Mスポーツ・フォードはWRCメキシコで本領発揮を目指す – RALLYPLUS.NET ラリープラス

Mスポーツ・フォードはWRCメキシコで本領発揮を目指す

©M-Sport / MFORN STUDIO

WRCスウェーデンは、走行順で不利な状況に置かれたこともあり、苦戦を強いられたMスポーツ・フォード。スペインで行ったメキシコ戦向けのテストは、ヨーロッパを襲った寒波のために5日間から3日間短縮されたが、それでも、フォードから充実した技術支援を受けるなかで、万全の準備を整えてWRCメキシコでの挽回を目指す。

チームがメキシコ戦にエントリーするのは、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス、テーム・スニネンの3人。

オジエにとってメキシコ戦は思い出の積もるイベントで、2008年にはWRCデビューを果たした。この時は、JWRC部門で優勝を飾っただけでなく、総合8位に食い込んで、自身初のWRCポイントも獲得している。WRCのトップカテゴリーに上がってからも、優勝3回、ポディウムは6回と、相性のいいイベントだ。現在、選手権2位につけているため、先頭走行からは解放されるが、より後方スタートのドライバーのために、路面に残る砂利を掃かなくてはならない。

「ラリーメキシコを迎える時は、いつも特別な気分になる。10年前、すべてがあそこから始まったんだからね!」とオジエ。
「初めてのWRC戦、そしてジュニアWRC優勝から、自分のストーリーが始まった。以来、ポディウムや優勝を重ねてきた。今年最初のグラベル戦かもしれないが、それ以上に特性が独特だ。標高が高いため空気が薄く、通常よりもパワーが落ちる。さらに気温の高さもあるので、エンジニアたちは人口気象室を活用してパフォーマンスを得られるように作業を進めてきた。ルーズグラベルも、走行順が早いドライバーには試練になり、速いドライバーも多い。金曜日の午前は、できるだけタイム差をつけられないように踏ん張り、その後はできる限りいいリザルトを目指してプッシュしていく」

エバンスは、過去3回メキシコに参戦しており、ベストリザルトは4位。選手権では現在10番手と走行順ではアドバンテージの高い位置につけており、今回はメキシコでの自己ベスト更新を目指す。

「ラリーメキシコは、いつもとても楽しんでいる。クレバーに走れば結果がついてくるイベント。速さとリスクのバランスを取らなくてはならないが、そのことこそ今回自分が目指しているものだ」とエバンス。
「自分たちは走行順には恵まれるが、だからといって試練がないわけではなく、コースラインに石が掃き出されてくるリスクは高まる。集中を維持して、2018年の戦いに勢いをつけられるようなリザルトを出したい」

一方、若手のスニネンは、今回がWRカーでは初めてのメキシコ参戦となる。唯一参戦した2016年はWRC2部門での勝利を飾っているが、今回は全く別の試練となりそうだ。イベント前テストが中断されたことにより、走行の機会を失ってしまったスニネンだが、走行順の面ではよりクリーンな状況。マシンのパワーも落ちる環境から、アドバンテージを活かせるチャンスも生まれるかもしれない。

「メキシコは、本当に極限のコンディションに直面する、カレンダーでも特別なイベントだ」とスニネン。
「悪天候のためにテストが中断されたことは残念だが、時にはこんなこともあるし、シェイクダウンの機会をしっかり活用して、メキシコでのドライビングに順応しなくてはならない。どれだけチャンスがあるのか、予測するのは難しい。数年前はWRC2で優勝したが、今年は状況がまったく違うし、戦いは本当にタフになると考えている。自分のドライビングに専念して、結果を待ちたい」



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