WRCセントラルヨーロピアン:出走順を活かしたロバンペラが首位、勝田は2分26秒8差の5番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCセントラルヨーロピアン:出走順を活かしたロバンペラが首位、勝田は2分26秒8差の5番手

©TOYOTA

2023年シーズンWRC第12戦セントラルヨーロピアン(ターマック)は、10月27日(金)に、2日目の6SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位を走行。36.4秒差の2番手にヒョンデのティエリー・ヌービル、47.2秒差の3番手にトヨタのエルフィン・エバンスがつけている。

26日木曜日にチェコでのセレモニアルスタートと競馬場でのSSを実施後、クルーはドイツに戻ってナイトステージを走行。明けて、27日金曜日から本格的なラリーが幕を上げる。この日は再びチェコへと戻り、「Vlachovo Brezi(13.66km)」、「Zvotoky(23.81km)」、「Sumavske Hostice(23.43km)」の3SSをループする6SS、121.8km。日中のサービスはなく、ボヘミア南部のプラハティツェでのタイヤフィッティングゾーンのみが設定されている。

この日のコンディションは予報どおりのウエット。インカットによって、コースサイドの土が掻き出されるため、後半スタートになるほどコンディションが悪化する。SS3は先頭スタートのカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が、エサペッカ・ラッピに1.8秒差をつけるベストタイム。3.4秒差のSS3番手タイムにエルフィン・エバンス(トヨタ)、4.5秒差のSS4番手タイムにティエリー・ヌービル(ヒョンデ)、9.6秒差のSS5番手タイムにオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)が続く。

HYUNDAI


ヌービルは首位をキープしたものの、タナックが総合2番手に順位を下げ、代わってロバンペラが総合3番手に浮上。マディな路面に足を取られ、右フロントタイヤとホイールにダメージを負ったセバスチャン・オジエ(トヨタ)は40秒以上を失い、早くも首位争いから脱落した。「モチベーションがなくなってしまった」と、オジエが肩を落とした一方、エバンスが総合4番手、ラッピが総合5番手と、それぞれ順位を上げている。

ロバンペラは続くSS4でも、ラッピに10.1秒差をつける圧巻の連続ベストタイム。ジャンクションでオーバーシュートし、ベストから19.5秒も遅れたヌービルを抜き去り、ロバンペラが18.1秒差をつけて首位に立った。2連続セカンドベストのラッピは、5番手からふたつ順位を上げた総合3番手。「慎重に走りすぎた」と振り返ったエバンスは14.6秒差のSS3番手タイムながらも、総合4番手をキープした。ウエットの路面にセットアップが合っていないタナックは、このステージだけで23.5秒も遅れ、総合5番手にドロップしている。

SS5、ロバンペラはスタート直後のジャンクションでオーバーシュートを喫しながらも、エバンスに6.4秒差の3連続ベスト。午前中のセクションだけで、2番手以下に30秒近いアドバンテージを手にすることになった。「それほどプッシュしたわけじゃないけど、どんどん悪化するコンディションを考えると、出走順トップが有利だったようだね」と、ロバンペラは満足気な表情を見せた。

総合2番手のラッピは、スタートから1.2km地点でコースオフ。クルーは無事だったものの、マシンのダメージが大きく、この時点でラリー続行を諦めることになった。これでエバンスが総合2番手に浮上するが、首位ロバンペラとは29.2秒差もついている。30.1秒差総合3番手にヌービル、43.8秒差の総合4番手にタナック。総合5番手に勝田貴元、総合6番手にテーム・スニネン(ヒョンデ)、総合7番手には今回が2度目のラリー1マシンでの参戦となったグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)がつけている。

M-SPORT


プラハティツェでのタイヤフィッティングゾーンを挟んだ午後のセクション。雨は上がり、路面は乾きつつあるが、滑りやすいマディなコンディションであることには変わりない。SS6はエバンスがヌービルに1.1秒差、ロバンペラに1.7秒差のベストタイム。安全上の理由から、6番目に走行した勝田以降のクルーはステージがキャンセルとなり、ノーショナルタイムが与えられることになった。

SS7は、「僕にとってマディなコンディションを走るのが初めてだったから、前のステージは抑えて走った」と語るロバンペラが、ヌービルに8.0秒、エバンスに9.7秒差をつける一番時計。首位のロバンペラが逃げつつあるが、エバンスとヌービルの総合2番手争いは、0.3秒差と接戦が続いている。

この日の最後を締めくくるSS8、ヌービルがロバンペラに1.1秒差のベストを刻む。雨が再び降り始め、滑りやすいセクションで何度かドライビングミスを喫したエバンスは11.1秒差の3番手タイムとなり、ヌービルが総合2番手にポジションを上げた。そのヌービルに36.4秒差をつけて初日を終えたロバンペラは「かなりトリッキーな1日だったけど、幸運にも天候が僕の味方をしてくれたね。特に午前中はトップスタートで走れたことが大きかった」と、笑顔で振り返った。

TOYOTA


ステージ終盤シフトレバーを失いながらも走り切ったタナックは、1分30秒4差の総合4番手、厳しいコンディションに苦しみつつも大きなミスなく走った勝田が総合5番手につけている。午前中のアクシデント後、順調にステージをこなしたオジエが、このステージでスニネンを捉え、総合6番手に順位を上げて2日目を終えた。

競技4日目はSS9〜SS14の6SS、SS走行距離は109.50km。オープニングのSS9は、日本時間10月28日の15時15分にスタートする。

WRCセントラルヨーロピアン SS8後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:13:05.1
2. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +36.4
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +47.2
4. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:30.4
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:26.8
6. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:35.9
7. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー1) +2:39.1
8. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:59.1
9. E.リンドホルム(ヒョンデi20Nラリー2) +5:36.3
10. E.カイス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:51.2



ラリプラメンバーズ2024募集中!!