WRCスウェーデン:トヨタのエバンスが異例づくしのラリーを制す。ロバンペラが3位初表彰台 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:トヨタのエバンスが異例づくしのラリーを制す。ロバンペラが3位初表彰台

©TOYOTA

WRC第2戦スウェーデンはすべての競技日程を終えて、トヨタのエルフィン・エバンスがスタートから首位を譲ることなく優勝を飾った。エバンスにとってはキャリア2勝目、トヨタにとっては今シーズン初勝利だ。2位にはヒュンダイのオィット・タナック、3位にはチームメイトバトルを制し初の表彰台に登壇したトヨタのカッレ・ロバンペラ、4位にはセバスチャン・オジエが入った。

ラリー最終日は、SS17とSS18の2SSを走行する予定が組まれていたが、前日になって主催者は路面コンディションの悪化を避けるためSS17の走行をキャンセル。最終日は21.19kmのパワーステージ1本勝負という異例の事態となった。選手権ポイントと同様、パワーステージの上位5台に与えられるボーナスポイントには変更はない。

そして迎えた最終SS、スタート地点の天候はなんと雨。コースは序盤ウエットグラベルで始まり、ところどころで凍結路が現れるという気の抜けないコンディションだ。上位陣の走行順は、勝田貴元からのリバースオーダー。勝田に続きMスポーツ・フォードのテーム・スニネン、ヒュンダイのクレイグ・ブリーンがコースインし、タイムを刻んでいく。

M-SPORT / 僅差ながらヌービルを押さえ込んで5位フィニッシュを果たしたラッピ。


まず注目のカードは、ヒュンダイのティエリー・ヌービルとMスポーツ・フォードのエサペッカ・ラッピによる4.5秒差の5番手争い。先に走ったヌービルは暫定ベストタイムをマークし、ラッピの走りを待つ。ラッピは3.1秒遅れの暫定2番手タイムでフィニッシュし、1.4秒差ながらポジションを守ることに成功した。

続いてはトヨタのロバンペラとオジエによる、0.5秒差の3番手争い。先行したロバンペラはヌービルの暫定ベストを3.7秒更新する快走を披露。オジエも渾身の走りを見せるが、これには及ばず暫定SS3番手タイムに沈み、ロバンペラに3位以上のポジションを明け渡すこととなった。

HYUNDAI / 最終パワーステージでは無理せず確実な走りで2位を堅守したタナック。


タナックはリスクを避けた走りで暫定SS4番手タイム。上位陣で最後に走ったエバンスも慎重な走りに徹し、SS6番手でフィニッシュ。これでエバンスは2017年のラリーGB以来となる通算2勝目を獲得した。コ・ドライバーのスコット・マーティンにとってはWRC初勝利だ。2位のタナックは今季初ポディウム、3位のロバンペラはこの最終SSが自身初のWRCベストタイム、そして初の3位表彰台となる。勝田は難しいコンディションに悩まされながらも9位でフィニッシュ。勝田の次回のWRC参戦は5月21〜24日の第5戦ポルトガルとなる予定だ。

これで選手権ポイントではエバンスとヌービルが42点でトップタイ。37点でオジエ、30点でロバンペラが追う展開となっている。

次戦は3月12日〜15日に開催される第3戦メキシコ。高地で行われるグラベルラリーは、エンジンだけでなくブレーキや冷却系などにも厳しいラリーとして知られる。過去オジエが通算5勝(2013-15、2018-19)を挙げているイベントであり、今季初勝利も期待されるところだ。

WRCスウェーデン 暫定結果
1. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 1:11:43.1
2. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) +12.7
3. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +20.2
4. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +23.6
5. E.ラッピ(フォード・フィエスタWRC) +32.4
6. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +33.8
7. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:00.9
8. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +1:24.5
9. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +1:59.6
10. J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +4:03.0



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