WRCスウェーデン:トヨタ、過去3戦2勝中のフルスノーイベントで今年も表彰台の頂点を目指す – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:トヨタ、過去3戦2勝中のフルスノーイベントで今年も表彰台の頂点を目指す

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TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月13日(木)から16日(日)にかけてスウェーデンおよびノルウェーで開催されるWRC第2戦ラリースウェーデンに、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンの、3台のヤリスWRCで参戦する。
(以下、チームリリース抜粋)


長い歴史を誇るラリー・スウェーデンは、シーズン唯一のフルスノーイベントです。チームにとっては、2017年のWRC復帰初年度にヤリスWRCが最初の勝利をあげた記念すべきラリーであり、2019年にも優勝を果たすなど、3年間で2勝をあげている相性の良い1戦です。今季はドライバー全員の顔ぶれが変わり、チームにとっては新たなる挑戦のシーズンとなりましたが、開幕戦ラリー・モンテカルロではオジエとエバンスが優勝を競い、それぞれ総合2位、総合3位で表彰台に立ちました。また、ロバンペラもWRカーで臨んだ初めてのモンテカルロであったにも関わらず、総合5位で完走を果たし、3人のドライバー全員が良いスタートを切りました。

フランスの降雪地帯出身のオジエはスノードライビングを得意としており、過去スウェーデンで3勝しています。エバンスは6回の出場経験があり、昨年は総合5位を得ました。また、フィンランド出身ロバンペラはR5カーで挑んだ昨年が初出場でしたが、雪道育ちのためスノーロードでの運転には自信を持っています。なお、今回のスウェーデンにはTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムで今季8戦にヤリスWRCで挑む勝田貴元も、モンテカルロに続き出場。さらに、昨年までチームの一員で2017年大会優勝のヤリ-マティ・ラトバラが、コ・ドライバーにユホ・ハンニネンを迎え、プライベーターとしてエントリーするなど、過去最多となる5台のヤリスWRCが出場を予定しています。

ラリー・スウェーデンはスノーラリーでありながら、金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれた雪道専用の「スタッドタイヤ」で走行するため、タイヤのグリップ力は非常に高く、またステージは緩やかなコーナーが多いため、SSの平均速度は例年シーズントップ3に入ります。積雪量が多いステージでは道の両脇に雪壁が迫り、それにクルマの側面を軽く当てながら走ることで、コースアウトすることなく高い速度を保ったままコーナーを通過することができます。

今年のスウェーデンは例年よりも気温が高い日々が多く、サービスパークが置かれるトルシュビー周辺の森林地帯はなかなか積雪量が増えませんでした。そのため一時は開催が危ぶまれましたが、主催者の努力によりルートを一部変更することで開催実現にこぎ着けました。ラリーは13日木曜日の夜、サービスパークの南約100kmに位置するカールスタッドの町でスタート。雪と氷に覆われた競馬場でのスーパーSS「カールスタッド」が最初のステージになります。翌日金曜日は、サービスパークを基点に国境を越え隣国ノルウェーの森林地帯で「ホーフ・フィンスコグ」と、「フィンスコーゲン」を走行。その後スウェーデンに戻り、新ステージとなる「ニッケルヴァトネット」、サービスパークのすぐ横に設けられる「トルシュビー・スプリント」を走り、最終サービスに入ります。15日の土曜日は、本来であればサービスパークの東側エリアを走行する予定でしたが、積雪量が十分ではないためSS実施をキャンセルし、金曜日と完全に同じ4本計63.68kmのステージを走行します。最終日の日曜日は、サービスパーク北側の人気ステージ「リケナス」を2回走行。2回目のステージは、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。本来であれば4日間で19本計300.84kmのSSを走行する予定でしたが、ルート変更により11本計171.64kmに短縮され、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は815.47kmとなります。

トミ・マキネン(チーム代表)
「我々はこれまでラリー・スウェーデンで成功を収めてきましたが、今年も最高の結果を目指します。コンディションがどうなるのか不明な部分もありますが、オーガナイザーはこれまでと同様、安全で魅力的なラリーを開催してくれるはずです。前戦ラリー・モンテカルロで、我々の新しいドライバー達はクルマにとても良い感触を得ていたので、スウェーデンでもきっと素晴らしい走りを見せてくれるはずです。以前にも経験したように、このイベントでは出走順が大きく影響するので、来週コンディションがどうなるのか注視する必要があります」

セバスチャン・オジエ
「スウェーデンはとても好きなラリーです。年間カレンダーの中で唯一完全に雪上で行われる魅力的なイベントですし、雪の上での運転は自分にとって特別なものです。過去に何度か良い結果を残してきたので、もちろん今年も良い走りをしたいと思っていますが、ここ数年はやや苦戦しています。その原因のひとつとして、出走順の影響があると思います。選手権リーダーとして、トップで出走するのはとても大変でした。しかし、今年は少し状況が変わるので、どうなるのか様子を見たいと思います。ラリー・モンテカルロは、チーム全員にとって非常にポジティブなスタートになりましたが、きっとスウェーデンでも我々の戦闘力は高いはずなので、良い結果が得られることを期待しています」

エルフィン・エバンス
「ラリー・スウェーデンをとても楽しみにしています。雪上テストでのクルマのフィーリングは素晴らしかったので、今回も良いイベントになることを期待しています。初めてヤリスWRCで臨んだラリー・モンテカルロは、さらに良い結果を得られたかもしれませんが、全体的にはポジティブなスタートになりました。コンディションにもよりますが、スウェーデンでは出走順が大きな影響を及ぼす可能性があります。もし、路面に滑りやすい雪が大量に積もっていたとしたら、出走順が後方の選手にとって大きなアドバンテージになるでしょう。それでも、自分としては他のラリーと同じように、最初のステージから全力で挑むのみです」

カッレ・ロバンペラ
「スノーラリーはとても楽しいので、僕らにとってラリー・スウェーデンはきっといいイベントになるでしょう。ラリー・モンテカルロよりは難しくないと思いますが、その分だけ限界までプッシュする必要があります。ここまでのところヤリスWRCの運転をとても楽しんでいますし、特に雪の上では本当に素晴らしいクルマだと感じています。1月にヤリスWRCで出場したスノーイベントのアークティック・ラリーは、スウェーデンに向けて良い準備になりました。ただし、今年のスウェーデンは今のところあまり雪が多くなく難しいコンディションになるかもしれないので、その経験が助けになることを期待しています」

■2019年のラリー・スウェーデン
オィット・タナックは序盤から首位争いに加わり、デイ3最初のSS9で首位に立ち、スウェーデン初勝利を手にしました。また、ボーナスポイントの獲得が可能な「パワーステージ」も制し、最大ポイントを獲得。タナックは初めてドライバーズ選手権トップに立ちました。チーム加入後2戦目だったクリス・ミークは堅実な走りで総合6位に入り、ヤリ-マティ・ラトバラは金曜日にコースオフしてデイリタイアとなるも、翌日再出走し総合21位で完走しました。

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