WRCサルディニア:エバンス「ポルトガルを振り返れば何が起きても不思議ではない」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:エバンス「ポルトガルを振り返れば何が起きても不思議ではない」イベント前記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCサルディニアのシェイクダウン後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。ドライバーズ選手権首位と2位につけているトヨタのオジエとエバンスは、ダスティなサルディニアでも初日は走行順が早いため砂利掻き役を担うことになる。しかしエバンスは、それでも同様の状況で好リザルトを収めたポルトガルを例に挙げて、粛々と役目を果たすしかないと受け入れているようだ。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者

Hyundai Motorsport GmbH

エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
オィット・タナック=OT(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
ガス・グリーンスミス=GG(Mスポーツ・フォードWRT)
ピエール・ルイ・ルーベ=P-LL(ヒュンダイ2Cコンペティション)

Q:エルフィン、ポルトガルでの優勝が昨日のことのようだが、すぐにサルディニアを迎える。祝う時間もなかったのでは
EE:かなり忙しい一週間だったね。ポルトガルの後はそのままテストに直行して、それから家に戻って荷物を詰め替えて、また出発という感じだった。たしかに忙しかったが、みんなもきっと同じだろう。

Q:サルディニアではここ4年間、ヒュンダイ勢が制圧してきたが、ほかのイベントでは君とオジエがトップ2に入っているので、君たちのリザルト次第と言えるのかもしれない。今回、走行順2番手というのは、タフなイベントになりそうか
EE:ここでは砂利掻きの影響が大きいことは間違いないが、長くタフな週末でもあるので何が起きても不思議ではない。正直言えば、ポルトガルでそのことを目の当たりにしたのだから、とにかく攻め続けて結果を待つしかない。ここは特にマシンとタイヤに厳しいイベントだし、それはドライバーにとっても同じだ。

Q:酷暑でこのグラベルタイヤを使うのは初めて、さらにポルトガルよりもラフだ。テストでのタイヤの様子はどうだったか
EE:ポルトガルでは自分たちも苦しんだ。あまりこのタイヤでの経験がないので様子を見ていかなくてはならない。路面がよりラフなので、タイヤにとってはより厳しくなることは予想できそうだ。特にこの暑さもあるからね。

Q:ラフ度合いという点では、この路面をどう見ているか
EE:いつものサルディニアらしくかなり多彩だが、昨年の10月開催から6月に戻ったことで、かなり違いがある。よりルーズだし、道には湿ったところはほとんどないので、より伝統的な夏のサルディニアに戻ったと言えるかな。ラフ度合いという点では、もちろんとてもスムーズでいいセクションもあるし、どんな点においてもチャレンジングな場所もある。いわゆる、いつものサルディニアだよ。

Q:オィット、ビーチサンダルにショートパンツで、まるで休日を満喫しているかのようだ。この島では、自身初のポディウム、初勝利もマークしている。ヒュンダイ勢としてもここは強いイベントだ。ここで収めてきた好リザルトを振り返れば、自信を感じるのでは
OT:ここで初勝利を飾ったが、その後も僅差で勝利に迫ってきた。もちろんその時は逃したが、今回はもちろん、それがターゲットだ。選手権争いでは少し差をつけられているし、追う立場の時にはポイントをきちんと取り戻すことが重要だ。特に上位の3人がこの顔ぶれだから、彼らよりも上位でフィニッシュしなくてはならない。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:初日は走行順では有利だ。過去の例から見ても、ポルトガルのようにすぐに砂利は掃けないが、理想的な走行順はどのあたりなのだろうか
OT:できるだけ後ろがいいだろうね。砂利が掃ける時間を稼いだ方がいいのかな。どうだろうね。場所によっては路面を修復したところもあるようだし、そういうところではより砂利が掃ける。ほかのところではそれが減る。エルフィンも触れたように、今回は10本のステージを使うがそれぞれ少しずつ性格が違う。だから、みんながそれぞれ違う状況に直面することになるだろう。いずれにしても、全体としてビッグチャレンジになるし、勝つためには金曜日は重要な日になる。

Q:8年ぶりに島の反対側に拠点が戻った。新しいステージもあれば、おなじみのステージを逆走に設定したところもある。このルートについてどう思うか
OT:かなりカラフルだね。ワイドでリズムにのれてスムーズで、とてもいい。ほかの道は大きな石があってすごくナローでツイスティ。だから、いろいろな道が少しずつ盛り込まれている。

