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今季のWRCはここまでの4戦、それぞれに独特のイベントが続いてきたが、今週開催される第5戦ラリーポルトガルからはグラベル7連戦が始まる。選手権が創設された1973年のカレンダーに含まれていたWRCポルトガルは、熱狂的なファンと象徴的なステージが組み合わされた、ドライバーと観客の両方にとって大変人気のあるラリーであり、ラリー史上でも最もリスペクトされているラリーのひとつだ。
最高峰カテゴリーのラリー1は12台がエントリー。選手権トップに立つトヨタのエルフィン・エバンスを筆頭に、今季もスポット参戦のプログラムを組むチームメイトのセバスチャン・オジエは2位に入ったWRCカナリア諸島に続いての参戦。少なくとも6戦の参戦を表明しているMスポーツ・フォードのマルティンス・セスクスは、WRCスウェーデンに続いて今季2度目の参戦に臨む。ラリー2マシンは51台のエントリーを集めた。またWRCポルトガルでは、ジュニアWRCもシーズン2戦目を迎える。
クルーたちが挑むのは、全24SS・344.50km。今回のアイテナリでは、金曜日にアルガニルでのリモートサービス(20分)が2回、設定されている。近年の伝統として、ラリーのフィナーレは豪快なジャンプで知られるファフェで迎え、パワーステージにも指定されている。
■路面とタイヤ
ラリーポルトガルのステージは、大西洋岸から内陸に位置するため、変わりやすい天候がコンディションに影響し、大雨が路面がマディになることも珍しくない。ドライのままだとしても、ひとつのラリーのなかにふたつの路面が存在するようなコンディションとなる。アルガニル周辺を走行する金曜日は、固い地盤をグラベルが覆うため、2ループ目になると地盤が露出してタイヤの摩耗が激しくなる。土曜日からのステージはよりソフトでサンディとなり、リピート走行では轍が深くなる。
ハンコックがこのイベントに供給するタイヤは次のとおり。
RC1
第1:ハード Dynapro R213W WRC3 本数:16〜20本
第2:ソフト Dynapro R213W WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:28本
RC2、RC3
第1:ハード Dynapro R213 WRC3 本数:14〜18本
第2:ソフト Dynapro R213 WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:26本
■ラリーデータ
開催日:2025年5月15日〜18日
サービスパーク設置場所:マトジニョス
総走行距離:1790.65km
総ステージ走行距離: 344.50km(SS比率19.24%)
総SS数:24
■鍵となるステージ
SS11 Sever-Albergaria (20.24km)
金曜日には新ステージが2本登場するが、Sever-Albergariaはその2本目。テクニカルでツイスティなこの日の最長ステージは、地盤もさらに固いためタイヤ戦略の上でも厳しくなる。また、この日はリモートサービスのみの設定となるため、シーズンの中でも最も長い一日になることも、このステージを厳しいものとしている。この日は、合計146kmのステージが設定され、この長丁場を機材が制限されるリモートサービスだけで乗り切らなくてはならない。
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC
■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)
[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#1)
オィット・タナック(#8)
アドリアン・フルモー(#16)
[Mスポーツ・フォードWRT]
グレゴワール・ミュンステール(#13)
ジョッシュ・マカリアン(#55)
[トヨタ・ガズーレーシングWRT2]
サミ・パヤリ(#5)
■2024年WRCポルトガル最終結果
1 S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) 3:41:32.2
2 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +7.9
3 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:09.8