【インタビュー】エサペッカ・ラッピ「今シーズン ヤリスWRCに乗るチャンスがある」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【インタビュー】エサペッカ・ラッピ「今シーズン ヤリスWRCに乗るチャンスがある」

©Naoki Kobayashi

TOYOTA GAZOO Racing WRTのテストドライバーを務めるエサペッカ・ラッピ。トヨタが投入する3台目のヤリスWRCのドライバーとしての参戦が期待されており、今週開催されているWRC第3戦ラリーメキシコでもチームに帯同している。

ーートヨタ・ヤリスWRCのテストを行ったそうですね。
「そうだね、素晴らしい経験だった。フィンランドのスノー路で2日間、約200kmほど走ることができた。これまで自分が乗ってきたR5マシンとはかなり違うことに、改めて驚いたよ。正直、比べられるレベルじゃなかった。パワー、ブレーキング、ハンドリング、すべてのレベルが段違いだった。特にハンドリングがクイックで驚いたよ。あの大きなウィング類による、ダウンフォースの凄さだね。実際にドライブして、これだけ違いを感じるとは思わなかった」

ーー初めてのWRカードライブが、2017年仕様のマシンということは、相当興奮したでしょう?
「そりゃそうだよ。もうクレイジーと言うしかないような経験だった(笑)。スローコーナーはそんなに問題はない。R5から乗り換えても違和感はないんだ。でも、5~6速コーナーで印象は一変した。ハイスピードで強烈なパワーとダウンフォースを感じることができる。この強烈なダウンフォースによって、コーナーリングでは驚くほどのグリップがあって安定しているんだ。無駄なドリフトも必要ないし、しっかりとラインをトレースできたよ。R5ではブレーキングが必要な高速コーナーも、そのまま行けてしまうからね。すぐに慣れることができたし、どんどんスピードアップできた。とてもいいトレーニングになったね」

ーー今後、WRカーでのテストの予定は?
「コルシカの事前テストに参加する予定だ。このマシンでターマックで走るのが楽しみだ。このダウンフォースをもっと体感できると思っている」

ーー今シーズン、実戦を走るチャンスはありそうですか?
「あると思う」

ーーそれはWRカーですか、それとも R5になりますか?
「(サービスのヤリスWRCを指差しながら)このマシンだね(笑)。どのラリーになるかは、まだ言えないんだ」

ーーWRカーで参戦する場合、ターゲットはどの辺りに置いていますか?
「僕自身に関しては、まだ結果をどうこう言える状況じゃないと思う。圧倒的に経験が足りていないし、WRカーで学ぶことが山ほどあるからね。 WRC2では初日の段階でラリーをリードして、その後をプッシュせずに有利に戦うことができていた。でも、トップレベルではそうはいかない。常にプッシュし続けなければ、置いてかれてしまう。そんな中でいかに安定した結果を残せるかが鍵になるはずだ」

ーー今シーズン、WRCの状況をどう見ていますか?
「フォルクスワーゲンの撤退によって、戦力が均衡化されて、かなり面白くなったよね。誰が勝つか分からない状況になった。ファンにとっても誰が勝つか分からないし、本当に興味深い選手権になったと思うな」

ーートヨタはあなたにとって、初のファクトリーチームになりますね。
「いや、WRC2を戦っていたシュコダもファクトリーチームだよ。トップWRCチームという意味では『初めて』って言えるかもしれないね。大きな違いは、やっぱり人の多さなかな。チームに関わっている人数が段違いだ」

ーートヨタはフィンランド人が多いので、リラックスできるのでは?
「それは本当に大きいよ。シュコダではほとんどのスタッフがチェコ語しか話せなかった。僕はチェコ語を話せないし、メカニックの多くは英語でのコミュニケーションも難しかった。でも、トヨタではフィンランド人が多いから、自分の気持ちをありのままに理解してもらえる。まるで故郷にいるみたいだね。フィランド人以外のスタッフも英語で問題ないのもありがたいよ」

ーーそう言った意味で、チームメイトがふたりともフィンランド人ですね。
「他のチームではありえない状況だよね。ヤリ-マティ(ラトバラ)やユホ(ハンニネン)は、ライバルとしてやり合うよりも、チームとして考えてくれている。クルー同士で情報共有がしっかりとできているんだ。まるで家族みたいだよ。これが他のチームにはない、トヨタならではの強みだと思う。ドライバーとして成長する過程で、コミュニケーションを円滑にとることは本当に大切なんだ。この環境ならば、安心して攻めることができる。とても快適だよ」

ーーシーズン開幕前は、1年目のトヨタがこれだけの成績を残すとは思っていなかったのでは?。
「ヤリ-マティやユホが、テスト後に『ヤリスWRCは素晴らしいポテンシャルを持っている』と言っても、誰も信じてくれなかったんだよ(笑)。ドライバーはただ、正直に感想を言っていたのに、みんながチームへのリップサービスだと思っていた。僕らはヤリスWRCが素晴らしいマシンだと分かっていたんだ。その答えはモンテカルロとスウェーデンの結果が証明している。このチームに加入できて、本当に幸せだね」

ーー開幕戦のモンテカルロ以降、WRCチームに帯同していますね。
「これまでの3戦同様、今後のWRCイベントも全戦でレッキに参加する予定だ。来年に向けて、貴重な経験を得ることができる。ステージ構成は大きく変わらないし、ペースノートを作る上でも本当にありがたい。モチベーションも高くキープすることができている」

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