新春特別インタビュー:エルフィン・エバンス 後編「ヤリスWRCはすぐにドライビングしやすくなった」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

新春特別インタビュー:エルフィン・エバンス 後編「ヤリスWRCはすぐにドライビングしやすくなった」

©Hiroyuki Takii

2020年シーズンに臨むTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのドライバーに話を聞く特別インタビュー企画。チームの中堅として期待がかかるエルフィン・エバンスの2回目は、ヤリスの印象やトヨタでの初シーズンのアプローチについて聞いた。


──フィンランドや南フランスでは、ミックスコンディションのなかでテストをしたとのことですが、どの程度の距離を走ったのでしょう。
「正確な距離は分からないが、テストは4日間に渡って行われた」

──初期テストでのヤリスの印象はいかがでしたか。
「最初のテストから、非常にポジティブな印象だった。マシンはいいリアクションをしてくれるし、予測しやすいクルマ。WRCではマシンのフィーリング、そしてドライバーの自信が重要になるから、予測しやすいという点はラリーでは役に立つ。それ自体が、快適なドライビングという点で、すでに大きなステップなのだと思う。だから、ここまでのところはポジティブだ。セッティングを少し変えてみたりもしたが、特に大きな問題はなかった」

──エンジンなどがアップデートされているとのことですが、違いは感じましたか?
「今はまだ新しいマシンに慣れている段階で、違いを感じるのは難しいと思う。以前のマシンとの違いは感じるが、その差はあまりに小さいので、トルクやパワーが大幅に異なるということでもなければ、その違いを感じ取るのは難しい」

──2017年にオィット・タナックがMスポーツからトヨタに移った時は、ヤリスに慣れるのも早かった印象です。チーム代表のトミ・マキネンは、それこそがヤリスの美点だと語っていますが、フィエスタからの「乗り換え」はスムーズにいくのでしょうか。
「フィーリングは最初のテストからとてもポジティブだった。予測できる挙動だったしね。だから、それがヤリスの長所だという点には同意できる。僕らが出すタイムがそれを反映するかどうかについては、時間が経ってみないと分からないが“すぐに快適にドライビングできる”という点が障害になる理由は、ひとつも見当たらないね」

──東京オートサロンでは、ヤリスの反応の素早さとエンジンパワーに印象を受けたと語っていましたが、フィエスタと比較して格段に優れているという感じなのでしょうか。
「マシンに関する違いというのは何かしらあるものだけれど、現在のWRCでは、各チームのタイム差はわずかだ。今は、すべてのマシンがステージウインを獲ったり、優勝を狙える状況にある。それは、レギュレーションがうまく機能しているということを示している。マシン間に大きな差は存在しない。でも、ヤリスは確かに反応性が高く、方向性を定めやすいラリーカーで、エンジンも強力だ。でも、それは外から見ていても分かることなので、すごく驚いたというわけではないが、それを実感できたのはとて良い経験だった」

──モンテカルロまでに改善すべき点はあると思いますか?
「現状では、大きな懸念はない。テストで少し変更をしてセットアップの可能性を探ったが、すでにドライビングは快適だ。もちろん、長期的に改善していきたいと思うような細かい点はあるけれど、今のところは不安になるようなものはひとつもない」

──モンテカルロから始まるシーズンにはどのように臨むのでしょう。TGRとは2年契約と聞いていますが、今年は学ぶ年になるのか、優勝を目指して勝負に出るのでしょうか。
「WRCには辛抱強さも必要だが、僕らはとにかく毎戦、ベストを尽くしていくしかない。学ぶための時間はあまりなく、僕にはできる限りいい仕事をするための経験が十分にあるので、うまくこなしていくことを試みることは可能だ。もちろん、新しいマシン、新しいチーム、新しい環境なので適応するための時間は必要になる。しかし、フィーリングの点ではすでにとてもポジティブだ。特定の大きな目標というのは設定していないが、どんなイベントでも最大限の努力をしていくつもりだ」

──2020年は、オジエと同じスタートラインに立つ、という記事が出ていましたが、どの部分で差をつけることができると考えていますか。
「まずはじっくりと様子を見てみるしかないよ。全員が優勝を目指しているなかで、僕らはベストを尽くしていくしかない。現在のWRCは非常に競争が激しく、トップドライバーのほとんどが優勝できる可能性を持っている。僕らは自分たちのことに集中しており、セブなど誰か特定のドライバーより優れたパフォーマンスを出そうと考えているわけではないんだ。セブとはマシンのセッティングなど、これまでも一緒に同じ方向性を見ながら仕事をしてきた。だからまったく問題はないし、自分たちは自分たちの走りに集中していく」
(Interview/Keiko Ito)

Hiroyuki Takii / RALLY PLUS

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