マーティン・ホームズのWRCプレビュー・コルシカ編「トヨタはブレーキ問題の解決に自信」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

マーティン・ホームズのWRCプレビュー・コルシカ編「トヨタはブレーキ問題の解決に自信」

©TOYOTA

大御所WRCメディア、マーティン・ホームズが伝えるWRCコルシカ戦目前のWRCチーム近況。

シトロエン
 メキシコで優勝を飾ったばかりのシトロエン・トタル・アブダビWRTは、コルシカで初めてC3 WRCを3台揃える。クリス・ミークとクレイグ・ブリーンはスウェーデンと同じマシン、ステファン・ルフェーブルは新しいシャシー(#8)を使用する。テストカーは、元のC3 WRCシャシー#1。プレイベントテストは、コルシカで計4日間行った。
 3人のドライバーはいずれも、WRCフランス戦でここまで好結果を収めた経験はなく、ミークが2015年、雨の中で行われたコルシカ戦で4位に入っているのがベストリザルト。不安定な中で行われた2016年は、走行順にも助けられステージ勝利をマークしてはいる。
 スウェーデンの最終日に発生したハンドリングのトラブルに関して、チームの最終的な判断は、メカニカルでの不調ではなく、天候の変化によるハンドリングのセッティングで突如悪化したものに加え、ドライバーが低グリップでの新型マシンの走行経験が少なく、プレイベントテストでもこのコンディションでの走行が少なかったことが重なったもの、ということだった。

ヒュンダイ
 ティエリー・ヌービル、ダニ・ソルド、ヘイデン・パッドンは、メキシコで使用したマシンと同じ3台のi20クーペWRCを使用する。コルシカでは、バスティアの北部と南部で5日間のテストを実施。ヌービルとソルドが2日ずつ、パッドンが1日走行した。パッドンは、舗装テストも兼ねてイタリア選手権のサンレモラリーにR5マシンで参戦している。
 ライバル3チームがそれぞれ1勝ずつマークしている中、ヒュンダイはここまで、2戦でラリーをリードしているがまだ勝利はない。チームは、ツール・ド・コルスの現在のフォーマットについて、サービスパークが空港に近いため、ロジスティック面で非常に効率的と評価。周辺には良質なホテルも多く、サービスパークの立地はスペクテイターにも便利だ。なお、ヒュンダイ・モータースポーツは、i20 R5の販売が順調で、既に20台以上がカスタマーに届けられていると伝えている。

Mスポーツ
 通常通り、セバスチャン・オジエ、オィット・タナック、エルフィン・エバンスと、3台の2017年型マシンをエントリー。オストベルグの参戦キャンセルは、先日舗装テストを行ったMスポーツが新たに開発した舗装パーツの供給が確保できないため。ワンベット・ジポカーのセカンドカー、マルティン・プロコップの参戦プランは、依然として明かされていない。
 Mスポーツは、コルシカ島内のバスティアとアレリア地方で1200kmのテストを行い、3人のドライバーが走行を行った。
 メキシコスタート前、エバンス車がエンジン交換を強いられた原因は、センサートラブルであることが判明。スウェーデンでのオストベルグのリアウィング問題について、調査のために破損した部品がサプライヤーに送られたが、問題は見つからず、チーム内では改良は行っていない。Mスポーツは、WRCフランス戦がアルザスからコルシカに移った2015年にひどい状況だったサービスパークについて、昨年のバスティアのサービスパークが使い勝手がよかったことを伝えた。

トヨタ
 スウェーデンで使用した2台を、ヤリ‐マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネンが駆る。プレイベントテストは、テストカーET4を使用して5日間実施。
 メキシコで発生したオーバーヒートトラブルについて、ステージが予定通り行われてもっと気温の低い日中に行われていれば負担は少なく、その場合であれば、気温が高くなる午後のリピート走行の前にトラブルを修正するチャンスがあったと考えているようだ。また、ブレーキトラブルについて(メキシコではR5マシンではブレーキトラブルが続出したが、WRCチームでトラブルが発生したのはトヨタのみ)、テストの段階でブレーキの冷却システムが他の問題を引き起こすことが確認されたため、意図的にブレーキの冷却システムを採り入れる方向で開発をするのは不可能だったために、ブレーキの冷却問題が発生したとしている。ただしチームは、先日の開発作業でこの問題は解決したと自信を見せている。

(Martin Holmes)

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