<WRC復帰記念>トヨタ不在時代を振り返る(3)17年間の変遷【最終回】 – ページ 2 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

<WRC復帰記念>トヨタ不在時代を振り返る(3)17年間の変遷【最終回】

©Naoki Kobayashi

次世代ドライバーの登場(2000〜2006年)

Naoki Kobayashi

1997年から導入が始まったWRカーがやっと出揃い始めたのが2000年のことです。参戦メーカーは7社を数え、メーカーごとに個性的な考え方のマシンが登場しました。

しかし、結局のところ優勝を重ねたのはプジョー、フォード、スバル、三菱といった古参のメーカーのみ。そのうち三菱は2000年まで旧規定のグループAのまま(2001年の前半は移行措置として特認を受けたグループA改)。WRカーへの過渡期であった1996年〜1999年に4年連続のドライバーズタイトル&1度のマニュファクチャラーズタイトルを獲得したのが、三菱のトミ・マキネンその人です。

参戦メーカー拡大のためと導入したWRカー規定は当初こそ効果を見せたものの、2003年限りでヒュンダイが、2005年限りで三菱とシュコダが相次いで撤退してしまい、フォード、スバル、シトロエンのみに。参戦メーカーはここからさらに少しずつ減っていきます……。

Naoki Kobayashi

一方、実力をもつ次世代ドライバーたちが続々登場したのものこの時代でした。2000年と2002年はプジョー206WRCをドライブした遅咲きのフィンランド人マーカス・グロンホルム、2001年は英国出身でスバル所属のリチャード・バーンズ、そして2003年はノルウェー出身のペター・ソルベルグが、それぞれ初のチャンピオンを獲得。過去のチャンピオンたちも走っているなかでのチャンピオンですから、世代交代の時期と呼んで差し支えないでしょう。

そして2004年、ついにあの男がチャンピオンを獲得します。現在もダカールラリーやラリークロスなどで活躍している、フランス出身のセバスチャン・ローブです。ローブはここから9年連続でドライバーズチャンピオンを獲得。この記録は今後破られることはないでしょう。とにかく、よく言われる「勝てるドライバーがたくさんいる」時代というのが、まさにこの2000年から2006年までの7年間でした。

ちなみに、元チャンピオンたちが勇退・引退していったのもこの時期です。トヨタとスバルで活躍したユハ・カンクネンは2002年のヒュンダイ、コリン・マクレーは2003年のシトロエン、カルロス・サインツは2005年のシトロエンのシートを最後に、第一線から退いています。

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