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9月にランチア・イプシロン・ラリー2HFインテグラーレを正式発表したランチアが、2026年1月のラリーモンテカルロからWRC2部門に参戦することを発表した。
これまでWRCマニュファクチャラーズタイトル10回獲得を誇るイタリアの名門ランチアだが、1992年を最後に世界レベルでの参戦はなかった。しかし、今年初めにラリー4仕様のイプシロンを発表したことで、世界選手権復活への可能性が常にささやかれてきた。8月にはERCチェコラリー・ズリン(ターマック)に、アイルランドのクレイグ・ラーヒルが、ジュニアERC部門でこのモデル初となる国際格式ラリーでの優勝をマーク。その翌月にはラリー2モデルの発表と、順調に国際舞台への復帰の道筋を歩んでいる。
ランチアのCEO、ルカ・ナポリターノは「ランチアは、ラリーの歴史のなかで最も成功を収めたブランド。我々は、約束は必ず果たす。WRC2に参戦する。すっべてのことが再び始まる。その初戦として、1月のモンテカルロは最高の舞台だ」と明確に宣言した。
これまでステランティスとしては、シトロエンC3ラリー2がWRC2部門に参戦してきたが、今後はランチアがその後を受け継ぐことになる見通しで、長年、シトロエンのサポートドライバーとしてC3ラリー2でWRC2を戦ってきたヨアン・ロッセルが、ランチアのプログラムに参加するのではないかと見られている。また、今季のERCでシリーズ3位に入ったイタリアの強豪、アンドレア・マベリーニが2026年はイプシロン・ラリー2HFインテグラーレのドライバーとして起用される可能性も浮上している。
2027年にWRCのトップカテゴリーの技術規定が一新される際には、ラリー2車両はWRC27マシンと競い合うことになる。ただし、性能を均等化するため追加重量を積載することが予想される。現在、ラリー1マシンでマニュファクチャラーズ選手権を戦っているヒョンデは、新しいWRC27規定に準拠した車両を製作するのではなく、ラリー2プログラムへの参入を検討していると見られている。
(Graham Lister)