Q:ガス、今回はスチュワート・ルードンがコ・ドライバーを務めるが、何があったのか
GG:クリス・パターソンが個人的な理由で今回参戦できなくなった。ポルトガルで突然起きたことなので、自分たちも彼の決断を支持した。もし自分が彼の立場なら、同じことをしただろうからね。ここ2戦、とてもいい感じで調子をつかんできたので残念だが、スチュワートはターマックでは自分のノートクルーを務めてくれているので、いい関係を築いているし、きょうの午前は少し調整も必要なところはあったが、基本的にはうまくいったよ。

M-SPORT

Q:以前にも組んだことがある?
GG:そうだよ。彼は代役のコ・ドライバーとしても適任だけど、才能があるからこそ起用されたんだ。

Q:クリス・パターソンはこの週末、欠かさず常に連絡を取ってくるのだろうね
GG:ものすごくね。ほぼコ・ドライバーがふたりいるような感じだ。前にも言ったことがあるんじゃなかったかな。彼はしょっちゅうメールを送ってくるから、自分がどうすべきか、すべきではないか、常に指摘してくれると思う。

Q:ポルトガルではかなりパフォーマンスが上がったようだ。自信と決意が見えた。クリスのおかげもあるだろうが、マシンを操っているのは君自身だ。自分自身に違いは気づいていたか
GG:大きくステップアップできたのは、クリスがペースノートのアプローチを教えてくれたからだと思う。だから大きく変化したし、スイッチが入ったように見えたのだと思う。でも、テストでもいい前進があった。サルディニアでテストはしたことがなかったので、もちろん今日の午前(シェイクダウン)は、調整しなくてはならないことはあったが、最後の走行は格段にフィーリングがよくなったので、今回もポルトガルのようなパフォーマンスを出したいと思っているよ。

Q:ドライバーにとって、今回、戦略面で鍵となるのはなんだと思うか
GG:自分の左にいる人たちは、ラフであろうと常に全開だ。もちろん、インカットをすべきか否か場所によって計算することはあるだろうけど、基本的にはそれでもハードにプッシュする。でも、もちろんタイヤのことも考慮しなくてはならないからね。

Q:ピエール、ポルトガルで小さなミスがリタイアにつながった件だが、その後の気分はどうか。自信をなくしたか、それとももう気にしていないか
P-LL:もちろん、ポルトガルの後は少し残念に思っていた。シーズンの滑り出しは、自分のミスではなくトラブルで厳しい内容になっていたからね。でも、今回は完全に自分のミスなので、少し残念だったし自信も失いかけた。でも、今は新しいイベントを迎えるので、今回はクリーンな走りをしたいね。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:今回は新しいコ・ドライバーを迎えている。関係を築く時間はあまりなかったが、ここまでのところはどうか
P-LL:問題ないが、彼にとって初めてのWRCなので慣れるまで時間が必要だから、もちろん、最初はかなり苦労すると思う。でも、一緒にいい仕事ができると思っているよ。

Q:サルディニアでは自己ベストリザルトをマークしており、WRC2での優勝も経験している。このイベントにはいい思い出があるのでは
P-LL:そうだね、ここではこれまでいい結果を残しているね。2年前にWRC2で勝った。でも、もちろん、今は状況が少し違うので、経験を活かして自信を取り戻し最高にクリーンな走りができるようにしたい。

記者席からの質問
Q:ホセ・ルイス・アブルー(オートスポーツ・ポルトガル)
ピエール、とても若いが、ドライバーとして、今年のここまでの不運についてメンタル面ではどのように対応するのか
P-LL:マネージメント。このスポーツでは、こうしたことは起こり得ることだ。それにキャリアの間には、苦労する時もある。それでも、だからといって世界の終わりっていうわけではない。自分はここにいられてとてもラッキーだと思っているし、情熱もある。置かれている立場を見れば、不運があっても自分は幸せなのだと思うよ。それに、さっきも言ったようにこれもこのスポーツの一部。フランスでは、こう言うんだ。「雨が止めば、日が差してくる」。だから、そのようになると思っているよ。



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