WRCモンテカルロ:プレ会見「自分にとってビッグチャンス」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCモンテカルロ:プレ会見「自分にとってビッグチャンス」

©M-SPORT

WRCモンテカルロのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。ラリー歴3年でワークスシートという抜擢を受けた注目のエリック・カミリ。初戦を前に、冷静さを保っている様子を見せた。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
エリック・カミリ=EC(MスポーツWRT)
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
クリス・ミーク=KM(アブダビ・トタル・WRT)

Q:
セバスチャン、出身地であるこのギャップから、またタイトル防衛が始まる。シーズン開幕に向けてのモチベーションは。
SO:
モンテカルロから開幕するのは、いつでも素晴らしい気分だ。開幕が早すぎると思ってしまうくらいだけどね。昨シーズンを終えて世界チャンピオンになったお祝いから、新しいスタートまで短すぎるよね。もちろん、またここにいられて、とてもワクワクしている。とても特別なイベントだし、どのドライバーも、このラリーには一番の敬意を払っている。他のドライバーと戦う前に、まずこのコンディションに取り組まなくてはならない。長い一週間になるし、気持ち的には少しプレッシャーはあるが、少なくとも休暇気分はもうお終いだ。

Q:
2年前には、父親がタイヤチョイスのことをとても怒っていたことがあった。
SO:
なんでそんなバカなことをしたんだって言われたよ。スペアを1本しか載せずにアグレッシブになるなんて間違いは、二度としない。よほど簡単なコンディションにならない限りはね。レッキでは、かなり雪があった。空から降らなくても、凍った部分があちこちにできている。まさにトリッキーなコンディションだ。

Q:
今回からヒュンダイが新型マシンを投入する。より接戦を期待するか。
SO:
ライバルが多いほど盛り上がると僕はいつも言っている。多すぎるのは困るけどね! 強いライバルがいるのはいいことだ。昨年のバトルも悪くはなかった。タイトルが決まったのは早かったかもしれないが、一戦一戦を見れば全力を尽くさなくては成らなかった。昨年は、自分のベストのシーズンだったと思うと何度も言っているんだ。

Q:
エリック、2016シーズンはビッグチャンスが待っている。マニュファクチャラーチームからWRカーに乗るのが夢だったと言っていたが、それが叶った今の気分は。
EC:
緊張はしていないし、プレッシャーもない。今年は学ぶ年だ。僕にとって大きなチャンスだ。たった3年前にラリーを始めて、いまここにいる。夢がかなった。明日のスタートを楽しみにしている、それだけだ。

Q:
英国のMスポーツを訪ねて、何を思ったか。ここまでのところ、チームに対しての印象は。
EC:
チームとはいい関係を築いている。自分のベストを尽くして全力で取り組みたい。自分には資質があるはずだと思いたいね。プレッシャーはあると思う、競技だからね。でも、学ぶための時間もあるし、最初のイベントから自分の限界のスピードを披露する必要はない。落ち着いて、コンペティティブでありたい。焦ることはないんだからね。

Q:
新しいコ・ドライバー、ニコラス・クリンガーとの関係は今までのところどうか。
EC:
いいよ。彼は長年の友人だ。関係はとてもいい。経験が豊富だし、マシンの中ではいい相乗効果が生まれている。初めてのラリーを終えて、どれだけうまくいくかが分かる。特に問題はないよ。

Q:
2016シーズンの目標は。
EC:
言った通り、一戦一戦で経験を積むこと。ラリー参戦は今回でまだ45回目だし、WRカーでは初めてだ。WRCもまだ8回しか出ていないから、ポーランドは知らないし、スウェーデンも初めてのスノーラリーになる。マルコム(・ウィルソン)は僕のことを信頼してくれているので、このチャンスをくれたことに感謝している。

Q:
ティエリー、新しいシーズン、新しいマシンが待っている。これから始まるシーズンは楽しみにしているか。
TN:
昨年のセブのシーズンをコピーしたいね。そうすればいい年になるよ! 自分たちにとって、昨年はとても厳しかった。年度末は、自分のベストの状態ではなかった。自分がやっていることに喜びを感じられなかった。でも今はモチベーションはフルになっているし、いい結果を得るチャンスはみんな同じ状態になった。そのために戦っていく。この瞬間を待っていたし、スタートが待ち切れないよ。

Q:
シェイクダウンはどうだったか。マシンが昨年よりよくなっていると感じたか。
TN:
間違いなく進歩している。このマシンは、これまでとは違い、純粋にヒュンダイ・モータースポーツが開発してきた。これまでは、いろいろなところからパーツを集めて、韓国で開発してきた。これはプロパーなレースカーだし、シェイクダウンでの最初のフィーリングはよかった。

Q:
今回の戦略は。
TN:
ベストを尽くし、できるだけいいドライブをすること。言い訳はできない。特にこのイベントでは、いつも難局に直面するが、昨年は楽しめた。今年はもっと、やりやすくなるはずだ。

Q:
レッキでのコンディションはどうだったか。
TN:
難しいが、これがモンテカルロだ。コンディションは2時間ごとに変わっていくよ。もちろん、高地のステージは気温が低くなるし、湿気は氷になっていく。トリッキーだし、例年よりも雪は少なく解けている。セクションによっては雪でもスリックを履くので、さらに難しい。去年は、舗装では主にスノータイヤを履いていたので、スリックよりは難しくなかった。

Q:
クリス、シトロエンとの長期契約を結んだ気分は。
KM:
正直、かなりうれしいよ。こうしたやり取りの中では、将来の保証を得たいと思う。自分のキャリアではラリー単発単位が多く、将来のことが分からなかったから、ようやくしっかりしたコミットメントが得られたのはうれしい。新しいプロジェクトに初期から関わることもできる。自分たちにとっては、中継ぎのシーズンになる。ラリー参戦はPHスポールとの作業になる。重要なことは将来のこと。2017年の新しいプロジェクトだ。

Q:
シェイクダウンではベストタイムをマークし、いい滑り出しだ。
KM:
かなり早い段階で走ったんだ。路面はあっという間に荒れたけど、フィーリングはよかった。シェイクダウンのタイムは難の影響もない。今回、シェイクダウンは競技の道と同じような路面ではなかったからね。モンテカルロの週末は長いし、一つ一つの判断を的確に行っていかなくてはならない。

Q:
目標は。
KM:
エンジョイして走り切りながら、経験を積む。マシンの中でも外でも、正しい選択を見つけていけば、最終的に結果が得られる。今季は目標はないし、選手権順位を争うこともないので、一戦一戦を満喫し、自分たちの走りを見つめていく。



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