全日本ラリー丹後:スバルの勝田範彦が今季初勝利 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー丹後:スバルの勝田範彦が今季初勝利

©SUBARU

全日本ラリー選手権第3戦「NISSIN Rally丹後2018 Supported by Sammy」はすべての競技日程を終えて、スバルWRX STIの勝田範彦/石田裕一が今シーズン初勝利を達成した。2位は鎌田卓麻/市野諮、3位は三菱ランサーエボリューションⅩの福永修/齊田美早子となっている。

競技最終日は、SS7〜12の6SS、35.18km。前日のSS2カ所をリバースステージとして使用し、道の駅丹後王国の敷地内に設けられたギャラリーステージを加えた3SSを2度走行する設定となっている。この日の注目はやはりJN6クラスのトップ争い。勝田と鎌田の差はスタート時点で1.6秒と、気の抜けない状況が続いている。

この日最初のSS7を獲ったのは勝田。鎌田を0.1秒だが上回るベストタイムをマークしプレッシャーをかけていく。しかし鎌田も負けずにSS8で一番時計。これで勝田との差を0.8秒とした。SS9は勝田が鎌田のタイムを上まわり、これで差は1.4秒に広がることに。さらに勝田は続くSS10でベストタイムをマークしてその差を4.0秒とし、逃げ切りを狙う。しかし鎌田も踏ん張り、SS11で同タイムのベスト。勝負は最終SSに持ち越されたが、0.36kmの最終SSでは鎌田の逆転ならず、3.8秒差で勝田が勝利を収めることとなった。これで勝田は今シーズン初勝利。僅差で敗れた鎌田だが、SS7でのフライングによりペナルティ10秒が加算され、最終的には13.8秒差での2位となった。

JN5クラスはシトロエンDS3 R3-MAXの小濱勇希/草加浩平が初日のリードをさらに拡大して今季初出場で初勝利を得た。「デイ1は調子良く走れたんですが、デイ2は周囲も速くなったことで、あまり大きく差がつきませんでした。周囲も進化していると感じたラリーでした。次の久万高原ラリーは、自分の地元愛媛です。ターマックからグラベルに変わりますが、連勝を狙いたいと思っています」と小濱。2位にはGRMNヴィッツを投入した眞貝知志/安藤裕一。眞貝は「ニューマシンのデビュー戦できっちり完走できて、本当に良かったと思います。車両の不具合はまったくなく、今後、速さを突き詰めることに集中できるので楽しみです。次はこのクルマにとって初のグラベルラリーです。色々なことが起きると思いますが、チームと一緒に戦っていきたいです」、と新しい車両に大きな手応えを得たようだ。3位にはプジョー 208 R2の横嶋良/木村祐介が入っている。

山口清司/山本磨美、山本悠太/北川紗衣というトヨタ86同士のバトルとなったJN4クラスは、2日目に山本が6SS中5SSでベストタイムをマークする力走を見せて逆転優勝。今季初勝利を飾った。3位にはスズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)の西川真太郎/本橋貴司が初表彰台を獲得している。山本は、「1秒を争う緊迫した展開でした。午前中に逆転して、なんとか持ちこたえることができました。落ち着いて走れたことが一番の勝因だと思います。丹後の道は初めてでしたが、大きなミスなく走れました」と笑顔でラリーを振り返った。

JN3クラスは天野智之/井上由紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”)が優勝。JN3クラスのレッキ受付台数が規定台数に満たなかったためクラス不成立となりポイントはつかないものの、収穫の多いラリーとなったと語る。「色々とタイヤを変えたりして、いいテストになっています。2日目のセットアップが良かったので、今後の方向性が見えてきました。グラベルになると僕のような小さなクルマでも上位に行けるので、総合でも目立ったポジションを獲れるように頑張りたいです」と、天野は次戦以降への意気込みを見せた。

JN2クラスはスバルBRZの鈴木尚/鈴木裕が初日のリードを活かして逃げ切り勝利。明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)を20秒差で押さえ込んだ。3位はTGRRCから全日本ラリー選手権にステップアップしたトヨタ86の長﨑雅志/秋田典昭。優勝した鈴木尚は、「JN2初優勝です。うれしいです。トラブルはなかったのですが、長くてタフなラリーでした。色々な路面を楽しめて、充実したラリーでした」とコメントしている。

JN1クラスはホンダ・フィットの小川剛/佐々木裕一が逃げ切って今季初勝利を挙げた。25秒差の2位には伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)、3位は三苫和義/遠藤彰(ホンダ・フィット)が入っている。今シーズン初優勝の小川は「気の抜ける箇所のないラリーだったので、集中力を欠かないように注意しました。次の久万高原に向けて、マシンをしっかり準備して、僕自身も練習して挑みたいです」と、手応えを語っている。SS1でフライングを喫した伊藤は「我慢のラリーとなってしまいました。次の久万高原は初めてのグラベルラリーになります。スタートまでにしっかり準備して臨みます」

全日本ラリー選手権第3戦 最終結果
1. 勝田範彦/石田裕一 スバルWRTX STI 1:00:06.1
2. 鎌田卓麻/市野諮 スバルWRTX STI +13.8
3. 福永修/齋田美早子 三菱ランサーエボリューションX +25.6
4. 奴田原文雄/佐藤忠宜 三菱ランサーエボリューションX +33.4
5. 新井敏弘/田中直哉 スバルWRTX STI +1:17.8
6. 村瀬太/宮部弘陽 三菱ランサーエボリューションX +1:40.3

7. 小濱勇希/草加浩平 シトロエンDS3 R3-MAX +2:04.7
9. 山本悠太/北川紗衣 トヨタ86 +2:55.2
12. 鈴木尚/鈴木裕 スバルBRZ +3:10.8
17. 天野智之/井上裕紀子 トヨタ・ヴィッツ +4:25.7
23. 小川剛/佐々木裕一 ホンダ・フィット +5:25.0



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