マーティン・ホームズのWRCプレビュー・英国編「マシュー・ウィルソンが3年ぶりにWRC参戦」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

マーティン・ホームズのWRCプレビュー・英国編「マシュー・ウィルソンが3年ぶりにWRC参戦」

©M-SPORT

10月26日(木)から29日(日)にかけて、英国ウェールズで開催されるWRC第12戦GB。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けしよう。

■シトロエン
カタルニアでは、予想外のトラブルはなかったと語るシトロエンだが、グラベルでの走りを改良するにはまだ作業が必要だと考えている。

ラリーGBでの試練は、ワイパーの安定性と効果的にフロントガラスの湿気を除去することだ。ウェールズではプレイベントテストは行わず、フランス・トゥールーズ近郊のマザメで4日間に渡ってテストを行った。今年のテストプランは、2018年に向けてマシンを改良することに最大限専念するための措置。

ラリーGBで使用するマシンは、クリス・ミークがシャシー4、クレイグ・ブリーンは新車のシャシー11、カリッド・アル‐カシミがシャシー8となる。

ラリーGBの土曜日に設定されるナイトステージについては、非常に苛酷で他に類を見ないが、モータースポーツにとってもラリーにとっても、非常に興味深いという考えを示した。走行順については「ドライなら後方が有利、地面がウエットになると俄然先頭が有利」としている。今回はWRCトロフィー部門に、ジョルダン・セルデリディスがDS3 WRCでエントリーしている。

■ヒュンダイ
スペインでは悪夢に見舞われたヒュンダイ。破損したサスペンションの部品は、3台とも同じで、タイヤへの衝撃もほぼ同様のものだった。全車がアンダーステアに苦しんだが、他のドライバーよりも悩まされたドライバーもいた。

ミケルセンは、WRCレギュレーションにのっとり、パッドンのトランスミッションセットアップを使用していたが、このエントリーは、マニュファクチャラーズ選手権争いのテコ入れだけでなく、次の2年間に向けた準備の意図もあった。

ラリーGBでのチャレンジは、雨、氷、霧もあり得る不安定な天候で、グリップも不安定になる。チームは、ウェールズ中部にある林道で3日間のテストを行った。日曜日のステージエリアとなるアーウェン・サウスも走行している。

ダニ・ソルドはポーランドで使用したマシン、ヘイデン・パッドンはミケルセンのカタルニア車、ティエリー・ヌービルは新車のシャシー8を使用する。「土曜日のナイトステージは、霧が出る可能性もあるので、ドライバー間の差が大きく出そうだ」と予想している。

■Mスポーツ
カタルニアでの予想外の事態は、オィット・タナックの舗装仕様のギヤボックスが、土曜日午前に内部コンポーネンツで不具合を起こし、グラベルスペックに交換せざるを得なくなったこと。

ラリーGBでのチャレンジは、寒さとマディなコンディション。効果的なワイパーとウォッシャーは欠かせない。タナックとセバスチャン・オジエはウェールズで1日テストを行い、エバンスはチームの地元で1日テストを行った。

オジエが使用するのはフィンランド車、タナックはカタルニア車、エルフィン・エバンスは通常のマシンを使用する。

Mスポーツは、このイベントではWRカーとR5マシンを合わせて12台エントリーする。

ナイトステージについては「独特なチャレンジがさらに加わる。一日の競技時間が長くなるが、ラリーGBはいつもこうしたチャレンジを与えてきた」。ラリーの予想としては「ウエットなら走行順は早い方がいいが、ドライなら中盤がありがたい」

ベントレー・Mスポーツのレースマネージャ、マシュー・ウィルソンが3年ぶりにWRCに登場。タノックのスポンサードを受けて、R5マシンをドライブする。ワンベット・ジポカーのプライベーター、マッズ・オストベルグは、今回はコ・ドライバーにエミル・アクセルソンを起用。サロウで見舞われた油圧トラブルは、ハンドブレーキのメカニズムを低速用にセッティングしなかったことによるものと伝えられている。

■トヨタ
カタルニアで発生した事項は、ラトバラ車がオイル漏れにより、マシン下部に影響を与え、エンジンオイルが減ったことにより、シールドの内部がダメージを受けた。ラッピ車のブレーキトラブルは、エアクーリングシステムのホースが破損したことによるもの。

ヤリ−マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンは、フィンランド車を使用、エサペッカ・ラッピはカタルニア車を使用する。なお、ハンニネンはトヨタからの参戦は今戦が最後となり、チームはオーストラリア戦には2台のみのエントリーとすることを発表している。

最大のチャレンジは、マシンのセッティングをグリップの低いGBの路面に合わせることと予想。各ドライバーは、ウェールズ中部の林道で1日テストを実施した。

最近のビッグニュースは、2018シーズンにオィット・タナックが加入したこと。そして、ハンニネンのコ・ドライバー、48歳のカイ・リンドストローム(トミ・マキネンの元コ・ドライバー)が、チームのスポーティングディレクターに就任することになった。

(Martin Holmes)



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