WRCモンテカルロ:オジエ「珍しく感極まった、とてもうれしかったんだ」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCモンテカルロ:オジエ「珍しく感極まった、とてもうれしかったんだ」イベント後記者会見

©Citroen

WRCモンテカルロのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。復帰したシトロエンは100周年の節目。その初戦を地元の難関ラリーで勝利で飾り、それがシトロエンにとって記念すべき100勝目となった。すべてが重なったことで、6連覇王者の感情が沸き立ったようだ。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

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1位:セバスチャン・オジエ=SO(シトロエン・トタルWRT)
1位:ジュリアン・イングラシア=MA(シトロエン・トタルWRT)
2位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ピエール・ビュダール=PB(シトロエン・トタルWRTチーム代表)

Q:今季最初の勝利、そしてシトロエンにとってのWRC100勝目達成、おめでとう。本当にスリリングな最終日だった。優勝を決めたと分かった時の気分は。
SO:ケーキに最高の飾り付けができたという感じだが、何より重要なのはシーズンをこのように滑り出せたこと。自分は何度も勝っているが、今回は僕が勝つと思っていた人はあまり多くなかった。新しいマシンでの最初は、簡単には行かないものだ。本当にうれしいよ。最終ステージのフィニッシュで、僕の喜ぶ姿を見ていたと思うけど。

Q:とても感極まっていた。珍しい光景だ。
SO:珍しいね。とてもうれしかったんだ。そう多くはない(特にキャリアの序盤は)十分に楽しめていなかった。今回は楽しめたよ。そして、彼(ティエリー・ヌービル)とニコラ(ジルスール)にも感謝したい。このようなバトルを戦い終えたことで、より感情が高ぶった。本当に色々な気持ちが入りまじった思いだ。

Q:今日はスロットルのトラブルがあったが、いつ気づいたのか。
SO:実は昨日の夜のリエゾンで、スロットルを開けている時に変な反応が出始めていた。完全にオフにならないことがあったんだ。あまりいいことではないよね。特にステージモードの時には。トリッキーになりかねないので、できる限りすべてのことをチェックした。センサーが少しおかしいようだった。幸い、うまく動く時もあったが、危険でもある。最終的に少し直すことができて、100%ではなかったが、少なくともラリーをフィニッシュできたし、パワーステージでは最後のプッシュをして首位を守り切ることができた。センサーがダメになるかもしれなかったし、そうなればもっと大きなドラマにつながる。これも、感極まった理由のひとつだ。

Q:最終ステージはどのような感じだったか。
SO:いい走りができた。プッシュしていた。新しいマシンで100%以上のプッシュをすることは難しい。シトロエンは、こういったコンディションが得意なことは知っていたが、昨年自分がドライブしていたのとは反応が違った。全力を尽くしたよ。クリス(ミーク)はそれよりも速かったが、それは別の話だ。今は、ラリーを勝つだけで十分。シトロエンでの復帰をこのように始められて、よかったよ。

Q:ジュリアン、君とセブはこのイベントで連勝を続けているが、これでバルター・ロールと並んで、4つのマニュファクチャラー(プジョー、フォルクスワーゲン、Mスポーツ・フォード、シトロエン)でこのイベントに勝ったクルーになった。素晴らしい業績だ!
JI:そうだね。でも、それができたと分かるまで少し間が空いただろう。みんなの反応を見ていた。セブのお父さんの笑顔を見て、やったんだと分かった。それから、大きな感情が込み上げた。すべてが新しい環境だが、何年も日曜日に協会に行き損ねている。何年もこのラリーに出続けて、髪の毛も白いものが混じり始めたよ。
SO:僕の方が白いよ!
JI:今年も同じようにチャレンジングでエキサイティングになるのだろうかとみんなが考えているのなら、今回僕らはその答えをハッキリ出せたと思うよ。

Q:ティエリー、全開で攻めていたがセブには追い付けなかった。それでも、シーズンのスタートで高ポイントを獲得できた。
TN:今回は、自分たちより強かったドライバーがいた。サルディニアでは僕らは勝ったが、今回はもう少し難しかった。今朝は4秒以上離れていて、このような道では彼らは速いだろうと予想していた。差を詰めて彼にプレッシャーを与えたが、最終的なリザルトは願っていたものではなかった。でも、最終的に大切なポイントが獲れた。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:彼がフィニッシュするのを待つのは、どんな気分だったか。
TN:正直、あのステージを前にしての気持ちは、とてもよかった。その前のステージで、マシンはとてもいい動きをしていた。だけど、あのステージのフィニッシュに向かって、ややブレーキで手こずるようになった。グリップが高くアイスが少ないところで、トヨタがとても強かった。フィニッシュラインを超えて、自分たちはたぶん届かなかったと分かったが、グラベルクルーに感謝したい。道にとどまるのが本当に難しいコンディションだったが、彼らは変更しなくてはならないところはしっかり伝えて、ムダな情報はなかった。本当にいい連携ができた。

