FIAアンドリュー・ウィートリー「ラリーにとって極めて重要な時期」、トヨタGRヤリス・ラリー2の投入にも言及 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

FIAアンドリュー・ウィートリー「ラリーにとって極めて重要な時期」、トヨタGRヤリス・ラリー2の投入にも言及

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FIAロードスポーツディレクターのアンドリュー・ウィートリーは、ラリー界の2023年シーズンを振り返りと来たる2024年シーズンの展望について、Q&A形式で公開。2023年は辛い経験をしながらもさらなる進歩を遂げ、新シーズンに向けて「ラリーにとって極めて重要な時期を迎えている」と表した。

Q:2023年シーズンをどのように評価しますか。
「WRCに関しては、非常に満足している。3マニュファクチャラーそれぞれが勝利を挙げ、5人のドライバーが優勝を経験した。WRC2はこれまでにないほどの関心を集め、WRC2チャレンジャーとジュニアWRCのタイトルは最終戦で決着がつかなかった。また、2019年以来となる南米でのイベントが開催された。地域選手権でも、成長を続けている。ERCは70周年を迎え、刷新されたヨーロピアン・ラリー・トロフィーは2023年シリーズで332人のドライバーがポイントを獲得し、ラリー4マシンでの勝者も誕生した。FIAラリースターは、素晴らしいトレーニングのシーズンを経て、4人の若手をジュニアWRCに送り出すことになった。世界ラリーレイド選手権も注目が高まっており、3シーズン目となる2024年、開幕戦のダカールを楽しみにしている」

Q:2024年をポジティブに考えることができる理由はほかにありますか。
「10月のFIAワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)で承認されたラリー5キットは、ラリーの入門レベルに絶好の設定。マシンやパーツの公認取得を地元で行えることで、グローバルなモータースポーツの参加者増につながる。10月下旬、セントラルヨーロピアンラリーの後に行われたWRCイベント主催者のミーティングは非常にポジティブな成果を挙げ、いいアイデアや論点がたくさん生まれた。世界ラリーレイド選手権への興味も、非常に高まっている。トヨタはラリーのカスタマー市場にラリー2スペックのヤリスを投入する。ライバルメーカーもカテゴリーのトップに立ち続けるために、一層取り組んでいくことになるだろう」

Q:WRCにエキサイティングな変革期が訪れようとしています。2024年シーズンはどのような変化が待ち受けているのでしょうか。
「マニュファクチャラー、ドライバー、コ・ドライバーの選手権ポイント配分に関する新しいシステムが、バクーで開催されたWMSCで承認された。この方式により、WRCイベントの最終日をより盛り上げ、スパイスを加えることを目指している」

Q:カッレ・ロバンペラとヨンネ・ハルットゥネンは、2024年のWRCタイトル防衛には挑みません。これは懸念される要素と言えるでしょうか。
「カッレがWRCフル参戦から一時離れるという決断を下したことは、全面的に支持する。まだ23歳という若さだが、すでにWRCタイトルを2回獲得し、我々のほとんどが運転できるようになる年齢に達する前から、参戦してきた。これほど長い間、若い時から参戦に打ち込み成績を残してきたのだから、相当のエネルギーを費やしてきたことだろう。将来、ヨンネとともにさらにWRCの称号を手にするだろうことに疑いはない。2024年もエキサイティングで記憶に残るWRCシーズンになることが期待できるし、カッレの決断が影響することはないと考えている」

Q:クレイグ・ブリーンの逝去は、ご遺族やご友人にとって非常に辛いものでした。彼の遺志はどのように称えられるのでしょうか。
「我々はクレイグと、彼がERCやWRCなどラリーにもたらした情熱と熱意を決して忘れることはないだろう。これからもご遺族がご友人に寄り添っていく。ヒョンデ・モータースポーツ、Sports&You、ヒョンデ・ポルトガル、ヒョンデ・スペイン、モータースポーツ・アイルランドが支援して、クレイグ・ブリーン財団を立ち上げ、クレイグの思い入れの深いモータースポーツ・アイルランド・ジュニアラリーシリーズに参戦する14歳〜17歳のドライバーに経済的支援だけでなく、キャリアアップの機会も提供する。クレイグと彼のすべてを偲ぶにふさわしい方法だ」

Q:若手について、2024年のジュニアWRCにはFIAラリースターから選ばれた4人が参戦します。
「ペルーのホセ・カパロ、オーストラリアのテイラー・ギル、エストニアのロメ・ユルゲンソン、南アフリカのマックス・スマートは、2023年、厳しいトレーニングや修業を積み、2024年、まさに人生を変える経験が待っている。彼らの成長や、2月のラリースウェーデンから冒険が始まることを楽しみにしている。ペルーのアニア・シロニズとオマーンのアブドゥラ・アル-タウキは、懸命に努力を続け進歩も見られたが、2024年のジュニアWRCに出場する準備ができていないと判断された。ふたりのFIAラリースタープログラムの参加はこれにより終了となるが、今後の活躍を願っている。この経験を活かしてくれることを期待しているし、トレーニングで培った知識を、今後の参戦キャリアにつなげてほしい」

Q:クロスカントリーラリー関連にもニュースがあるとのことですが。
「2024年は、クロスカントリーラリーのイベント、マシンは新しいタイトルで幕を開ける。クロスカントリーラリーの初心者にとって、様々なクラスや車種をより理解しやすくするもの。また、世界バハ、地域バハカップもフォーマットが新しくなり、登録が義務化となり、ポイントシステムも新しくなる。こうした変更により、このカテゴリーがよりエキサイティングに、より理解しやすくなるだろう」



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