WRCフランス:プレ会見でマキネン「ヤリスのサードカーは、まもなく」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCフランス:プレ会見でマキネン「ヤリスのサードカーは、まもなく」

©TOYOTA / @World

WRCフランスのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。現状、ヤリ‐マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネンの2台体制が続くトヨタ勢。テストドライバーのエサペッカ・ラッピの実戦デビューが待たれるが、その可能性についてチーム代表のトミ・マキネンは「まもなく」と期待を寄せた。

Hyundai Motorsport GmbH

>●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(MスポーツWRT)
ステファン・ルフェーブル=SL(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・モータースポーツ)
トミ・マキネン=TM(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)

M-SPORT / @World

Q:前回のコルシカ戦はまだ6ヶ月前のことだが、この時は深い思い出ができたね。セブ、再びここに来たのは、うれしいのでは。

SO:まだ、ついこの間のことのようだ。6ヶ月しか経っていないし、コースもほとんど同じ。ノートを作らなくてはならなかったのは7,8km分しかないので、今週はここまでとてもリラックスしていると言っていいね。だからといってレースが簡単になるわけではなく、チャレンジングなイベントであることに変わりはない。少なくとも今の段階の予報ではいい天気のようなので、いいグリップが得られるラリーを楽しめそうだし、マシンに乗るのも気持ちよさそうだ。自分としては、ここで走るのは本当に楽しいからね。確かに6ヶ月前は、ここでとてもいいラリーができたので、目標は同じ結果を再び得ることだ。マシンは新しくなったが、フィエスタではすごくいいフィーリングを得ているので、どこまでできるのか楽しみにしている。

Q:コースの点では前回と変わらない部分が多いが、マシンは全く違う。この週末、どのような違いが出ると思うか。
SO:タイムについては、格段に速くなる必要はないと思っている。シェイクダウンのタイムを見ると、昨年からは1秒しか速くなっていないし、5kmのコースとしてはそれほど大きな差ではない。たぶん、タイヤにはかなり厳しくなると思う。ステージは少し短くなっているが、パワーが上がっているのでタイヤへの入力が多くなるし、このラリーの数少ない新しいセクションは、タイヤにはすごく厳しいし、それがラリーの序盤に出てくる。しっかり注視しなくてはならないが、対応できるはずだ。

Q:今のところ、天気は最高だが、一年のこの時期にしては少し暖かくなりそうだ。日曜日は雨の可能性も出ているが、雨が降った場合、どれだけ影響が出ると思うか。
SO:本当に正直に言えば、日曜日の天気のことは気にしていなかった。この島では、天気はあっという間に変わるし、明日のことさえどうなるかさっぱり分からない。ここまでのところは、予想では雨よりも日差しが出る可能性が高いようだが、突然降り出すこともある。そうなれば事態は一変し、もしタイヤが合っていなければ……何とか対応するしかない。もちろん、正確な情報をもらって、適切なタイヤでトップ争いをしていたいけどね。

Q:ここまでの3戦でそれぞれウィナーもマニュファクチャラーも異なるという、エキサイティングなシーズンになっている。次に誰が勝つのか分からないというのは、本当に素晴らしい。現状、これだけ多くの可能性を持つ選手権を戦っている気持ちは。
SO:まず何より、ファンにとっては最高にエキサイティングだが、自分たちにとっても同じだ。現実的にトップを狙えることを証明できているドライバーがたくさんいるんだからね。どのマシンも、どのチームも、自分たちのマシンに速さがあり、勝てることを示している。ヒュンダイだけがここまで勝ちがないが、一番ベストタイムを刻んでいるので、もちろんエキサイティングだし、この週末も本当に楽しみだ。接戦になると思っている。みんなステージのことをよく知っているから、ドライバー間の差も小さくなるかも知れない。いつもと変わらず、勝ちたければ最初からプッシュしていかなくてはならない。

CITROEN / @World

Q:ステファン、今回のコルシカでは全員がシトロエンC3になる。この週末に望んでいることは。
SL:他のドライバーと比べて、自分にとってのこの週末は少し違う。昨年はこのラリーに出ていないから、クリスとクレイグは優勝を狙うと思うが、僕はトップ6か7を目指したい。

Q:言う通り、昨年は参戦していないので、他のドライバーとは状況はかなり違うだろうし、ペースノートを一から作らなくてはならないのでレッキは忙しかっただろう。舗装での自信という点では、手応えはどうか。
SL:マシンに関しては、とてもいい。モンテカルロと比べても、かなりよくなっている。自分たちには、レッキはタフだった。セブや他のみんなは休日気分だったかもしれないが、僕たちにとってはすごく長く感じた。ロングステージでは、900コーナーもあったんだ。

