WRCサファリ:予測不能な天候、ピレリの第一選択肢はソフトコンパウンド – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:予測不能な天候、ピレリの第一選択肢はソフトコンパウンド

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WRC単独タイヤサプライヤーのピレリは、今週開催される今季のWRC最初のグラベルラリーとなる第3戦サファリ・ラリーケニアに、ソフトグラベルタイヤを第一選択肢として供給する。

イベント伝統の3月に会期を移した今回は、雨期に当たり、6月に開催された昨年も大雨に見舞われたサファリだが、今年はさらに予想が難しくなる。現時点での天気予報では、それほど大きく懸念はされてはいないが、大雨は主に午後に降ると見られている。 サファリでの第一選択肢となるのは、弾力性と信頼性に優れたソフトコンパウンドのスコーピオンKX WRC SA。これは、サファリがWRCカレンダーに復帰して以来、全ドライバーが使用した唯一のスペックだ。

WRC唯一のアフリカ大陸でのラリーは、滑りやすい路面、岩、段差、深い轍が主な危険要素として知られており、クルマもタイヤも、性能よりも回復力が最も重視される。サファリ特有の「フェシュフェシュ」と呼ばれる、非常に細かい砂ではマシンが簡単に沈んでしまい、その危険性を過小評価することはできない。そして、こうした危険は、雨が降れば対応することがよりトリッキーになる。雨になれば道はよりスリッパリーになるほかマディにもなり、石が露出し始めダメージも負う。さらに、グリップレベルが下がる上にマシンが泥沼にはまるリスクも高まる。

サファリ・ラリーケニアで供給されるタイヤ
ソフトコンパウンドのスコーピオンKX RWC SAは、滑りやすいコンディションやウエットコンディションでもグリップを確保できるように設計されており、性能と回復力の適切なバランスを提供する最適な第一選択(プライム)となる。ハードコンパウンドのスコーピオンKX WRC HAは、より摩耗の激しい路面や長いステージに適したオプションタイヤだ。

レギュレーションにより、プライムタイヤ28本、オプションタイヤ8本が割り当てられる。クルーはオプションタイヤの数を12本増やすことができ、その場合はプライムタイヤの割り当てが4本減る。

ラリー2勢は、スコーピオンK6B(ソフト)とK4B(ハード)、ラリー3がK6A(ソフト)とK4A(ハード)を使用することができ、割り当て数はプライム26本、オプションが8本となる。クルーは、プライムを4本減らすことでオプションを12本に増やす選択をすることもできる。

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テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「スコーピオンSAは、ケニアやそのほかのグラベルラリーで長年にわたり、非常に多用途であることを証明してきたタイヤ。グリップと耐衝撃性の両方を確保するよう設計されており、競技の厳しい要求に耐えられるように柔らか過ぎず、サスペンションを損傷させるほど硬すぎない構造となっている。ドライバーにとっては、サファリの本来の姿である、スピードよりも耐久性が重要視されるイベントとして取り組むことが重要となる点で、カレンダーのほかのラリーとは異なる」

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