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新春特別インタビュー:エルフィン・エバンス 前編「トヨタと一緒に何ができるかを、楽しみにしている」

©Hiroyuki Takii

2020年シーズンに臨むTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのドライバーに話を聞く特別インタビュー企画。3人目は長年在籍したMスポーツ・フォードを離れ、新天地をトヨタに求めたエルフィン・エバンス。

自身のWRC初勝利を地元英国で決めたシーンが印象的なエバンスは、父グウィンダフも元ラリードライバー。セバスチャン・オジエとはMスポーツ・フォードでもチームメイトだった経験を持ち、グラベル、ターマックを問わず勝利を狙っていきたいところだ。


──TGRチームの雰囲気はどうでしょう。
「チームの全員が、とても温かく迎えいれてくれた。みんなのモチベーションも、とても高い。僕にとっては大きな変化だが、クルー全員が新しくなったチームにとっても大きな変化になる。だから全員にとってエキサイティングな時なのだと思うし、新しいシーズンで何ができるかについて皆がワクワクしているところだ」

──長年過ごした家族のようなチームから新しいチームに移籍したわけですが、早く慣れることはできそうでしょうか?
「そうなればいいね。Mスポーツが与えてくれた機会には心から感謝しているし、とても幸運だったと思っている。でも、新しいことに挑戦する機会が与えられたので、トヨタと一緒に何ができるかを、楽しみにしている。さっきも言ったように全員が大歓迎してくれたし、みんなが同じ方向に向かって進んでいるようなので、この新たな機会に心が躍っているよ」

──お父さん(グウィンダフ・エバンス)は、トヨタ入りに関してなにか言っていましたか?
「父は、僕のキャリアを懸命にサポートしてくれている。今も、僕のグラベルクルーを務めてくれているんだ。マシンが素晴らしいので、僕の移籍を喜んでくれたよ。最終的に選択したのは僕自身だが、自分のチョイスには満足している」

──グウィンダフが現役の時は、ちょうどTTE時代のトヨタが強かった頃ですが、当時のことは記憶にありますか。少年時代はトヨタにどんなイメージを抱いていましたか。
「WRCよりは英国ラリー選手権の方が強く心に残っている。父の全盛期には、僕はまだかなり幼かったからね。でも、もちろん、色々と覚えてはいる。僕が成長する過程で、トヨタのラリーにおける歴史はとても輝かしいものだったし、僕としてもその歴史をつないでいくことができればいいと思っている」。

──英国籍のラリードライバーと日本のマニュファクチャラーの組み合わせでは、スコットランドのコリン・マクレーとイングランドのリチャード・バーンズが、ともにスバルでタイトルを獲っています。初めてのウェールズ出身ドライバーとして、トヨタでタイトルを獲ることを目指していますか。
「もちろんだ。そうなれば、本当にうれしい。僕らは全員が絶対に優勝したいと考えており、それが最終目標だ。先のことばかり考えることにはあまり意味はないと思うが、もちろんその目標に向かって最善を尽くしていきたい」

──マクレーとバーンズというドライバーたちについて、どのような印象を持っていますか?
「彼らは、もちろん英国のラリー界において、極めて重要な足跡を残してきたドライバーたちだ。彼らが競技に出場しなくなった後、再び英国人ドライバーが出てくるまでかなり間隔が空いたので、マクレーやバーンズが活躍していた当時に比べて英国でのラリー人気は少し低迷しているのかもしれないが、現時点で僕らがWRCに参戦できているのはとてもいいことだと思う。

僕の思い出としては、父が出場しているラリーを観戦していた時に、ステージで出走順トップのコリンが道路に対して直角でコーナーを出てきた時の印象は、一生忘れられないよ!」
(後編は近日公開 Interview/Keiko Ito)

Hiroyuki Takii

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