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長年、ADVANラリーチームのマシンを走らせるガレージとして名を馳せていたタスカ・エンジニアリングの代表を務める石黒邦夫氏が、9月14日に亡くなった。享年81。写真は2016年、プレイドライブ誌が取材した際のもの。
タスカ・エンジニアリングは三菱のラリー活動とも縁の深い関係にあり、80年代から国内外のラリーに様々な車両で参戦。三菱ギャランVR-4時代には篠塚建次郎をドライバーとしてWRCやアジア・パシフィックラリー選手権への参戦を行い、日本人初のWRCウイナーを誕生させた立役者でもある。山内伸弥、大庭誠介、上野陽志夫、羽豆宏一、藤田哲也、片岡良宏、そして奴田原文雄といった精鋭ドライバーが駆るADVANカラーの雄姿は、多くのラリーファンを虜にした。また、各ラリーで石黒氏自らが製作するスケジュールノートは、ラリーの基礎情報だけでなく、各スタッフの行動からラリーカーの給油量まで緻密に計算されたもの。ラリーへの造詣の深さと長年の経験が生み出すそれは“タスカノート”と呼ばれ、ADVANラリーチームの強さの一翼を担っていた。
タスカ・エンジニアリングは2020年をもってラリー事業を終了したが、ADVANカラーは奴田原のトヨタGRヤリス、そしてGRヤリス・ラリー2に引き継がれ、今も最前線を走り続けている。