ペター・ソルベルグのNEVER GIVE UP!  母国での2位は勝利の味 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ペター・ソルベルグのNEVER GIVE UP!  母国での2位は勝利の味

 

ペター・ソルベルグのNEVER GIVE UP!  母国での2位は勝利の味

FIA世界ラリークロス選手権が母国ノルウェーのヘルで開催された時は、レース前もレースの最中も、珍しく緊張していたよ! 地元のみんなに、僕がまだトップレベルで戦っているところを見せたかったからね。

ヘルがあるのはノルウェーの南西部。ここを訪れるのは、去年、ヨーロッパラリークロス選手権に参戦した時以来だ。でもこの時は、残念ながら13位に終わってしまった。実はセミファイナルではわずか数秒足りずにファイナル進出を果たせなかったから、後でかなり考えさせられた。

去年のヘルでは、わずかなことでまったく違う展開になっていた。だからすぐにそれを調整しようと試みたよ。

世界ラリークロス選手権の前戦、英国リッデンヒルの後、僕らチームは一丸となって、ノルウェー戦に向けて新しい戦略を練った。ドライビングのスムース感という欠点を解消し不必要なリスクを避けることで、トップリザルトへのチャンスは、格段に上がるはずだった。

PSRX チームのスタッフは全員が、何のために2014年を戦っているのかをよく知っている。FIA世界ラリークロス選手権でタイトルを勝ち取るためだ。レース前のプランは、とにかくこの一点。一ヒートずつの勝利を重ねれば大量ポイントにつながり、大きなリスクを負う必要もなくなる。

僕はこのプランを徹底した。最初のヒートはスタートが最悪で、ジャック・ビルニューブの後ろになってしまった。偉大なF1パイロットの後ろで詰まったままの走行が続き、受け入れ難いタイムに終わってしまったんだ。

なんてひどいスタートだったんだと自分を責めることもできたけど、今回はまだまだチャンスが残っていた。

その後2本ヒートを走り、ついにヒート勝利への絶好のチャンスがやってきた。セミファイナル進出をかけてフロントロウでバトルをしていた。でも、ちょっとした不運があった。僕たちのサービスエリアにあるTVで僕がトップフィニッシュを決めたことが移ると大歓声が起きたけど、その直後、もう一組のセミファイナルのトップタイムに届かず、僕が2ポイントを逃したことが明らかになった。

それでも、セミファイナルでは素晴らしいレースができたし、 ヒート優勝も重ね、ファイナルでは2番手スタートを得ることができた。



PSRX

ファイナルでは小雨が降っていたので、スタートからはリスクを負わない戦略を維持して、ミディアムウェットのタイヤを選んだ。結果的には、6ラップでは一周ごとにレイニス・ニッティスにコンマ秒ずつの遅れを取ってしまった。ニッティスは、このファイナルで自身初のスーパーカーでの優勝を果たしたんだ。ラトビアの新星だよ。

ニッティスの走りにはとても感心させられた。素晴らしいラリークロスの才能の持ち主で、明るくて謙虚な人間だ。18歳の彼は、数カ月前に運転免許を取ったばかり。でも、これでタイトル争いの有力候補に一気に名乗りを挙げた。タイトル争いでは、彼に引き離されないように、きっちり食いついていかなくてはならないね。

ノルウェー戦のファイナルで、唯一優勝のチャンスがあったとすれば、ジョーカーラップの出口でのニッティスとの競り合いだったが、チームとの戦略を守り、無理なく彼の後ろに入っていた。リスクを負って前に割り込めば、僕とニッティスの二人にとって大きな痛手となってしまう。そんなのはフェアプレイとは言えないよ。

2位ではあったけど、優勝したような気分だ。母国での世界ラリークロス戦が始まる前は、とても大きなプレッシャーを感じていた。純粋に、今季で最も大事な一戦だったからね。またポディウムの上に上がれたことは、勝利と言ってもいいと思う。

優勝以外でこれほど満足するのは珍しいんだけど、今は2位に入ったことで、最終的にゴールドにつながると信じている。不必要なリスクを負ってポディウムフィニッシュを得る賭けに出るようなことはしたくなかった。

でも、優勝のチャンスがある時には、全力でつかみとりにかかるよ。

ヘル戦では、1万3000人の観客が入場料を払って世界ラリークロス戦を観戦しに訪れてくれた。もちろん、最高記録更新だよ! 地元からは本当に多くの応援をしてもらったし、ファンと一緒にノルウェー戦を大いに盛り上げることができたのは、優勝に等しい快挙だよ。

ヘルのサーキットは最高だし、主催者もイベントを成功させるために本当に尽力してきた。この一大イベントへの惜しみない協力に、心から感謝している。

ワークショップでは相変わらず忙しい日々が続いている。世界ラリークロス戦の次戦、フィンランド戦までは1週間半しかない。フィンランド戦の開催地、コウボラに移動するまでには、荷物を作るのも大変なんだ。3戦分の荷物を詰め込んで、コンテナもカナダに送る準備もしなくちゃならない。

次の3戦は、タイトル争いに向けての正念場だ。
この3週間半の間に、誰がタイトル争いに生き残り、誰が脱落するのかが、ハッキリする。



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