全日本ラリー三河湾:初日、GRヤリス・ラリー2デビュー戦の勝田範彦が首位を快走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー三河湾:初日、GRヤリス・ラリー2デビュー戦の勝田範彦が首位を快走

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2024年シーズン全日本ラリー選手権開幕戦「Rally三河湾2024 Supported by AICELLO」の初日は、3月2日(土)に8カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、新井大輝/金岡基成(シュコダ・ファビアR5)に、12.8差をつけて初日トップに立った。46.8秒差の3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

昨シーズンの最終戦ハイランドから約5カ月のインターバルを経て、全日本ラリー選手権は新たなシーズンの幕を上げた。昨年まで高い人気を集めてきた新城ラリーに変わり、愛知県南部の三河湾に面する蒲郡市を舞台とする「ラリー三河湾」が新たにスタートすることになった。

今回、山間部に組まれた高低差のあるワインディングロード、竹島埠頭を利用したフラットな特設コース、細かいコーナーが連続するタイトな林道コースなど、バリエーションに富んだステージ構成を採用。初開催、参加クルー全員が未経験のイベントゆえ、レッキにおいて精度の高いペースノートを用意できるかが攻略の鍵になりそうだ。

トップカテゴリーのJN-1クラスには、WRC開幕戦ラリーモンテカルロでデビューしたトヨタGRヤリス・ラリー2が3台も登場。モリゾウこと豊田章男トヨタ自動車会長が率いるルーキーレーシングの勝田範彦、JN-2クラス王者の奴田原文雄、そして今回はヘイキ・コバライネンの欠場を受けて、全日本初参戦となる田口勝彦が最新ラリー2マシンのステアリングを握る。また、JN-2クラスには若手育成を目指した新たなカテゴリー「MORIZO Challenge Cup」が導入された。

ラリー初日の午前中はSS1/8『ヒメハル(6.51km)』、SS2/7『SSS がまごおり竹島(0.89km)』、SS3/5『SSS 西浦シーサイドロード(3.99km)』の3SSに、この日最長の10.31kmを走行するSS4『幸田遠望山』を加えた4SSを走行。サービスを挟んだ午後は3SSにSS6『幸田遠望山ショート(3.45km)』を加えた計8SS、36.54kmを走行する。

金曜日の夕方に蒲郡駅前で華やかに行われたセレモニアルスタートに続き、土曜日から本格的なステージが幕を上げた。SS1は勝田が、新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)に10.8秒差、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)に12.0秒差をつけるベストタイムを刻む。このステージでは、柳澤宏至/竹下紀子(トヨタGRヤリス)がステージ中に出火。10番手スタートの三枝聖弥/船木一祥(スバルWRX STI)以降のクルーには、8番手タイムで走行した田口勝彦/北川紗衣の記録(7分50秒2)がノーショナルタイムとして与えられることになった。

続く890mのSS2は、今回からシュコダ・ファビアR5をドライブする新井大輝が、勝田を0.6秒上まわる一番時計。SS3とSS4は勝田が連続ベストを獲り返し、総合2番手につける新井大輝に17.7秒差をつけて午前中のセクションを終えた。27.1秒差の総合3番手には「シーズンオフの作業もあって、マシンがかなり良くなった」と語る新井敏弘がつけた。

GRヤリス・ラリー2で初ドライブとなった奴田原文雄/東駿吾は、SS3でセカンドベストをマークするなど、少しずつペースを上げて、28.1秒差の総合4番手。以下、福永、眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリスDAT)、鎌田、田口のオーダーで続く。

サービスを挟んだ午後のセクション、SS5は奴田原が勝田に0.5秒差をつけ、今回初のベストタイムを記録。新井敏弘をかわし、総合3番手にポジションを上げた。続くSS6、総合4番手を走行していた新井敏弘が姿勢を乱して側溝にタイヤを落とし、サスペンションアームを折ってリタイアを余儀なくされている。

SS6からSS8までは新井大輝がすべてのステージで勝田を上まわり、3連続ベストをたたき出す。特にSS8『ヒメハル 2』は4.9秒も勝田を引き離し、首位との差を12.8秒に縮めて初日を終えた。その後方では、SS8で3番手タイムをマークした福永が奴田原をかわし、首位から46.8秒差の3番手にポジションを上げている。

後半、新井大輝のプッシュはあったものの、初日を首位で折り返した勝田は「午後は守りに入ってしまい、失敗が多かったです。自分としても反省しています。最後のヒメハル2でも、ヘアピンでエンストしてしまいました……明日に向けてはマシンのフィーリングは悪くないので、セットアップはこのままいこうと思います。ただ、大輝選手が迫ってきているので、油断はできません」と、慎重にコメント。

今回、ギリギリでマシンを間に合わせたという新井大輝は「シェイクダウンが終わりましたね(笑)。SS1で失ったタイム差が最後に響いていますが、良い収穫を得られたと思っています。セットアップとして目指す方向性があるんですが、自分たちがもっているパーツではそこに到達できません。今ある状況でしっかりメンテナンスして、明日に望む感じです」と、笑顔で振り返った。

50.6秒差の総合4番手は、ニューマシンのラリー2で初日を走り切った奴田原。2分18秒3差の総合5番手につけていた鎌田はギヤボックストラブルにより、ステージフィニッシュ後にリタイアを決めた。この結果、ラリー2初ドライブの田口が、2分58秒4差で実質的な総合5番手となる。また、午前中のセクションで総合6番手につけていた眞貝はSS5で足まわりを壊し、ラリー続行を断念している。



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