WRCイタリア事前情報:地中海に浮かぶ風光明媚な島が舞台のグラベルラリーは開催20回目の記念大会 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCイタリア事前情報:地中海に浮かぶ風光明媚な島が舞台のグラベルラリーは開催20回目の記念大会

©Hyundai Motorsport GmbH

6月1〜4日に開催されるWRC第6戦ラリーイタリア・サルディニアは、WRC戦としての開催20回目という節目を迎える。2004年に、WRCのイタリアラウンドは本土から、地中海に浮かぶ風光明媚なこの島に舞台を移した。

記念すべき今年の大会に、イベント主催者のイタリア自動車クラブは、2004年のルートの要素を盛り込んだほか、名ステージ、モンテレルノの距離を49.90kmに延長。このステージの終盤には名物のジャンプスポット、ミッキーズジャンプが待っている。また、キッツビューエルのダウンヒルスキーコースをイメージしたテラノバの下りも復活する。

前戦ポルトガルでは、2022年チャンピオンのカッレ・ロバンペラが待望の今季初優勝をマークし、ドライバーズ選手権で首位に浮上。しかし、これにより今回のサルディニアでは、金曜日は走行順トップとして、路面のルーズグラベルを掃く役目を担うことになる。

このサルディニアでは、WRC2、WRC3のほか、ジュニアWRCが今季3戦目を迎える。また、FIAラリースター・トレーニングキャンプが5月21日からサルディニアで行われており、6人の若手が参加中。トレーニングの締めくくりとして、WRCサルディニアでは2日間のレッキに参加するほか、6月1日にサービスパークで行われるメディアイベントに出席する。

■ラリー1マシンのエントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT:WRC8冠のセバスチャン・オジエが登場。オジエの今季のWRC参戦はこれが4度目となり、選手権リーダーのロバンペラ、エルフィン・エバンスとともに選手権ポイントをかけて戦う。勝田貴元は4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦する。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:WRCサルディニアでは過去5勝と、チームにとって相性のいいイベント。今回は、ティエリ・ヌービル、エサペッカ・ラッピに加え、サルディニアで2勝を挙げているダニ・ソルドがヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのステアリングを握る。

Mスポーツ・フォードWRT:2017年のサルディニアで自身初のWRC優勝をマークしたオィット・タナックは、昨年もこのイベントを制している。チームメイトのピエール-ルイ・ルーベも、2022年に自己ベストの4位でフィニッシュしている。

■サポートカテゴリーのエントリー状況
ラリー2マシン対象のWRC2部門は、前戦ポルトガル終了時点でトップ3のポイント差がわずか3と接戦になっている。首位に立つヨアン・ロッセルを1ポイント差で追うのはオリバー・ソルベルグ。メキシコとポルトガルで部門優勝を飾っているガス・グリーンスミスは、ロッセルに3ポイント差の3番手につけている。

39台がエントリーしたWRC2には、2022年のジュニアWRC王者、ロベルト・ビルベス、ヨーロッパタイトル3冠のカエタン・カエタノビッチ、アドリアン・フルモー、テーム・スニネン、ニコライ・グリアジンなどが名を連ねる。なお、昨年のWRC2チャンピオン、エミル・リンドホルムはサルディニアに参戦するものの、WRC2のポイント対象にはノミネートしていない。

ラリー3マシン対象のWRC3には、9人がエントリーし、全員がフォード・フィエスタ・ラリー3をドライブする。現時点で選手権首位に立つルーキー、ルーペ・コルホネンのほか、昨年10月にFIAモータースポーツ・ゲームスのトルコ代表、アリ・タルクネンは、今回がWRCデビューとなる。

ジュニアWRCには8台がエントリーし、マシンはフォード・フィエスタ・ラリー3 Evoにスイッチされる。スウェーデン、クロアチアの2戦を終えた時点で選手権首位に立つアイルランドのウィリアム・クレイトンは、フランスのローレン・ペリエに21ポイント差、パラグアイのディエゴ・ドミニゲスに23ポイント差をつけている。

■ラリールート

TOYOTA

20回目のラリーイタリア・サルディニアは、6月1日現地時間18時05分、オルビアに設定されるスーパーSS(3.23km)で幕を開ける。

金曜日は、オルビアの南部に3SSを2ループする141.27kmが設定。2004年のルートに含まれていたTantariles(10.71km)から始まり、Terranova(8.41km)の後に待ち受けるのは、49.90kmの超ロングステージ、Monte Lerno。オルビアのモロ・ブリンに設置されるサービスを挟んで、この3本を再走する。土曜日は、4SSを2ループする135.46km。この日は16.28kmのCoiluna-Loelleで始まり、Su Filigosu、Erula – Tula、Tempio Pausaniと続く。日曜日は、オルビアの北部を走るArzachena – Braniatogghiu(15.22km)とSardegna(7.79km)を2回ずつ走行する46.02kmの構成。2回目のSardegnaは、パワーステージに指定されている。Wolfがステージスポンサーを務めるパワーステージの実施は、これで50回目となる。

■ラリーデータ
開催日:2023年6月1日〜4日
サービスパーク設置場所:オルビア
総走行距離:1170.06km
総ステージ走行距離:322.75km(SS比率27.58%)
総SS数:19

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
ジュニアWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)
エルフィン・エバンス(#33)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
エサペッカ・ラッピ(#4)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
オィット・タナック(#8)
ピエール-ルイ・ルーベ(#7)

■2022年ラリーイタリア・サルディニア最終結果
1 O.タナック/M.ヤルベオヤ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +3:10:59.1
2 C.ブリーン/P.ネイグル(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:03.2
3 D.ソルド/C.カレラ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:33.0

■近年のウイナー
2022年 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2021年 S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)
2020年 D.ソルド(ヒョンデi20クーペWRC)
2019年 D.ソルド(ヒョンデi20クーペWRC)
2018年 T.ヌービル(ヒョンデi20クーペWRC)



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