたけど、全開まで攻められるケースはそう多くない。このコンディションでもマシンがとても速かったのでうれしいよ。それに、カッレ(ロバンペラ)は見事なタイムをたたき出した。この週末でのポジティブな点だよ。

Q: アンドレア、1−2フィニッシュおめでとう。快進撃の話題の前に、パワーステージでのティエリー・ヌービルについて。あそこで猛チャージをかけてくると思っていたができなかった。原因は何だったのか
AA: 自分たちでもまだ分かっていない。戻ったらしかるべきスタッフが説明するだろう。

Q: 見当はついているか
AA: ついている。

Q: ここで話してもらえるか
AA: 今は話さない。

Q: では、ポジティブな話題を。オィット、クレイグの見事なパフォーマンスについてどう考えるか
AA: もちろん、彼らはよくやってくれた。ティエリーもとてもよくやってくれたと思う。自分の考えでは、自分たちにはいいクルーが揃っていることを見せられたと思う。このイベントが始まる前、みんなで口裏を合わせたように、なぜヒュンダイはフィンランドで速くないのかと聞いてきた。ドライバーに聞いてきた人もいて、非常に不本意だね。彼らは必死に取り組んで懸命に戦っているし、マシンの限界まで攻めていることを私は知っている。土曜日の日中は、ドライバーたちを疑った人たちに向けて、我々のクルーはとてもコンペティティブであることを見せられたと思う。ティエリーもそうだ。彼は速かったし、ただ小さなミスがあっただけ。あの速さで走っていれば、ほんの数cmの差が命取りになることもある。言い換えれば、それがモータースポーツというものだ。

もちろん、クルーのパフォーマンスにはハッピーだし、この数カ月、自分たちのチームが素晴らしい仕事をしてくれたことを証明してくれた。我々はみんな、メキシコにいた。ヨーロッパでの状況が不透明だったから、帰国するためにできるだけ早く決断しなくてはならなかった。慌ただしく帰国したし、ドイツだけでなく様々な国から来ている254人がどのように家族の元に戻れるのか、把握しなくてはならなかった。みんながどうすればいいのかと聞いてきたので、とにかく家に帰ることに努め、どうすればいいかを伝えた。彼らみんなの仕事も保証しなくてはならなかった。3月は本当にトリッキーな月だった。とにかく冷静に、いい形で状況に対応することを心がけた。自分の責任を全うしたよ。そして、いわゆるリモートワークで仕事を始めることを決めた。もちろん、メカニックたちにリモートワークをさせるのは、トリッキーだ。でも、みんなに給料を支払い続けた。ありがとう、ヒュンダイ! この会社に従事していることを誇りに思う。みんなが100%の給与を受け取り続けるか、支援を受けた。それぞれが違う形で仕事を始めた。もちろん、新しい様式だ。みんな素晴らしい仕事をしてくれたよ。そして前に進むことを決めた。もちろん、韓国からはひとつの質問が来た。前に進むために資金を投資することは本当に必要なのかと。でも、自分は常に、必要です、まったく問題ありませんと言い続けた。眠れない夜が何日続いたのか、知っているのは自分の枕だけ。でも、これも自分の仕事のうちだ。たくさんの人々が、あの旗を振っているのを見るのは、自分にとっては本当に感慨深いよ。

RALLY ESTONIA / Jarek Joepera

Q: そうだろう。たくさんの話をありがとう。トルコでまた会いましょう。そして、クレイグも近いうちに会えることを期待している
AA: トルコよりも、来年彼に会えることがもっと重要だと思うよ!

メディアからの質問
ジェローム・ブレ(フランス・レキップ紙)
Q: セブ、ヤリスWRCはこれまで、トルコとサルディニアではあまりいい結果を出してきていない。そのことは不安に感じているか
SO: 正直、こうしたことでは、もう不安には感じなくなっている。キャリアのこの段階に来たら、どんなことにもあまり不安には感じないようにならなくてはならないと思う。素直に言えば、先週、ギリシャで行ったテストの内容にはとても満足している。エンジニアも、このブレイク期間を活用していい仕事をしてくれたのだと思うし、テストでもとてもいい考えが浮かんだ。テストでそれを確認することができた。状況が前進できているのを見て、もうワクワクしているよ。もちろん、ギリシャで先頭走行になるのは、相変わらずチャレンジングだ。でも、このラリーではいろいろなことが起こる。速さも大切だし、クレバーになることはもっと重要だ。

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