勝田貴元がヤリスWRCで初参戦。雪嵐の中を僅差で優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

勝田貴元がヤリスWRCで初参戦。雪嵐の中を僅差で優勝

©Jarno Saari

フィンランドラリー選手権第3戦イタラリーが3月2日、フィンランド東部のヨエンスーで開催され、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの育成ドライバー、勝田貴元がトヨタ・ヤリスWRCで初めての実戦に臨み、雪嵐の難コンディションのなか優勝を飾った。

これまでR5マシンで何度もフィンランド選手権戦に参戦してきた勝田が初めてWRカーで参戦するとあって、地元フィンランドのメディアやラリーファンからも大いに注目を集めた今回の一戦。今週初めにはテストセッションを上々の内容で終えていた勝田は、金曜日のレッキも快晴のもとでペースノート作成に励み、コ・ドライバーのダニエル・バリットとともに万全の準備でラリーに臨んだ。

「ラリー前、このエリアの道はフィンランドの中でもおそらく最高だろうと聞いていましたが、そのことがレッキでよく分かりました。高速でクレストやジャンプが多く、非常に走りがいのある道です」と勝田。トヨタのWRCチームは通常、ミシュランタイヤを使用しているが、勝田は今回、ピレリタイヤで参戦している。

WRカーの参戦であることからカーNo.1を与えられた勝田は、先頭でステージをスタート。走行順は理想的ではなかったが、勝田はオープニングの2SSでベストタイムで滑り出した。ところがSS3、小さなミスが40秒近くのタイムロスにつながってしまう。スタート直後で雪壁にヒットしてスピン。これで左サイドのフロントとリヤにダメージを負ってしまった。さらに1速が入り難くなったためマシンを止めて対応し、走行復帰までに30秒近くかかってしまったのだ。しかし33.2kmのロングステージだったことにも救われ、ステージの残りで追い上げ、このトラブルがありながらも1.4秒の僅差でベストタイムをマークした。

Jarno Saari

このSS3から雪が強く降り始めていたが、サービスを挟んでのSS4、SS5になるとその雪がさらにひどくなり、コンディションはさらに厳しくなってきた。まさに雪嵐という状況の中、先頭走行の勝田は10cmの新雪が積もるステージに直面することになる。

「ペースノートに合わせて走ることができないほど、とても難しいコンディションでした。雪が多くて非常に滑りやすく、フルスピードでラインや雪壁を見つけるのは楽ではなかったので、速度を抑えざるを得ませんでした」と勝田。

フルスノーコンディションとなったジェットコースターのようなステージでは、後方の走行順の方がよりグリップを得られる。フォルクスワーゲン・ポロGTI R5のエミル・リンドホルムが4番手スタートのアドバンテージを活かして、SS5を終えた時点で勝田をかわして2.5秒差の首位に立った。そして残るのは、ヨエンスーの市街地近郊での最終SS6のショートステージのみ。しかし、ここで勝田は会心の走りを見せて、地元フィンランドの若手リンドホルムを3秒以上先行するタイムをたたき出し、最終的に0.8秒差で逆転優勝を飾った。

「今回のイタラリーで一番重要なのは、クリーンなドライブでヤリスWRCでの経験を積むことでした」と勝田。
「もちろん、ラリーに勝つことができうれしく思いますが、このコンディションは本当に難しかった。今後に向けて最高のラリーになりましたし、学んだことも多かったです」

Jarno Saari

勝田はこの後、WRCラリーメキシコのレッキに参加するために、翌3月3日にはメキシコに向かう。
(Jarno Saari)

フィンランドラリー選手権第3戦イタラリー 最終結果
1. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 52:15.9
2. エミル・リンドホルム(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +0.8
3. ユハ・サロ(シュコダ・ファビアR5) +50.2
4. ヤリ・ケトマー(フォード・フィエスタR5) +51.6
5. テーム・アスンマー(シュコダ・ファビアR5) +55.5
6. エサ・ルオツァライネン(三菱ランサーエボリューションⅥ) +2:22.7

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