全日本ラリー久万高原:新井大輝、盤石のラリー運びを見せて優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー久万高原:新井大輝、盤石のラリー運びを見せて優勝

©Naoki Kobayashi

全日本ラリー選手権第4戦Sammy久万高原ラリーはすべての競技を終え、ベテラン勢を従えてスバルWRX STIの新井大輝/小坂典嵩がJN1クラスの優勝を飾った。2位には奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)、3位に勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)という順位となった。

ラリー最終日は前日のSSを逆走して使う4SS、55.06km。前日はマシン特性もあり新井大輝と奴田原がベストを獲りあう展開となったが、この日は新井大輝がオープニングのSS5から3連続ベストタイムをマークして奴田原を圧倒した。最終SSではリスクを避けて危なげなくラリーをまとめる巧さを発揮し、最終的に10.1秒差で勝利。海外修行での確実な、そして大きな成長を感じさせる一戦となった。

新井大輝は「無事に優勝できました。SS2ではトランスミッションオイルが漏れるという問題もありましたが、それ以外は自分の計画どおりのラリー運びができました。すべてがうまくいったと思います。今日の1本目のSS5の下りは本当に死ぬ気で踏みました。2ループ目までに大差をつけることが目標だったので。最後のループはクルージングして帰ってこられました」と、余裕さえ感じさせるコメントでラリーを振り返っている。

JN2クラスはTGR Vitz GRMN Rallyの眞貝知志/安藤裕一が盤石のシーズン4連勝。2位にはレクサスRC Fの石井宏尚/寺田昌弘、3位はシトロエンDS3 R3-MAXの山村孝之/マクリン大地という順位になっている。8SS中6SSを制した眞貝は、セッティングには改善の余地があるとしつつも「きっちりミスなく、4連勝できて良かったです。今回から導入したタイヤは抜群に良く、このラリーでも助けてもらいました。グラベルを前にシリーズの貯金ができて挑めるのは大きいです」と前向きなコメントを残している。

曽根崇仁と長﨑雅志による僅差の2位争いに注目が集まったJN3クラス。首位は初日から大きくリードを稼いだ山口清司/島津雅彦(トヨタ86)が危なげなくフィニッシュまでマシンを運び、勝利を挙げた。2位争いは、最終SSを前に1.3秒曽根がリードというスクラッチバトルに。曽根は最終SSで長﨑を突き放す渾身のベストタイムをマークして2位。長﨑は3位となっている。地元愛媛県出身の山口は、「ここで勝つのは2016年以来です。今シーズンようやく勝てましたね。今回はクルマがあまりうまく仕上がっていなかったのですが、修正しながら走り切ることができました。島津選手とのコンビは2年ぶりですが、違和感なく戦うことができたと思います。モントレーに向けて、しっかりクルマを直して臨みます」と、ラリーを振り返った。

JN4クラスは高橋悟志/古川智崇(スズキ・スイフトスポーツ)が初日のリードを活かして勝利を獲得。2位には関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)、3位は西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)となっている。今季3勝目と好調の続く高橋は、「連勝できてうれしいです。今回はタイヤとブレーキの使い方が大きなポイントとなりました。下りが厳しかったのですが、ダンロップが幅の広いタイヤを出してくれていたことと、ブレーキも含めていい感触でした。モントレーはグラベルになるので、心機一転あらためて頑張ります」と勝因を語った。

天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR)が全SSベストタイムで負けなしの4連勝を飾ったJN5クラス。2位は岡田孝一/石田一輝(マツダ・デミオ15MB)、3位には小川剛/藤田めぐみ(ホンダ・フィットRS)という順位となった。昨シーズンから数えて6連勝という強さを誇る天野は、「一応、今回で61勝目になります。クラスではベストタイムを並べることができたのですが、気温・標高が高いので1.5リッターのNA車にとっては厳しいですね。次戦はグラベルラリーになりますが、上のクラスを食える機会も増えてくるので、より楽しんで走ることができると思います」と貫録のコメントで、次戦に向けた意気込みを語った。

JN6クラスは大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)が、こちらも負けなしの4連勝。2位には板倉麻美/梅本まどか(トヨタ・ヴィッツCVT)、3位は中西昌人/福井林賢(マツダRX8)が入っている。大倉は初日に負ったダメージを修復し、様子をみながらの出足。それでもベストタイムを積み重ね、8SS中7SSを制してみせた。大倉は、「昨日ヒットしたリヤセクションを直してもらったんですが、今日の最初はクルマの様子を見ながら走りました。マシンを直してくれたチームに感謝です。最後のSSでは板倉選手にベストタイムを取られてしまいました。もう1kmあたり1秒の差はないも同然ということで警戒しています。次は久々のグラベルなので、楽しみです」とラリーを振り返った。また、プレイドライブ・ラリーチームの伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートe-POWER NISMO S)は4位でラリーを終えている。

次戦は6月6〜9日、群馬県嬬恋村で開催されるMONTRE 2019。今年は日本スーパーラリーシリーズだけでなく、アジア・パシフィックラリー選手権との併催となり、走行距離も長くなっている。グラベル連戦の緒戦ということで、その後のシーズンを占ううえでも重要なラリーと言えるだろう。

全日本ラリー選手権第4戦 久万高原ラリー 正式結果
1. 新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI) 1:27:49.5
2. 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX) +10.1
3. 勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI) +48.8
4. 柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI) +3:05.7
5. 高橋悟志/古川智崇(スズキ・スイフトスポーツ) +4:41.3
6. 関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ) +5:21.9
7. 山口清司/島津雅彦(トヨタ86) +5:34.6
8. 眞貝知志/安藤裕一(TGR Vitz GRMN Rally) +5:51.7

12. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +6:45.5
19. 大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT) +9:10.1



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