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WRCエストニア:トヨタのオリバー・ソルベルグが鮮烈なパフォーマンスでトップに

©TOYOTA

WRC第8戦ラリーエストニア(グラベル)は7月18日、SS2〜SS8の走行が行われ、トヨタは、初めてトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソンが総合首位に立つ衝撃のパフォーマンスを披露した。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは4番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストンは6番手、選手権リーダーとして走行順トップで砂利掃き役を担ったエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは7番手でこの日を終えた。TGR-WRT2からサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンも8番手タイムで続いている。

TGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、現在部門7番手。ルノー・クリオ・ラリー3でWRC3部門に参戦する3期生は松下拓未が部門2番手につけたが、後藤正太郎はメカニカルトラブルによりデイリタイアを喫している。

(以下、発表リリース)


WRC 第8戦 ラリー・エストニア デイ2
森林地帯のグラベルステージで本格的な戦いがスタート
GR YARIS Rally1でWRC初出場のソルベルグが首位に立つ

7月18日(金)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・エストニア」の競技2日目デイ2が、エストニアのタルトゥを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(GR YARIS Rally1 99号車)が首位に立ち、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 69号車)が総合4位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合6位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) が総合7位につけました。また、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合8位につけました。

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木曜日の夜、タルトゥのサービスパーク横で行なわれたスーパーSSでスタートしたラリー・エストニアは、金曜日の朝から森林地帯の道で本格的な戦いがスタート。サービスパークの北側と南側で、7本合計120.64kmのステージが行なわれました。ステージの上空には朝から青空が広がり、気温もかなり上昇。グラベル(未舗装路)の路面の大部分は、一日を通してドライコンディションが保たれました。

今シーズン、GR Yaris Rally2でWRC2に参戦し、前戦までに3勝をあげて選手権をリードしているソルベルグは、今回のラリー・エストニアで初めてGR YARIS Rally1をドライブ。トップカテゴリーのクルマでWRCに出場するのは2022年以来でしたが、ソルベルグは2日間のプレイベントテストを経て、パヤリ車と同様のホワイト&ブラックのカラーリングが施されたクルマでラリーに臨みました。デイ1のスーパーSSを終えて総合7位につけていたソルベルグは、デイ2オープニングのSS2で、2番手タイムのロバンペラを5.3秒上まわる圧巻のベストタイムを記録し、一気に首位にポジションアップ。続くSS3は地元のオィット・タナック(ヒョンデ)に次ぐ2番手タイムでしたが、SS4では再びベストタイムをマーク。SS5は2番手タイムで走り切り、サービスパーク北側のループを終えた時点で首位の座を守り、総合2位のタナックに対し8.5秒のリードを築きました。

ミッドデイサービスを挟んで始まったサービスパーク南側のループでは、1本目のSS6で2番手タイムを、SS7では今大会3回目となるベストタイムを記録。一日の最後に設けられた1.72kmの市街地スーパーSS、SSS8ではやや遅れをとりましたが、それでも総合2位のタナックに12.4秒のリードを築き、首位でデイ2を締めくくりました。

過去、このラリーで3回総合優勝しているロバンペラは、ドライコンディションのグラベルラリーでは不利に作用する、出走順3番手で一日を走行。多くのステージで、後続車のために路面のルースグラベルを「掃除」しながら走ることになりました。しかし、ロバンペラは2番手タイムを2回記録するなど速さを示し、午前のループが終了した時点で総合3位に。午後のループでひとつ順位を下げましたが、それでも首位ソルベルグと20.1秒差の総合4位で一日を終えました。また、ロバンペラと9.9秒差の総合6位には、SSS8でベストタイムをティエリー・ヌービル(ヒョンデ)と分け合った勝田が。勝田と総合5位アドリアン・フォルモーのタイム差は僅か0.2秒です。勝田と11.4秒差の総合7位には、ロバンペラ以上に不利な出走順1番手で一日を戦い続けた選手権リーダーのエバンスがつけ、厳しい走行条件ながらも確実な走りでデイ2を走り切りました。また、ラリー・エストニアにGR YARIS Rally1で出場するのは今回が初となるパヤリは、午前中にブレーキシステムのトラブルに遭遇しながらも一日を通して安定した走りを続け、エバンスと23.7秒差の総合8位につけました。

