ラリーレポート:第8戦フィンランド – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ラリーレポート:第8戦フィンランド

 

 トミ・マキネン・レーシングがプリペアしたトヨタGT86が、豊田章男トヨタ社長をコ・ドライバーシートに乗せてステージを走行するなど、華々しいトピックに恵まれたWRC第8戦ラリーフィンランド。今年は昨シーズンの3日間から4日間にスケジュールを変更、新たに4つのステージが加わることになった。

 7月31日木曜日、ウエットとなった初日、トップに立ったのはシェイクダウンでもベストタイムを刻んだ地元のヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン)だった。ラトバラはSS1、SS2、SS3と3連続ベストをたたき出し、2番手につけるチームメイトのセバスチャン・オジエに4.5秒差をつけて、幸先の良いスタートを切った。3番手にはシトロエンのクリス・ミーク、4番手には今回からフェイスリフト仕様のフォード・フィエスタRS WRCを投入したMスポーツのミッコ・ヒルボネンが続く。
 ラリー最長の134.47kmを走行する2日目。初日首位のラトバラは、9SS中5つのステージでベストタイム記録するなど、好調をキープ。激しいバトルとなったのは、オジエとミークによる2位争いだ。午前中のセクションを終えて、2位オジエと3位ミークとの差は4.7秒。
「チャンピオンとバトルができているなんて最高だよ」と語ったミークは、SS11で遂にオジエを逆転。ラトバラから19.7秒差の2番手で金曜日のステージを終えた。1.6秒と僅差ながらも、3位に留まったオジエは「最高のステージだったね。自分の走りにも満足しているが、明日からが本当の勝負だ」と、まだ優勝を諦めていない。4番手は初日の6番手からポジションを上げたアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン)、5番手にマッズ・オストベルグが浮上し、思うようにペースの上がらなかったヒルボネンは、僅差ながらも6番手に順位を落としている。

ラトバラにまさかのブレーキトラブル

 ラリー3日目、ラトバラは午前中に行なわれたステージでも4つのベストを並べ、SS15でミークをパスしたオジエとの差を29.9秒にまで広げてみせた。高速イベントのフィンランドでは、安全圏とも言えるアドバンテージを得たラトバラは「すごく良いフィーリングで走れている」と、笑顔を見せる。
 ところが、ラトバラにまさかのトラブルが待っていた。SS20、ステージ中の穴にホイールをヒットし、右フロントブレーキを破損。このステージでベストタイムのオジエから11秒遅れのタイムで走り切ったものの、フィニッシュ後にマシンの修理が叶わず、続く3つのステージを3輪ブレーキで走らざるを得なくなってしまった。
 ラトバラのトラブルにより、勢いを得たオジエはSS21〜23と3連続ベストタイムをたたき出し、ふたりの差は一気に3.4秒にまで縮まった。
「彼のトラブルは残念だが、僕にはビッグチャンスになったね」と、オジエは最終日の逆転勝利を誓う。一方のラトバラは「タイム差はなくなったが、まだ首位にいる。それに、ここは僕の地元フィンランドだ」と語り、スオミのプライドからも、首位の座を譲るわけにはいかない。

 最終日に残された距離は3SS、36.60km。SS24はラトバラがベスト、SS25はオジエが取り返す。そして、最終ステージを前にふたりの差は3.7秒となった。パワーステージとして開催されるSS26、先に走ったオジエがそれまでのベストタイムを記録し、次のラトバラを待つ。緊張が走る中、ラトバラはオジエに0.1秒差のセカンドベストで走り抜け、2010年以来となる自身2度目のラリーフィンランド勝利を手にした。

「本当にうれしいよ。フィンランドでの勝利は、やっぱり特別なんだよ。去年がすごく残念な結果だったから、今回の勝利は2倍うれしいね」と、ラトバラは集まった地元ファンの前で拳を高々と突き上げた。
 ラトバラに敗れたものの、オジエはパワーステージを獲り、ボーナスポイント3点を追加。3位にはミークが入り、今シーズン3度目の表彰台を獲得した。以下、4位はミケルセン、5位がヒルボネン、6位はヒュンダイのユホ・ハンニネンが入っている。

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