STARDがC3 R5ベースの電動マシン、C3 ERXを発表 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

STARDがC3 R5ベースの電動マシン、C3 ERXを発表

©STARD

世界ラリークロス選手権が展開する、電動マシンシリーズのプロジェクトE(Projekt E)で、テクニカルパートナーを務めるSTARD(Stohl Advanced Research and Development)は、シトロエン・レーシングからの支援を受けて開発した世界初となるR5車両ベースの電動マシン、シトロエンC3 ERXを発表した。

このC3 ERXは、世界各地のラリー競技で活躍しているラリー2(旧R5)部門マシンであるC3 R5のシャシーを活用し、プロジェクトEでも使用されるSTARDのパワートレイン、REVelutionを装着。STARDは、カスタマーモータースポーツで頂点を極めたシャシー技術に、カスタマーが購入できる電動レースマシンの最高峰レベルでのコンセプトを採用することで電動化した、と自信をみせる。

オーストリアのウィーン近郊にあるSTARDの拠点でREVelutionを組み込んだC3 ERXは、3基の電動モーターを使用して合計で450kW(613bhp)を発生し、トップスピードの時速240kmでの瞬間トルクは1002Nm。4輪駆動システムに2速トランスミッションを両アクスルに装着する。

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ベースとなったC3 R5はこれまでに60台が供給されており、2018年の実戦デビュー以来、3大陸で270戦以上の競技に参戦。のべ回数でポディウム136回、58勝をマークしている。

C3 ERXは、C3 R5のシャシーのコンポーネンツを80%近く残したまま、Projekt Eの技術規定にすべて合致させている。技術面、商業面ではシトロエン・レーシングが支援。C3 ERXのカスタマーは、C3 ERXのスペアパーツをシトロエン・レーシングのショップから直接購入できるようになるという。ラリークロス向けに設計されたC3 ERXは、ヒルクライム、市街地レース、スプリントラリー、レースでの用途も視野に入れているといい、8月22‐23日にスウェーデンのヘリェスで開催される2020年Projekt Eシリーズ開幕戦で実戦デビューを迎える。ドライバーについては、近日中に発表するとしている。

STARDは先日、REVelutionのパワートレーンにも使用されている独自の内製バッテリーシステムがFIAのHVバッテリーシステムクラッシュテストに合格したことを発表している。

C3 ERXはすでに購入可能な状態となっており、即時に参戦可能な状態での価格は37万4000ユーロ(約4670万円)。

ストールグループ社長、マンフレッド・ストールは「自分は、WRCのキャリアでベストのシーズンをシトロエンやプジョーなどPSAのマシンで収めた。PSAモータースポーツは世界屈指のモータースポーツ競技専門部門のひとつであり、特にラリーとラリークロスマシンでは際立っている」とコメント。
「FIAから認証を受けたSTARD EVパワートレーンシステムは非常に独特で、ランニングコストを最小限に抑えており、そのコスト効率はずば抜けている。このシステムをC3 R5のシャシーに組み込んだことで、パフォーマンス面では非常にパワフルな組み合わせとなったと同時に、カスタマーにも優しい。スペアパーツを公式オンラインショップ、シトロエン・レーシング・ショップを通じて購入できるようにしたことは、フル電動モータースポーツプログラムのまったく新しいレベルのサービスだ。シトロエン・レーシングを我々のパートナーに迎えることができ、とても光栄に思う」

シトロエン・レーシングのカスタマーレーシング・プロモーション活動のチーフ、ディディエ・クレメンは「2018年にC3 R5の販売を始めて以来、我々のマシンはこのクラスの代表モデルのひとつとなった。ラリーのステージでそのポテンシャルを証明してきており、STARDに対してもC3 ERXを開発する上での確固たるベースを供給できた」と語る。
「この志の高いプロジェクトに取り組むSTARDを支援することをうれしく思うし、このプロジェクトに深く関わっていく。モータースポーツはターニングポイントを迎えており、電動マシンについては今後、非常にコンペティティブになっていくと見ている。C3 ERXは、我々のC3 R5ファミリーが成長を続けることの一例であり、我々の製品に期待が持てることを示している。C3 ERXの初テストの走りを見ることが待ち切れないし、STARDの実戦での冒険を追い続けていく」

STARDの創設者でCEOのミハエル・サコビッツは「世界初のC3 R5ベースのフル電動レーシングマシンを発表できることをうれしく思う」とコメント。
「シトロエン・レーシングの支援を受けて、我々はカスタマー向けの電動モータースポーツのベンチマークを高めている。このマシンは、そのままProjekt Eに参戦できるようになっているが、ヒルクライム、市街地レース、スプリントラリーの国内戦、国際格式戦でも使用することができる。購入可能なFIA公認の電動パワートレーンシステムは、フォーミュラEと我々のシステムしかない。この冒険が楽しみで仕方がない」



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