勝田貴元がフランス選手権で5度のベストタイム獲得「次のSSの状況が手に取るように分かった」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

勝田貴元がフランス選手権で5度のベストタイム獲得「次のSSの状況が手に取るように分かった」

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TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにて欧州トレーニング中の勝田貴元と新井大輝が、4月21-22日に開催されたフランスラリー選手権第2戦、Rallye Lyon-Charbonnières – Rhôneにフォード・フィエスタR2で参戦し、勝田/マルコ・サルミネン組はクラス6位、新井/グレン・マクニール組はクラス8位で、2台揃って完走を果たした。

例年ほぼ同じコースが使用されることから、このラリーでの経験値が勝敗を大きく左右するRallye Lyon-Charbonnières – Rhôneに、今年は139台がエントリー。SS13本、総SS距離226.78kmで争われた。デイ1とデイ2でコースの性格が大きく異なるこのラリーでは、路面、道幅、高低差を考慮したタイヤ戦略、車のセッティング等が要求される。

また、このラリーにはセーフティクルーの参加が許されていた。新井のセーフティクルーを本プログラム講師のヨウニ・アンプヤが、勝田のセーフティクルーを同プログラムで育成中のコ・ドライバー足立さやかとドライバーのヤルコ・ニカラが務め、ペースノートの修正やタイヤ選択などの適切なインフォメーションが両選手に伝えられた。

勝田と新井にとって、欧州でのターマック(舗装路)ラリーはこれが3戦目。しかし、ここフランスは、前戦、前々戦のイタリアとは路面や道の特徴が大きく異なり、両選手にとっては新たな挑戦となった。デイ1、勝田はSS2でスローパンクチャーに見舞われ大きくタイムロスし、クラス20位まで順位を下げてしまう。しかし、SS3以降は着実な走行でクラス14位まで挽回してデイ1を終えた。一方、新井はミスなく安定した走行を続け、デイ1をクラス11位で終了した。翌デイ2は、道幅が広くなりジャンクションを多く含む、よりハイスピードでテクニカルなコース設定。サーキットレース出身という経歴を持つ勝田は、持ち前の舗装路での速さを発揮し、デイ2に設定されたSS8本のうち5本でクラストップタイムを記録。最終的にクラス6位まで追い上げラリーを終えた。新井は自分と道に合う車のセッティング、タイヤを選択し、安定した走行で徐々に順位を上げていたが、終盤のSS11で右前サスペンションの不調が発生。タイムは伸び悩んだものの、最後まで走りきることに目標を切り替え、クラス8位で完走した。

TOYOTA

勝田貴元
「今回はR2車両で走る最後のターマックラリーということもあり、前戦の反省を踏まえて挑みました。しかし、SS2のゴールまで残り5kmというところで原因不明のスローパンクチャーとなり、翌日は下位からスタートする形となってしまいました。それでも、マルコの協力もあって自分を立て直し、残りのSSを攻めることができました。レッキではフランスの路面の捉え方もまた新しい経験となり、経験値を増やすことができました。またセーフティクルーのおかげで、次のSSの状況が手に取るように分かったので、とても心強かったです。次戦はR5車両でのグラベルラリーとなりますが、ここで得た経験が必ず役に立つと思います」

TOYOTA

新井大輝
「車のセッティング、タイヤ選択、全てにおいて難しいラリーでした。それでも大きくずれずに選択できたと思っています。それは自分にとって自信にもつながりました。2ループ目に走る路面状況が1ループ目と大きく異なり、セーフティクルーからの情報でペースノートの修正をするなど、また新しい経験をすることができました。適切なブレーキングポイントを掴むのがとても難しかったですが、今後に向けて、ペースノートをより改善する方法が見いだせました。最後はサスペンションの不調で悔しい思いもしましたが、最後まで走り切ることができ、多くの経験ができたラリーでした。また気持ちを切り替え、次のラリーに挑みます」

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「ふたりとも事前に立てたプランを着実にこなし、経験豊富な地元ドライバーが多く競争の激しい中で、非常によい結果を出してくれました。勝田は不運なスローパンクチャーがあったものの、クラスベストタイムを5回も記録し、とても嬉しく思っています。新井は終始ミスのない安定した走りができていたし、エンジニアとの相談もうまくできています。今回新井のセーフティクルーを務めたことで、彼のペースノートの成長点や改善点を見つけることができたので、次戦にはすでに改善されていると思います」

勝田と新井の次戦は、5月5‐6日に開催されるポルトガルラリー選手権Amarante Rally。5月18-21日に開催されるWRCポルトガル戦(WRC2クラス)に参戦する2人にとって、同じポルトガルの地でのシェイクダウンも兼ねてのラリー出走となる。R2車両からR5車両に変更し、また路面もグラベルと、WRCポルトガル戦に近い状態で、ペースノートトレーニング、車のセッティング等、WRCポルトガル戦に照準を合わせた準備を行う。

R2クラス最終結果

1. Llarena Efrén Peugeot 208 R2 2:13:38.2
2. Pellier Laurent Peugeot 208 R2 +8.2
3. Magnou Patrick Peugeot 208 R2 +39.5
4. Pinheiro Karl Peugeot 208 R2 +1:02.5
5. Maisano Brandon Peugeot 208 R2 +1:16.9
6. Katsuta Takamoto Ford Fiesta R2T +1:26.4
7. Badel Thomas Peugeot 208 +1:34.3
8. Arai Hiroki Ford Fiesta R2T +1:34.5



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