ヒョンデが改良型i20Nラリー2をWRCクロアチアに投入、新可変バルブタイミングを採用 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ヒョンデが改良型i20Nラリー2をWRCクロアチアに投入、新可変バルブタイミングを採用

©Hyundai Motorsport GmbH

今週開催されるWRC第4戦クロアチアラリー(ターマック)に、ヒョンデ・モータースポーツは、4月上旬に公認を受けたパーツを装着したヒョンデi20Nラリー2に投入する。

ヒョンデ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門は、今年の第一半期に多忙なテストスケジュールをこなしながら、新パーツの開発を進めた。2月にはフランス南部のシャトー・ラストゥールでのラフグラベルコースを使った5日間のテスト、3月と4月にはイタリアとスペインでターマックステージを走り込み、その総距離は4000kmにも及んだ。テストドライバーは、テーム・スニネン、エミル・リンドホルム、フランス・ターマックラリー選手権に参戦するエリック・カミリらが務めた。

1.6リットルターボエンジンに投入したアップグレードのひとつである新しい可変バルブタイミング(VVT)システムは、低回転域のトルクを改良。加速が速くなることで、より早くトップスピードに到達することができ、テクニカルなステージでの優位性が期待される。新型ピストンなどホモロゲーションを取得したばかりのエンジンの変更も行ったことで、エンジニア陣は新しいパッケージがパフォーマンスを大幅に向上させると見積もっている。テストチームは、イタリアのウディネ近郊のグリップの高い道や、スペインのアストゥリアス地方のバンピーでテクニカルなステージと、まったく異なる路面コンディションを意図的に探してテストを実施し、パフォーマンスアップを数値で確認したとしている。

2月には、フランスのラフグラベルで信頼性とハンドリングの向上を確認。これは、新設計のアップライト、ダンパーブラケットによるもので、これらのパーツは3月に公認を取得した。 主要パーツのアップデートにより、クルーはすべてのコーナーで最大限のプッシュをする自信を得られるはずだと自信を見せる。

Hyundai Motorsport GmbH

WRCクロアチアでは、エミル・リンドホルムとニコラ・シアマンが、それぞれCHLスポーツオートと2Cコンペティションがプリペアするマシンに新型パーツを装着して参戦する。シャミンは、WRCモンテカルロ、WRCサファリでWRC2チャレンジャー部門でポディウムに上がるなど、上々の滑り出しを見せており、WRC2部門でも4番手につけている。

今週末は、フランス・ターマックラリー選手権第2戦 ラリーローヌ・シャルボニエールでも、アップグレード版のi20Nラリー2が参戦する。今回の新パーツは、i20Nラリー2の全ユーザーがパッケージとして購入してマシンをアップグレードできるほか、今後数ヵ月間にアルゼナウのヒョンデ・モータースポーツで製造されるすべての新型シャシーに装着される予定だ。

ヒョンデ・モータースポーツのラリー2プロジェクトマネージャー、アンドレア・シソッティは 「i20Nラリー2のこの改良パッケージは、重要な前進だ」と語る。
「我々はカスタマーからのフィードバックを聞き、データを研究して、我々が違いを生み出せる主要なエリアに専念してきた。パフォーマンスと信頼性の向上は、徹底的に行ったテストで検証されている。ヨーロッパ周辺の多彩な道を様々なドライバーに走ってもらうことで、どんなコンディションでも、どんなドライバーがステアリングを握っても、最高のパフォーマンスを発揮できるクルマを提供し続けることを目指した。その成果は明らかであり、今週末はクロアチアとフランスのカスタマー、そしてこの先の数カ月はあらゆるカスタマーの走りをすぐに後押しできるはずだ」



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