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2025年シーズン全日本ラリー選手権第5戦「2025 ARK ラリー・カムイ」は、7月6日(日)に 4カ所のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスは奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)に55.8秒差をつけてシーズン初勝利を飾った。1分16秒4差の3位には、勝田範彦/保井隆宏(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)が入った。
ラリー2日目は「SUNFLOWER(16.01km)」と「NEW SUN-RISE(3.65km)」の2本をサービスを挟んでリピートする4SS、39.32km。前日に続き、この日もコンディションはドライとなった。新ステージとして導入されたSS9/SS10「SUNFLOWER」は舗装セクションが多数あり、レッキを終えた多くのクルーが「非常にトリッキーなステージ」と口を揃えている。前日、駆動系のトラブルでデイリタイアしたヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、マシンを修復し、再出走に回った。
オープニングのSS8は、首位の奴田原が勝田に8.2秒、コバライネンに10.7秒差をつける会心のベストタイム。この結果、総合4番手の勝田が、3番手を走行する福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)との差を、一気に0.5秒差にまで縮めている。
SS9はコバライネンが奴田原に3.0秒、勝田に3.1秒差の一番時計。午前中のセクションを終えて首位の奴田原と総合2番手につける鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)との合計タイム差は44.3秒に拡大。また、このステージでは勝田が福永をかわし、表彰台圏内の3番手に順位を戻している。首位から1分34秒8差の総合5番手には新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX VBH)が続く。
ニセコアンヌプリ国際スキー場でのサービスを挟んだ午後のセクション。奴田原はSS10でもコバライネンに5.8秒、勝田に6.1秒差をつけるベストタイム。最終のSS11もベストのコバライネンから4.5秒差のセカンドベストでまとめ、トップでフィニッシュ。シーズン初優勝に加えて、GRヤリス・ラリー2での全日本初勝利を決めた。
2020年の新城ラリー以来となる、全日本ラリー選手権トップカテゴリー制覇を達成した奴田原は「久々に勝つことができて、良かったです。クルマが本当に良く走ってくれました。最終日はあまり無理をせず、マージンを活かしながら丁寧に走ることができましたね。今回、新井大輝選手が早々にリタイアしていますし、彼がいたらまた違った展開になっていたかもしれません」と、冷静に振り返った。
55.8秒差の2位は、第2戦唐津に続く表彰台となった鎌田。「グラベルでのスピードを見せられましたし、まだ伸びしろを感じることができました。今回は2位で上出来だったと思います。今回、次のラリー北海道に向けて、クルマの良い部分と改善点が見つかりました。次に向けてチームと相談しながら、対策を練りたいですね」と、フィニッシュで喜びを語った。
首位から1分16秒4差の3位表彰台は、ポイントリーダーの勝田。1分40秒5差の4位に福永、1分55秒1差の5位に新井敏弘が入っている。