Q:スウェーデンではスタート順が2番手だが、自信のほどは。
TN:去年は先頭走行でかなり苦戦した。コンディションは今回、もっとよくなってほしいと思っている。一番の目標は、一番のライバルよりも上にいることだ。

Q:ニコラ、今の気分は。
NG:もちろん、みんなも知っているとおりモンテカルロはコ・ドライバーにとっても本当に大変なラリーだ。ほとんど悪夢だよ! 細かいところまで詰めなくてはならず、1コーナーに(グラベルクルーからの情報を)3行も書き足さなくちゃならないこともあるんだ。でも、ティエリーも言ったように、グラベルクルーは数時間しか寝ていないのに最高の仕事をしてくれた。本当に感謝している。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:オィット、木曜日の夜はリードしていたが、金曜日に後退した。土曜日はすべてのステージでベストタイムを出す激走を見せて、今日はポディウム圏内まで上がってきた。結果には満足か。
OT:満足していいのか、よく分からない。とてもいいイベントだったが、終わってみれば金曜日は本当に苦戦していたと言える。パンクがなかったとしても、今以上のポジションが狙えたのかは分からない。ティエリーとセブは、トリッキーなコンディションでとてもいい走りをしていたし、自分たちはステージがキャンセルになってタイヤが摩耗した。それからパンクもあって、逆風になってきた。でも、土曜日からはいい走りができたし、フィーリングもよかった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、マシンも最高だった。自分たちは何も間違っていかなかったが、完璧にうまくいかない事もある。うまく行く日もあるしね。

Q:土曜日のペースには満足していたのでは。
OT:すべてが予定どおりに機能していればペースが出ることは、見てもらえたと思う。土曜日は完璧だった。タイヤの組み合わせは常に合っていたし、午後は他とは少し違う選択をした。でも、すでに3分差がついていたし、すぐ上とも30か40秒差があった。もしタイヤチョイスが間違っていたら、10か15秒はロスしていただろう。でも、実際は数秒冷たし、おかげで今日挑むことができた。

Q:土曜日の午後はスタッドは持っていかなかったのか。
OT:そうだ。自分担当のマルティン(カングール、アイスノートクルーのドライバー)から連絡をもらって「何が違うことをするべきだ、アイスは5kmくらいだから、勇気があれば対応できる」と。もっと安全な方法を採ることもできたが、もし天気が変われば有利になる。少し氷が融けていた感じがしたし、まさに数秒プレッシャーをかけたいところだった。自分たちに必要なこと、そのものだった。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:マルティン、土曜日の走りでオィットに笑顔が出た。
MJ:笑顔が出始めてよかったよ! 自分にとっては3回目のモンテカルロで、悪夢という感じではなかった。楽しめるようになり始めたよ。プロモーターに、一年の最初と最後にモンテをやらないかと提案したよ。グラベルクルーには、うれしくはないかもしれないけどね。

Q:金曜日以外は、いいイベントになったか。
MJ:金曜日以外は、速さは常に出ていた。でも、新しいエンジニアともうまく行った。グラベルクルーもいい仕事をしてくれた。みんな、ありがとう。

Q:シトロエンは創設100周年、そしてこれでWRC100勝目! 今日はちょっとしたドラマもあったが、最高の週末になった。今日のこの勝利は、チームにとってどれだけの意味を持つか。
PB:とてもいい節目だ。ラリー100勝目と100年目は、このブランドが長く生き続けて、WRCの歴史の中にも根付いているということ。ラリーとシトロエンのブランドには、とても強い結びつきがある。

Citroen

Q:セブは、自分たちが勝つと思っていた人は多くなかったと言っていたが、彼が勝つと信じていたか。
PB:もし、彼が勝つと考える人がひとりしかいないとすれば、それは私だ。でも、今回そう思ったのは私だけではなかったと思う。チームでは、もちろんみんなが彼らのために最高のマシンを準備しようとプッシュしていた。彼らは新しいマシンでもしっかり対応してくれた。モンテはとても難しいラリーで、新しいマシンでこのコンディションに対応するのはとても難しい。とても感銘を受けたよ。

Q:今日のスロットルのトラブルはどれくらいひどかったのか。
PB:サービスがなかったので、かなり大変だった。この問題を見つけた時、全力を尽くそうとしたが、一日を終えてあまりできることはなかった。これも、対応が難しかったことのひとつ。彼らを助けてあげられず、トラブルがもっとひどくなるのかならないのか、不安に思うのはとてもストレスが溜まった。本当に安心したよ。

Q:今回のラリーをどのように評価するか。
PB:まず、この勝利はとてもうれしい。そして、セブとジュリアンがここにいることも。でも、やらなくてはならないことがたくさんあることも忘れてはならない。(トラブルでリタイアした)エサペッカとヤンネの件がある。モンテカルロに来ているのは、勝ちたいからだけではない。今年は他にも目標がある。今年は、とても難しい戦いになる。ファクトリーでもいい仕事をしていかなくてはならない。エサペッカのエンジンの作業は今日すでに始められている。



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