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WRCセントラルヨーロッパ:ヒョンデのオイット・タナックはモンテカルロ仕様のi20Nラリー1をドライブ

©HYUNDAI

今週開催されるWRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ドイツ、チェコ、オーストリア、ターマック)に、ヒョンデはマニュファクチャラーズ選手権に、ティエリー・ヌービル、アドリアン・フルモーのみエントリーする。昨年のセントラルヨーロッパを制したオィット・タナックは、ドライバーズ選手権に専念。競技規則のアドバンテージを行使して、今年のラリーモンテカルロスペックのヒョンデi20Nラリー1に、新しいエンジンを搭載したマシンで戦う。マニュファクチャラーズ選手権にノミネートしないことで、新エンジンを使用する際も5分のタイムペナルティは与えられない。タナックは、このスペックがターマック路面に最も合っていたと認識しており、ドライバーズ選手権のタイトル争いを集中して戦う環境を整えたことになる。

昨年覇者のタナックは「このイベントはもう何度か参戦したので、どうなるかの予想はつかめてきた」と語る。
「天気の影響を大きく受けるイベントだ。カットできる所も多いので、道が非常にダーティになり得る。先行車が泥を掻き出していくので、走行順が後ろになるとサプライズが増える。ドライビングスタイルも鍵だ。特に雨の後などは、グリップレベルが激変する。ここでは、経験がすごく役立つ。自分たちはまだタイトルの可能性を残しているので、トップのパフォーマンスを披露することが何よりも欠かせない」

2023年のセントラルヨーロッパを制したヌービルとフルモーは、2025年Evoスペックのヒョンデi20Nラリー1にアップグレードを投入。新設計のストラットを使用する。

2023年の優勝に加え、昨年もセントラルヨーロッパでは3位に入っているヌービルは、3年連続でポディウムフィニッシュを狙う。
「セントラルヨーロッパは母国のベルギーともあまり離れていないのでいつも楽しんでいるが、予想のつかないイベントだ。10月開催のため天候や気温が変わりやすいため、特にチャレンジング。ここ2年は大雨に見舞われて、グリップレベルを予想するのが難しかった。ここに、インカットできる場所が多いことも加わり、パンクのリスクも高まる。すべては、リスクと得るもののバランスを取ることに尽きる。理想なのはドライになることで、そうなればコンディションも落ち着く。すべてを分析するためには、レッキが非常に重要になる。セントラルヨーロッパでの連続ポディウムを絶対に続けたいので、最後の最後まで優勝目指してプッシュしていく」

フルモーは、2023年のセントラルヨーロッパでWRC2部門優勝を飾っている。前戦チリではポディウムに上がっており、勢いをターマックラリーにもつなげたいところだ。
「セントラルヨーロッパは、カレンダーのなかでも最もタフな一戦。グリップレベルが低く、三カ国をまたいでステージが設定されるので、一回の週末で何戦もラリーを戦っているような感じもする。チェコのステージはナローでバンピー、マディなインカットもある。ドイツとオーストリアはもっとスムーズで道が広い。対照的なので、グリップや適切なタイヤを選ぶ判断が難しくなる。特に、道には落ち葉もたくさん落ちているだろうからね。ここまでグラベルラリーが7戦続いたので、ターマックに戻るためには、ドライビングスタイルやタイヤ戦略を一変させなくてはならない。このイベントでは、正確性がすべてだ。2023年はWRC2優勝を飾ったが、昨年はタフだった。シーズンも終盤を迎えているので、ハードなプッシュを目指してポディウムを狙う」



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