WRCスウェーデン:勝田貴元、最終SSで惜しくも完走を逃す – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:勝田貴元、最終SSで惜しくも完走を逃す

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TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元が、2月14日(木)から17日(日)にかけてスウェーデンで開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリースウェーデンのWRC2部門に、コ・ドライバーのダニエル・バリットと共に参戦。序盤は6位につけたが、最終日の最終ステージでコースオフを喫しリタイアに終わった。

ラリースウェーデンはWRC唯一のフルスノーラリー。金属製のスタッドが埋め込まれた特殊な雪道専用タイヤにより、雪と氷に覆われた森の中の道をラリーカーは非常に高い速度で走ることができる。伝統的に雪道育ちの北欧系ドライバーが速いが、昨年の2018年大会では勝田が激戦のWRC2を制し優勝している。勝田は今年もフォード・フィエスタR5でWRC2にエントリーし、好結果を狙った。しかし、例年よりも暖かい気候で雪が解けるなど、昨年とは大きくコンディションが異なる路面に勝田は苦戦。金曜日は一時6位につけていたが、その後雪壁に当たって20秒程度遅れ、順位を落とした。土曜日にもスピンを喫し、その際フロントのラジエーターに詰まった雪を取り除くためにクルマを止め2分程度を失った。最終日の2本目のSSではWRC2部門3番手タイムを記録するなど、コンディションの良くなった路面では本来の速さを発揮。8位フィニッシュが期待されたが、残念ながら最終SSで雪の中に隠れていた石でホイールにダメージを受けてスタック。コースに復帰できず完走はならなかった。それでも勝田はほぼ全てのステージを走破し、得難い貴重な経験を積んだ。

勝田貴元
「とても難しい週末でした。雪、解けた雪、グラベル、泥など様々な路面が混ざる複雑なステージが多く、自分がこれまでに経験したことがないようなコンディションで、自信を持って走る事ができませんでした。本当に運転が難しく、危ないシーンも何度かありました。それでも攻め続けようと努力したのですが、土曜日に雪壁に当たった際ラジエーターに詰まった雪を取り除くため、タイムをかなり失ってしまいました。そこでアプローチを変え、自分の順位を受け入れ、少し慎重に良いリズムで走るように切り替えました。日曜日の朝は理想的なウインターコンディションとなったので、とても楽しくドライブできましたし、良いタイムも出ました。最終ステージでは慎重に走ったのですが、自分のペースノートに記されていない大きな石がコーナーのイン側にあり、それに当たってしまいました。本当に残念ですが、それでも大部分のステージを走りましたし、凍った路面では速さがあったと思います。複雑な路面コンディションでは改善の必要性を感じましたが、今週末は多くを学んだので、今回の経験が将来必ず活きるはずです」

TOYOTA

ヤルッコ・ミエッティネン(インストラクター)
「我々が設定した目標を貴元は忠実に守り、大部分のステージで安定した走りを実践しました。今年のステージは、経験豊かなドライバーにとっても非常にトリッキーで難しいコンディションでしたが、貴元は巧みなドライブを続け、少しでも順位を上げようと頑張りました。彼はメンタル面に関しても上手く自分をコントロールし、土曜日に置かれた状況が変わってもうまく対応できていたと思います。今回の経験は、きっとこれからのシーズンの助けになるでしょう」

ラリースウェーデン WRC2の結果
1. Ole Christian Veiby/Jonas Andersson (Volkswagen Polo R5) 2:54:04.0
2. Emil Lindholm/Mikael Korhonen (Volkswagen Polo R5) +2:03.5
3. Johan Kristoffersson/Stig-Rune Skjærmoen (Volkswagen Polo R5) +2:19.6
4. Emil Bergkvist/Patrik Barth (Ford Fiesta R5) +2:28.8
5. Nikolay Gryazin/Yaroslav Federov (Skoda Fabia R5) +3:04.4

R. 勝田貴元/ダニエル・バリット (Ford Fiesta R5)

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