ERCエストニア:波乱の展開、サーマキスが逆転で今季2勝目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCエストニア:波乱の展開、サーマキスが逆転で今季2勝目

©ERC / Wilfried Marcon / DPPI

ERC第6戦ラリーエストニアは7月17日、エストニアのタルトゥでフィニッシュを迎えた。昨年、グループNマシンで総合優勝という偉業を果たし今季はフォード・フィエスタR5で連覇に挑んだアレクセイ・ルキヤナクは、序盤からリードを築き、この最終日も、28.2秒までギャップを広げてフィニッシュまで残り2本というヴィッシ2回目の走行に臨んだが、ジャンプで飛び過ぎたため着地の衝撃がひどくステアリングアームを破損。そのまま木に引っかけて、痛恨のリタイアとなってしまった。

ここで首位に上がったのは、序盤から必死でルキヤナクにくらいついていたラトビア出身の22歳、新鋭ラルフ・サーマキス(シュコダ・ファビアR5)。前日は、2ループ目のステージ4本すべてでベストタイムを叩き出すなど、光る速さを見せていた。ルキヤナクがリタイアした後も、残る2本をベストタイムでまとめ、2位に1分34.5秒の大差をつけて優勝。混戦模様の今季のERC、2勝目をマークしたのは、サーマキスが初めてだ。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

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レギュラーのコ・ドライバー、アルタス・シミンスが高熱により欠場となり、急遽マリス・クルスと組んでの参戦となったサーマキスは、1年前にジュニア部門で優勝を飾ったエストニアで、自身2度目のERC優勝を果たした。

「2勝目は本当にうれしいよ」とサーマキス。
「バトルを制して勝ちたかったけど、これもラリー。それでも、ここで勝つことはアメージングな気持ちだ」

選手権リーダーのカエタン・カエタノビッチ(フィエスタR5)は、15日の開幕ショートステージをミスで7秒ロスした後、トラブルの連続。16日の終盤はパワーステアリングのトラブルにも見舞われていた。しかし、後半追い上げて2位でフィニッシュ。今季は未勝利が続いているカエタノビッチは、今回も勝利を果たすことはできなかったが、選手権ライバルのルキヤナクがリタイアしたことで、シリーズでのリードを37ポイントに広げて、8月に行われるポーランドでの母国戦を迎える。

TOYOTA GAZOO RacingチャレンジプログラムからERCに初挑戦した勝田貴元(フィエスタR5)は、SS3でリタイアした後、この日は再スタートを果たしたが、この日最初のステージで再び転倒。リタイアを喫している。チームメイトの新井大輝も既報通り、SS6で転倒、リタイアとなり、2人のERCデビュー戦は、厳しい修業となった。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

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ERC2はライナー・アウス(三菱ランサーエボリューションIX)が優勝。総合でも3位に入り、ポディウムに上がった。ERC3・ERCジュニアは、地元エストニアのミコ‐オベ・ニイネマエ(プジョー208 R2)が制した。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

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ERCエストニア 最終結果
1 R.サーマキス(シュコダ・ファビアR5) 1:44:16.2
2 K.カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5) +1:34.5
3 R.アウス(三菱ランサーエボリューションIX) +3:44.8
4 R.ジーツ(シュコダ・ファビアR5) +4:03.4
5 J.コルタン(フォード・フィエスタR5) +5:02.3
6 L.ハバイ(フォード・フィエスタR5) +8:07.6
7 M-O.ニイネマエ(プジョー208 R2) +10:36.0
8 A.ミカイロフ(三菱ランサーエボリューションX) +11:00.3
9 M.グリエベル(オペル・アダムR2) +11:15.8
10 C.イングラム(オペル・アダムR2) +11:20.5



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