<WRC復帰記念>トヨタ不在時代を振り返る(3)17年間の変遷【最終回】 – ページ 5 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

<WRC復帰記念>トヨタ不在時代を振り返る(3)17年間の変遷【最終回】

©Naoki Kobayashi

トヨタ復活で時代は変わる!

以上、トヨタ不在の17年間のWRCを駆け足で見てみました。

特にローブの登場以降は、強いメーカー、強いマシン、強いドライバーを揃えた者が勝利するという方程式が確立してしまった時代だったように思います。ローブ×シトロエン、オジエ×フォルクスワーゲンという、ふたりのフランス人ドライバーによって、WRCはその時代ごとにほぼ1強の時代になっていました。

しかし、2017年の開幕2戦の傾向は、マシンよりもドライバーの力量によるところが大きく、モンテカルロで順当に優勝を果たしたオジエも初めてのマシンでの勝利ですし、WRC初優勝を遂げたスウェーデンでヤリスWRCを優勝に導いたラトバラも言わずもがな。勝てるドライバーがフォルクスワーゲンから分散したことが、WRCを面白く、先の読めないワクワク感を提供してくれたように思います。

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トヨタ不在の17年間は、ペターやグロンホルムなどのニューヒーローが現れたものの、ローブが過去のチャンピオンに引導を渡し、オジエがローブと入れ替わって君臨してきました。

そして2017年。TOYOTA GAZOO Racing ワールドラリーチームのヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネンとヤリスWRCがどのように絡んでいくのか。マシンの完成度は高いというヒュンダイやシトロエン、4年連続王者のオジエを獲得したMスポーツ(フォード)に挑むトヨタ。本当にトヨタがWRCに帰ってきたと言えるのは、もちろん過去の栄光を取り戻し、再び輝くことができた時です。

17年前、WRCの映像を見る機会もないただの大学生だった私が体験できなかったその瞬間に、今度はきちんと立ち会えることを喜びつつ、今度こそ、トヨタのWRCでの戦いをしっかり見守りたいと思います。

Naoki Kobayashi

参考文献
RALLY & CLASSICS vol.3 2リッターターボWRカーの時代(電子版)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=RLY20110129

WRC PLUS 2010 vol.11 さようなら、ワールドラリーカー(電子版)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=WRC20101119

WRC PLUS 2008 vol.03 カルロス・サインツ その男、伝説にあらず(在庫なし)
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=2033



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