Q:今季を通して考えた場合、このイベントが始まることに先駆けて、今年の個人的な目標は何か。
SL:自分の将来にとって、今年はとても重要なシーズンだ。どのラリーでも経験を積んでいける。今回のラリーでは、メキシコのように小さなミスなくいい結果を目指したい。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ヘイデン、コルシカの話の前に、先週、ヒュンダイR5でサンレモに参戦し、2位に入ったね。この参戦は、ターマック戦でのいいイメージ作りになったか。いい練習になったか。
HP:そうだね、先週ターマックを走ったことで余裕ができたし、いい気分だ。舗装でのドライビングを成長させられたような感じがあるが、WRカーに戻ってシェイクダウンを走った時は、マシンのパワー差が大きいので必死だったよ。フィーリングはいいので、クリーンなラリーがしたいね。

Q:あのラリーに参戦したのは、舗装の感覚をつけるためだけだったのか、それともその他の理由があったのか。今年のドイツから組むコ・ドライバー、セブ・マーシャルとの初参戦だった訳だが、コンビはうまく行ったか。
HP:舗装での経験を積もうと思っただけだ。自分が育った国では、ターマックのラリーがないからね。人生でここまで参戦したターマックラリーはたぶん15戦くらいしかないので、この路面のことをもっと勉強したかったし、ラリーのトップレベルで戦う上でプレッシャーになるので、それを改善するためには舗装で走り込んで慣れていくしかないからね。ラリーに出れば出るほどフィーリングがよくなるし、今後のためにもターマックでポディウム争いができるようになりたいからね。

Q:セブと一緒のイベントはどのような感じだったか。一緒にテストを始めていることは聞いているが、競技モードでは状況は全く違う。コンビネーションはうまくいき始めているか。
HP:セブとのコンビは、ものすごくうまく行っている。12ヶ月も一緒に仕事しているし、ラリーでも完璧だった。今後、とてもいい関係が築ける自信があるよ。

Q:この週末に期待していることは。トップ争いができるチャンスについては否定的だが、それはなぜか。
HP:自分はまだ、舗装では十分な速さを見せていないからね。この週末、ペースはかなり熱くなっていくと思う。もしトップ5周辺で戦うことができれば、かなりハッピーだ。でも、チームの事も考えなくてはならないので、マニュファクチャラーズポイントに貢献できる形でフィニッシュしなくてはならない。

Q:トミ、今季はトヨタがWRCに復帰しての初年だが、素晴らしい滑り出しになっていると思う。すでに好結果を出しているし、優勝もマークしている。次の優勝も近いのだろうか。あるいは、そのことは考えていないのか。
TM:もちろん自分たちはまだ、経験を得ながら成長している段階で、テストを続け、様々なコンディションでのセットアップをよりよくしようと努めているところだ。舗装は、まだそれほど走り込んでいない路面だ。先週は1週間をテストに費やし、ドライバーたちも自信を得たようだと理解している。最新の変更で、マシンはさらに改善された。自分たちの目標は、ラリーの度に強くなることだ。

Q:チームにヤリ‐マティが加入し、テストから彼のフィードバックを得られるようになったことは、何を意味するのか。彼は選手権を通じて、様々なマシンをドライブしながら、豊富な経験を積んでいる。彼からフィードバックを得られることは後押しになっているのか。彼がいることで、作業はより早く進んでいるのだろうか。
TM:非常に重要なことだ。彼が我々のチームで走ることのターゲットのひとつは、ラリーの度に学ぶ内容を後押しし、これまでの経験からアイデアをもたらしてくれることにある。非常に重要な要素だと思っている。彼は、我々にとって大きな助けになっている。

Q:かなり手をかけなくてはならない特定の部分はあるか、それとも通常通りに進んでいるのか。
TM:最も重要なことは、信頼性の面で非常にいいレベルに達していることだ。優先事項の一つだし、信頼性のあるマシンを作らなくてはならない。トヨタの信念は、常に信頼性のあるクルマを作ることだからだ。いまやらなくてはならないことは、マシンを整頓させることだと考えている。そのことで、マシンは速くなるし、いま取り組んでいることのひとつだ。現状、マシンにバラストを載せてマシンを調整することはできない。詳細の部分に取り組んでいるが、改善できる方法やできる部分を分かっていることには満足している。

Q:トヨタのサードカーは近いうちにお目にかかることはできるか。
TM:そう願っているよ! 近いうちにサードカーを持ち込める手応えは感じている。

記者からの質問
Q:ステファンはロングステージではコーナーが900あったと語っていたが、ペースノートでは何ページになったのか知っているか。
SL:85ページくらいだね。
SO:100に近いと思うが、確かではない。
HP:ジョンは47ページだった。あまりたくさん書かないタイプだからね。でもセブ(マーシャル)は同じ方法で書いても、120ページになるんじゃないかな。コ・ドライバーによって、スタイルが違うからね。
TM:自分たちが参戦していた頃は、その2倍はあったと記憶しているよ。



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