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ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
今日のオリバーのパフォーマンスは、皆にとってポジティブな驚きでした。もちろん彼が速いことを我々は知ってはいましたが、今日のような非常にクリーンで速い走りをしたらどうなるのか、私だけでなくオリバー自身も驚いたと思います。明日も、今日と同じような走りができたとしたら、それは素晴らしいことです。上位のクルマは接戦なので、明日はタフな戦いになると思います。カッレはグリップを得ることに少し苦労し、出走順がトップだったエルフィンは、今回もタイムを失うことを覚悟していました。それでも彼らは明日、よりクリーンな道を走ることができるはずです。貴元は安定した走りを見せ、サミも、トラブルが解消された午後はより良いパフォーマンスを発揮してくれました。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
厳しい一日でしたし、予想していた以上に難しく感じました。レッキの時はもっと路面が湿っていたのですが、その後太陽が出て路面が乾き、出走順トップの私たちにとっては滑りやすいコンディションになってしまったため、午前の段階からグリップを得ることに苦労しました。そして、サービス後の最初のステージは特に難しかったです。私のタイムを見てもらえれば、その難しさを理解してもらえると思います。上位のグループにはかなりタイム差をつけられてしまったので、明日は今日よりも良い出走順からスピードアップを図りたいと思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
午前のループは非常に上手くいきました。週の頭に降った雨によりグリップレベルが変化し、非常にトリッキーな路面コンディションでしたが、自分たちはクリーンなスタートを切ることができました。午後はグリップを最適化するため、クルマにいくつか変更を加えました。それでも依然ステージでタイムを失っているように感じましたし、いつものような鋭く正確なドライビングをできていないとも思いました。ただし、いくつかのことを試し、少なくとも明日の方向性については理解を少し深めることができました。今日は一日中プッシュし続けたので、明日も同じように取り組むつもりです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
朝はかなり難しいスタートになってしまいました。非常に苦労しながらも、午前中にクルマのセットアップをいくつか変更したところ、フィーリングは徐々に良くなっていきました。しかし、残念ながら午後もまた少し苦戦することになってしまいました。エンジニアやチームメイトと協力しながらクルマの改善を続け、自分自身もドライビングを改善して、明日がより良い一日になるように全力を尽くします。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
朝最初のステージで問題が発生したため、残念なスタートになってしまいました。サービスに入るまでに、かなり長い朝のループを走らなければならなかったのですが、幸いにもチームが問題を解決してくれたことで、午後のステージは楽しんで走ることができました。総合順位争いでタイムを失ってしまったのは残念ですが、そのことはあまり気にせず、自分のドライビングに集中するようにしています。ペースについては徐々にですが、目標とする自分よりも上の方を走る選手たちのレベルに近づいていると思います。明日は、今日よりもさらに速いセクションが待っているので、とても楽しみです。

オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)

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人生最高の一日でした。このクルマを運転できるだけでも夢が叶ったようなものですが、ラリーをリードし、いくつかのステージで勝つことができたので本当に嬉しかったです。クルマは非常に運転しやすく、先週のテストでは気持ちよく走るためのフィーリングを掴もうと努力しましたが、その成果をラリー本番で活かすことができました。各ステージで学びを続けていますが、ここまでのところクリーンなリズムを保つことができています。明日、自分よりも後方につけているドライバーたちは、今日よりも良い出走順で走ることができるはずです。自分は経験が限られているため、さらにプッシュする準備ができているかどうか分かりません。しかし、それでも今日と同じように走り、結果を待ちたいと思います。

ラリー・エストニア デイ2の結果
1 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h06m33.4s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +12.4s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +14.2s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +20.1s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +29.8s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +30.0s
7 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +41.4s
8 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m05.1s
9 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +1m11.4s
10 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +1m30.0s
(現地時間月7月18日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技3日目となる19日(土)のデイ3は、サービスパークの南側エリアが戦いの舞台に。午前は2本のステージを各2回走行し、ミッドデイサービスを経て、午後は別の2本のステージを各2回走行します。さらに、一日の最後には木曜日に走行したサービスパークすぐ近くでのスーパーSSを、SSS17として再走。9本のステージの合計距離は125.76kmと、4日間で最長の一日となります。

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