全日本ラリー新城:雨の初日は奴田原文雄が一歩リード – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー新城:雨の初日は奴田原文雄が一歩リード

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全日本ラリー選手権第2戦新城ラリーは、競技初日のSS6までを終えて三菱ランサーエボリューションの奴田原文雄がラリーをリード。総合2番手の新井敏弘(スバルWRX STI)と4.6秒という僅差で首位を争っている。3番手にはスバルWRX STIの新井大輝がつけた。

新城ラリーは2020年シーズンの開幕戦Rally Tsumagoiの中止を受けて、実質的な開幕戦に。しかし新型コロナウイルスの感染拡大防止のため観客動員なしでの開催となり、市内で開催されるセレモニアルスタートや企業ブースの出展、飲食店の出店を含めたイベントは中止となる事態となった。選手たちの間に動揺はみられなかったが、静かにシーズンは開幕した。初日は3箇所のSSを2度走行する6SSが設定されていたが、午後のSS4がキャンセルとなり、5SS、34.83kmで争われる。今年からタイヤ本数の規定が変わったため、選手たちはこのラリーを6本のタイヤで走り切らなければならず、その点でも状況に合わせた戦略が求められることとなる。

JN1クラスは、初日の3SSでベストタイムをマークした奴田原/佐藤忠宜がリード。4.6秒差の総合2番手に新井敏弘/田中直哉、19秒差の総合3番手に新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI)を従える。4番手には柳澤宏至/保井隆宏、5番手に鎌田卓麻/鈴木裕、6番手に徳尾慶太郎/枝光展義という順位だ。優勝候補と目されていた勝田範彦/石田裕一はSS1で駆動系のトラブルによりリタイアとなり、レグ2の再出走でレグポイント獲得を狙う。
首位の奴田原は「気温も低くてなかなかグリップせず大変でした。去年からターマックはセッティングが決まっているのでそれを活かせています。午後は最後、霧が大変でした。路面が乾いてきたので追い上げが厳しいですね。明日はイチから頑張ります」と、2日目の逃げ切り勝利に向けて笑顔でコメントしている。

JN2クラスは、トヨタ・ヴィッツGRMNの眞貝知志/安藤裕一がリード。SS1の中盤でスピンを喫したものの、クラス2番手の石井宏尚/寺田昌弘(レクサスRC F)に1分近い盤石のリードを築いている。クラス3番手は中村英一/大矢啓太(トヨタ・ヴィッツGRMN)。2番手の石井とは12.6秒の差となっており、競技最終日の順位争いに注目が集まる。また、4番手の中平勝也/行徳聡(トヨタGT86 CS-R3)、5番手の山村孝之/井沢幹昌(シトロエンDS3 R3-MAX)、6番手の牧野タイソン/北川紗衣(トヨタGT86 CS-R3)の3台も密集しており、順位変動から目が離せない。トップの眞貝は「午後はかなりコンディションが回復して、急に走りやすくなりました。タイヤをうまく温存できたと思うので、ユーズドとニュータイヤを組み合わせ、もう一度気持ちを入れ直して最終日をスタートします」と、最終日に向け意気込みを語った。

トヨタ86vsスバルBRZの激戦区JN3クラスは、竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ)が総合6番手に食い込む好走。クラス2番手には地元の山口清司/大倉瞳(トヨタ86)、3番手はSS6でクラスベストタイムをマークした長﨑雅志/秋田典昭(トヨタ86)がつけている。また、3番手長﨑の1.9秒後方には鈴木尚/山岸典将(スバルBRZ)がつけており、ラリー後半戦の展開も楽しみだ。
「午前中は危ないコンディションでしたが、マシンに問題なく、いいフィーリングでトップを走れています。午後は路面コンディションが良くなりましたが、山口選手とのタイム差があまりないので、明日もしっかり頑張ります」と、首位の竹内。

スズキ・スイフトスポーツのワンメイク状態となっているJN4クラスは、内藤学武/小藤桂一がリード。クラス2番手にはセッティング変更でSS5のベストタイムマークしたを古川寛/大久保叡、クラス3番手にはクルーふたりで16kgにもなるダイエットを敢行して臨んだという西川真太郎/本橋貴司が好走を見せている。内藤は「今日最後のSS6はいいタイムで走れ、明日につながるラリーが戦えたと思います。このイベントのキモは明日の雁峰西だと思うので、ここでしっかりタイムを出せるように、しっかり準備したいと思います」と、翌日に向けて気持ちを新たにコメント。2番手の古川も「車高を変えたことで、クルマがずいぶん走りやすくなりました。やっぱり雁峰西で決まるので、明日に向けて、今夜作戦を練ります」と、やはり雁峰西をポイントとして挙げている。

大会最大の11台がエントリーしたJN5クラスは、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR)と、今シーズンからJN5にエントリーする大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)のチャンピオン同士が首位と2番手で競り合う展開。ふたりはクラス3番手につける岡田孝一/石田一輝(マツダ・デミオ)を1分以上引き離しながら、3.3秒という僅差のバトルを繰り広げている。このクラスではSS1の車両火災やSS2の横転などがあり、後半ゼッケンは2SSをキャンセルしてのスタートとなった。
天野は「SS2でスピンしてしまい、大倉選手に離されてしまいました。一応逆転はできましたがトラブルもあり、思ったよりもタイムは上がりませんでしたね。明日に向けてはアライメントを見直す必要がありそうです」とコメント。追う立場の大倉は「午前中はリスクがかなり高かったので、それをコントロールするので精一杯でした。午後は雨量がだいぶ減ったので走りやすかったですね。SS6の上の方は真っ白でした。明日の雁峰西は完全にドライにはならないと思いますが、そこに焦点を絞って頑張りたいと思います」と語り、明日の雁峰西に照準を合わせる構えだ。

JN6クラスはCVTや電動車が主流となるクラス。首位は明治慎太郎/里中謙太、2番手には田上大輔/鈴木康敬、3番手に水原亜利沙/高橋芙悠と、ヴィッツCVTがトップ3を占めている。4番手にはトヨタ・アクアの海老原孝敬/蔭山恵、5番手に日産ノートe-POWER NISMO Sの永井歩夢/竹下紀子という順位。JN5クラスの後半ゼッケンと同じく午前中の2SSがキャンセルとなっての展開。首位の明治は「まだまだCVTに慣れておらず、走らせ方が特殊なので難しいですね。路面は午後になって、濡れてはいるもののタイムが上がりました。グリップが上がっているんでしょうね。とりあえず1位で戻ってこられて、良かったです」と笑顔でコメントしている。

競技2日目は、SS7〜SS10の4SS、SS距離46.44kmでの争いとなる。多くの選手が鍵だとして挙げるSS7/9の雁峰西(16.26km)と、ハイスピードなSS8/10の鬼久保(6.96km)が舞台。どちらを重視したセットアップとするのか、タイヤの使い方をどうするか、路面コンディションや気温など様々な要素が絡み合う最終日の戦いにも注目したい。

新城ラリー2020 レグ1終了時点結果
1. 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX) 28:04.1
2. 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +4.6
3. 新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI) +19.0
4. 柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI) +1:18.3
5. 鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) +1:22.0
6. 竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ) +2:00.5
7. 内藤学武/小藤桂一(スズキ・スイフトスポーツ) +2:06.7

10. 眞貝知志/安藤裕一(TGR Vitz GRMN Rally) +2:25.8
17. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +3:03.3
32. 明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツ) +4:55.4



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