WRCサファリ:ノートラブルのカッレ・ロバンペラが3日目も首位をキープ、勝田貴元は2番手に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:ノートラブルのカッレ・ロバンペラが3日目も首位をキープ、勝田貴元は2番手に浮上

©TOYOTA

2024年シーズンのWRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)は、3月30日(土)に3日目の6SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位をキープ。2分8秒9差の総合2番手に勝田貴元(トヨタ)、3分13秒3差の総合3番手にアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)がつけている。

土曜日のルートは、サービスが置かれたナイバシャ北部を走行し、エレメンテイタ湖へと向かう『Soysambu(29.32km)』、『Elmenteita(15.08km)』、『Sleeping Warrior(36.08km)』を午前と午後でリピートする6SS、160.96km。今回最長の『Sleeping Warrior』は昨年よりも5km以上距離が伸びたうえ、「パンクをせずに走り切れればラッキー」と言われるほどに荒れた路面は、今年も健在だ。

今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。また、前日、コースオフによりリタイアを余儀なくされたヒョンデのオィット・タナックとエサペッカ・ラッピはマシンを修復し、無事に再出走を果たした。

オープニングのSS8、天候は曇り、コンディションはドライとなった。ダストが残るなかでトヨタの勝田が今回初のベストタイム。首位につけるロバンペラは、5.2秒差の3番手タイムでまとめた。一方、総合2番手のエルフィン・エバンス(トヨタ)は左リヤタイヤをパンクし、スタートから12.7km地点で交換のためストップ。1分30秒以上をロスしたことで、総合5番手にドロップし、勝田が55.6秒差の総合2番手に順位を上げた。後方では総合6番手につけていたグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)が左リヤサスペンションを壊し、スローダウン。こちらも総合7番手に順位を下げた。

TOYOTA


SS9、ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が再出走のラッピに5.2秒差のベストタイム。ロバンペラは7.1秒差のSS3番手タイム、勝田は9.8秒差のSS4番手タイムで走り、ふたりの差はわずかだが拡大した。前のステージで足まわりを壊したミュンステールは、リエゾンでリタイアを決めている。

36.08kmを走行するSS10、ステージ前半は前日までの降雨によって濡れた箇所が点在。総合2番手につけていた勝田が岩にヒットして右フロントタイヤを痛恨のパンクさせてしまう。そのままフィニッシュまで走行を続けるが、1分近くをロス。これでロバンペラに続くセカンドベストで切り抜けたヌービルが、1分27秒9差の総合2番手に浮上した。「僕のミスです……」と、勝田は肩を落とした。

このステージでは、他にも多くのクルーがトラブルに見舞われた。総合5番手のエバンスがスタートから12km地点で右リヤタイヤをパンク。ラッピはスタートから8km地点でシマウマと接触、右フロントとウインドスクリーンにダメージを負った。タナックもステージ後半で右リヤタイヤをパンクし、スローダウンを余儀なくされている。

ナイバシャでの昼サービスを挟んだ午後のセクション。午後は雨の予報もあったが、コンディションはドライのまま。ただ、1回目の走行により、岩が掘り起こされるなど、パンクの危険性はさらに高まっている。

M-SPORT


SS11、総合2番手のヌービルに、24km地点で燃料ポンプトラブルが発生。一度マシンを止めてバックアップに切り替えたものの、26km地点で再びマシンを止めることになった。なんとかステージを走り切ったものの、2分30秒以上もロスし、総合5番手までポジションダウン。代わってベストタイムの勝田が、首位のロバンペラから2分20秒2差の総合2番手に返り咲いた。Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーが総合3番手、エバンスが総合4番手とそれぞれ順位を上げている。

SS12はエバンスがベストタイムをマーク。勝田に対して2分以上のアドバンテージを手にしたロバンペラは、岩が点在するステージを注意深く走行し、「遅すぎるようにも感じるけど、かなり荒れていた箇所もあったし、必要以上に注意して走った」と、慎重にコメントした。燃料トラブルを抱えたまま走るヌービルは、7分以上もタイムロスしながら、なんとかフィニッシュまでたどり着いている。

HYUNDAI


この日を締めくくるSS13、午前中に濡れていた箇所は乾きつつあるが、日陰には水溜りも残っている。首位のロバンペラは、安全なペースでタフなステージをクリア。勝田を2分8秒9差に従えて、最終日に挑む。「いいリードを持てたけれど、すべての岩を回避して走るのは楽しくはないね。ただ、明日もタフな1日が残っている」と、ロバンペラに笑顔はない。

総合2番手の勝田は電気系トラブルに見舞われながら、マシンをフィニッシュまで運び、最終日に望みを繋いだ。総合3番手のフルモーは左フロントタイヤをパンクしながらも、大きなロスなくまとめて順位をキープ。総合4番手のエバンスは32km地点でまたもパンクを喫し、ステージ中に交換を余儀なくされている。総合5番手はトラブルを抱えたまま、午後のセクションを走り切ったヌービル。このステージでベストを刻んだタナックが、総合10位とトップ10へと戻ってきた。

競技4日目はSS14〜SS19の6SS、SS走行距離は74.38km。オープニングのSS14は、日本時間3月31日の13時02分にスタートする。

WRCサファリ SS13後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:48:50.2
2. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:08.9
3. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:13.3
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +5:35.6
5. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +11:48.6
6. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +15:02.0
7. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +16:57.0
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +21:15.7
9. J.セルデリディス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +21:56.4
10. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +21:58.1

WRCサファリ 土曜日終了時点暫定ポイント
1. K.ロバンペラ 18
2. 勝田貴元 15
3. A.フルモー 13
4. E.エバンス 10
5. T.ヌービル 8
6. G.グリーンスミス 6
7. O.ソルベルグ 4
8. K.カエタノビッチ 3
9. J.セルデリディス 2
10.O.タナック 1



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