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全日本ラリー モントレー:雨と霧に覆われた初日は新井敏弘が首位

©Naoki Kobayashi

全日本ラリー選手権第6戦「モントレー2016 in 嬬恋」は8月27日(土)にデイ1の走行が行われ、SS1でトップに立った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がその後もトップの座をライバルに譲らず、初日の首位に立っている。2番手には鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)、3番手には奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)がつけている。

第3戦若狭以来のターマックラウンドとなる今回のラリーは、開催直前に局地的豪雨の影響を受けSSに予定していた林道の路面が崩壊。そのため、急遽アイテナリーを変更して開催されることとなった。新たなアイテナリーは、2日間合わせて16SS(68.755km)を設定。初日にSajiki(5.222km)を4回(SS1/SS4/SS6/SS7)、Omae Suzaka Down(5.316km)を3回(SS2/SS5/SS8)、ラリーパークとサービスパークが隣接する特設ステージのSammy SSS(0.491)を2回(SS3/SS9)走る計9SS(37.818km)が設定された。Sammy SSSは、ラリーの拠点となるパルコールつま恋リゾートホテルの駐車場を利用したテクニカルステージだが、2本の林道ステージはいずれもシリーズのなかで平均スピードが高いことで知られる高速ステージだ。また、林道SSそれぞれの距離が約5kmと比較的短く、各SSで0.1秒を争う熾烈な戦いが展開されることが予想された。天候は、シェイクダウンが行われた前日の雨がこの日も残り、終日雨と霧に覆われる状況に。特に午前中は雨足が強く、ターマックラウンドのなかでは今シーズン初のウエットコンディションで戦われることとなった。

SS1は、ウエットコンディションとなった昨年のラリーも制した新井がベストタイムをマークし、トップに躍り出る。さらに新井はSS2とSS3で3連続ベストタイムをたたき出し、後続との距離を少しずつ広げていく。その後も新井はSS6で「スタートで3速に入ってしまった」とタイムロスするが、後続に5.1秒のリードを保ち、初日を首位で折り返した。2番手には、「レインタイヤを投入した作戦が功を奏した。もちろん、2日目は逆転を狙いますよ」という鎌田がつけ、「うまく攻めることができなかった」というSS5でタイムを落とした奴田原が3番手、シリーズポイントトップの勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)は、「タイヤやクルマの問題ではなく、ドライバーが攻めきれなかった」と、新井から12.4秒差の4番手で初日を終えた。

FIAグループR車両がベースとなる5台のRR車両が出場して話題を集めたJN5クラスは、第5戦まで関根正人がドライブしていたシトロエンDS3 R3-MAXで出場した新井大輝/伊勢谷巧がSS1から快調に飛ばし、2番手の眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)に25.1秒差の首位に立っている。シリーズポイントトップの柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)は、「やはり高速ステージはR3車両が速いですね。今回はあまり無理せず、自分の走りに集中しようと思います」と、眞貝に8.1秒差の3番手につけている。GT86 CS-R3での初ターマック戦のステアリングを握った勝田貴元/足立さやかは、SS5後の愛妻の丘でのレストホルトでミッショントラブルによりリタイアとなった。

JN4クラスは、「今回のラリーに投入したレインタイヤが乗りやすく、ハイドロを気にせずに走ることができた」という石川が、5度のトップタイムで首位を堅持。横嶋良/木村裕介(スバルBRZ)が8.8秒差の2番手、曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)が3番手となっている。

シリーズポイントトップの天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)がこのラリーで8.5点以上を獲得し、中西昌人/美野友紀(マツダRX-8)よりも上位に入賞すれば今シーズンのチャンピオンが確定するJN3クラスは、上りのSSで速い伏兵のAki HATANO/鷹巣恵鈴(マツダRX-8)が、下りのSSで速い内藤学武/小藤桂一を0.6秒差に抑え、初日のトップに立った。天野は、サスペンションのアライメントをラリー前に変更したことが裏目に出てしまい、「このラリーで勝てば開幕6連勝なんだけど、今回はタイトル獲得を目標にポジションキープに徹する」と、3番手で初日を折り返している。

JN2クラスは、ラリー転向1年目の山本悠太/内田園美(トヨタ86)と、速さに定評のある明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が激しいバトルを見せたが、「今まで、後半にズルズルとタイムが落ちてしまうことが多かったんだけど、今回はなんとか最後まで逃げ切ることができた」という山本がラリー序盤のマージンを活かし、初日のトップに立った。

JN1クラスは、鈴木尚/鈴木裕(スズキ・スイフトスポーツ)と須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)との師弟対決となったが、「最初のステージが勝負だと思って攻めた」という鈴木が、セッティングに苦しむ2番手の須藤に30秒以上の大差をつけるトップに立っている。

順位クラスドライバー/コ・ドライバー車名タイム/差
1JN6-1新井敏弘/田中直哉富士スバルアライモータースポーツWRX25:20.1
2JN6-2鎌田卓麻/ 市野諮SYMS TEIN DL WRX STI+5.1
3JN6-3奴田原文雄/佐藤忠宜ADVAN-PIAAランサー+9.7
5JN5-1新井大輝/伊勢谷巧MATEX-ZEUS KYBDL DS3+1:00.7
12JN4-1石川昌平/石川恭啓ARTAオートバックス86+2:01.9
16JN2-1山本悠太/内田園美SammyルブロスK-oneYH86+2:14.8
28JN1-1鈴木尚/鈴木裕スマッシュ DL itzzコマツスイフト+3:22.7
30JN3-1Aki HATANO/鷹巣恵鈴HAL SPRINGS RX-8+3:40.8
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