WRCポルトガル:勝田と新井、南欧グラベルの洗礼を浴びる – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCポルトガル:勝田と新井、南欧グラベルの洗礼を浴びる

勝田・サルミネン組

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにて欧州トレーニング中の勝田貴元、新井大輝が、5月18-21日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦、ラリーポルトガルのWRC2部門にフォード・フィエスタR5で参戦し、勝田・サルミネン組はクラス14位でフィニッシュ。新井・マクニール組はデイ3最終ステージでのコースオフによりリタイアとなった。

勝田、新井にとって、WRC2への参戦は昨年のラリーフィンランド、今年2月のラリースウェーデンに続き3度目。ルーズグラベルが特徴的なポルトガルの道は、これまでふたりが経験を積んできたフィンランドのグラベルとは特徴が大きく異なる。本ラリーの調整として1週間前にポルトガルの地方戦、ラリーアマランテに参戦したふたりは地元選手をリードし、激しい戦いの末、新井が総合1位、勝田が2位という結果を残していたが、今回の大舞台は両選手共にラリーの難しさを痛感する一戦となった。

勝田・サルミネン組

TOYOTA

序盤から路面が荒れていたデイ2、勝田はSS4でステアリングラック破損によりデイリタイアを余儀なくされる。一方、新井はパンクやホイールの破損に見舞われ、大きなタイムロスをした。デイ3、ラリー2ルールによって再出走した勝田は、午後のセッティングがうまく決まり、不利な走行順の中でもよい走りを見せていたが、最終日は再び不運なエンジントラブルに見舞われた。コ・ドライバーのサルミネンと共に様々な方法を試みてなんとかエンジンの再始動に成功、規定時間ギリギリにクラス14位でフィニッシュした。新井はデイ3の午前中、ポップオフバルブやブレーキのトラブルを抱えながらも丁寧な走りで大きな問題なくステージをこなしていたが、この日の最終ステージSS15でコースオフし、リタイアとなった。

勝田貴元
「路面がとても荒れていてタフなラリーでしたが、多くのことを学んだ一戦でした。デイ2のステアリングラック破損は、特に原因となり得るような衝撃がない中で起こったのでとても悔しい思いをしました。最終日にはエンジントラブルも発生するなど、本当に色んなことが起こったので、とにかく完走できてうれしいです。最終ステージ後にエンジンが止まってしまい、自分たちで修理することになりましたが、最後まで諦めずにトライし続けてくれたマルコに本当に感謝しています。今回は、グラベルラリーで悩んでいたドライビングやセッティングなどの方向性が見えてきて、今後への手応えを感じることができました」

新井大輝
「今回の道は最初からとても滑りやすく、荒れていました。デイ2ではパンクが多かったのでデイ3はより丁寧に走り、パンクもせず順調に走れていたのですが、最終ステージでコースオフし、車が燃えてしまいました。火が一瞬で回り、あのような恐ろしい経験は初めてでした。今後同じことを繰り返さないよう、なぜコースアウトしてしまったのか、次のラリーまでに原因を深く追求します。セットアップについては色々試し、うまくいったものも、良くなかったものもありましたが、今後に向けて経験を蓄積することができたと思います」

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「直前に参戦したアマランテラリーの結果がよかっただけに今回の結果はとても残念ですが、選手が無事だったのはなによりです。車の準備に関しても、次戦に影響はありません。デイ2の時点で、勝田、新井共に上位に食い込むチャンスはなくなりましたが、少なくともこの厳しいコンディションの中で経験を積むことができました」

ラリーポルトガル WRC2クラス結果
1 Pontus Tidemand/Jonas Andersson (Skoda Fabia R5)  3h54m17.6s
2 Teemu Suninen/Mikko Markkula (Ford Fiesta R5)  +11.2s
3 Simone Tempestini/Giovanni Bernacchini (Citroen DS3 R5)  +7m00.6s
4 Miguel Campos/Antonio Costa (Skoda Fabia R5)  +9m19.3s
5 Lukasz Pieniazek/Przemyslaw Mazur (Peugeot 208 T16)  +10m59.5s
14 Takamoto Katsuta/Marko Salminen(Ford Fiesta R5)  +51m16.2s
リタイア Hiroki Arai/Glenn Macneall (Ford Fiesta R5)

勝田と新井の次戦は6月8-11日に開催されるFIA世界ラリー選手権第7戦、ラリー・イタリア サルディニア(WRC2)。今回に続き、路面の軟らかいグラベルラリーであり、高温が予想されることも2人にとって新しいチャレンジとなる。



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