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全日本ラリー飛鳥:初日、全ステージを制した新井大輝がコバライネンに大差をつけてトップ

©Jun Uruno

2025年シーズン全日本ラリー選手権第3戦「YUHO Rally 飛鳥 supported by トヨタユナイテッド奈良」の初日は、5月17日(土)に6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)が、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)に39.2秒差をつけて初日トップに立った。1分9秒差の3番手には勝田範彦/保井隆宏(トヨタGRヤリス・ラリー2)がつけている。

昨シーズンまでのラリー丹後に代わるかたちでカレンダーに加わったのは、奈良県天理市を拠点とするラリー飛鳥。奈良県で全日本ラリー選手権が開催されるのは「1993 ASUKA RALLY」以来32年ぶりとなる。ステージは奈良県中部、奈良盆地の南端エリアを中心に設定され、初日は「Imotouge(5.86km)」、「Takai Memorial(7.18km)」、「Ohmine Pass(9.45km)」の3ステージを午前と午後でリピートする6SS、44.98kmが設定された。

レッキを終えた勝田範彦は「ツイスティですが、ショートコーナーが多いので、スピードが乗るような気がしています。ステージ中にクランクを含めた小さな橋がたくさんあるなど、他に似ていない独特なキャラクターを持っています。かなり難易度が高いです」と、初走行する奈良のステージを警戒する。

5月16日(金)に天理市の市役所でセレモニアルスタートで実施。翌17日から本格的なステージが幕を上げた。初日は予報どおり朝から降雨があり、コンディションはウエット。SS1で幸先よく一番時計を刻んだのは、新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)。ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)に4.1秒、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)に4.2秒、勝田範彦/保井隆宏(トヨタ・GRヤリス・ラリー2)に6.3秒差をつけてみせる。

新井大輝は続くSS2でもコバライネンに14.3秒差、さらにSS3でもコバライネンに9.1秒差をつけ、会心の連続ベストタイムをマークする。新井大輝は午前中のセクションを終えて、総合2番手のコバライネンに27.5秒ものアドバンテージを手にした。

38.1秒差の総合3番手に奴田原、45.2秒差の総合4番手に勝田。SS1のスタートから3km地点で壁にマシンをヒットし、左前のステアリングアームを曲げてしまった鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)は、1分31秒3差の総合5番手に後退している。

1分35秒6差の総合6番手に新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX VBH)。SS2のスタートから500m地点で右リヤをヒットした福永修/斉田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、首位から1分55秒1差の7番手と上位争いから大きく引き離されている。

サービスを挟んだ午後のセクション、依然としてコンディションはウエットのまま。「午前中でタイム差を確保できたので、危ない箇所はマージンを取った」と語りながらも、新井大輝はSS4、SS5、SS6と3連続ベストをたたき出した。終わってみればすべてのSSを制して、総合2番手につけるコバライネンとの差を39.2秒差に広げて、初日を終えた。

「結果的にベストタイムが揃っただけで、狙っていたわけではありません。久しぶりにちゃんと走れた気がしますね(笑)。路面コンディションは午前中にインカットされたことで、少し滑りやすくなっていました。それでも、総じて乾き始めていたので、グリップは高くなっていましたね」と、新井大輝は落ち着いた様子で振り返った。

「GRヤリス・ラリー2ではまだ自信を持って攻めることができてない」と語るコバライネンは、大きなミスやトラブルはなかったものの、新井大輝の先行を許すことになった。

「ステージが少しドライアップしたことで、グリップレベルは少し上がったけど、まだ苦戦しているよ。まだクルマに関しては完璧な状況にはない。残念な1日だったけど、仕方がない。明日はラリーを完走することだけを考えて走るよ」と、コバライネンは肩を落とした。

勝田はSS5で奴田原をかわし、総合3番手に浮上。首位から1分9秒差につける勝田だが、奴田原との差は7.7秒、最終日も熾烈な表彰台争いが繰り広げられることになりそうだ。2分41秒差の総合4番手は、サービスで足まわりを修復した鎌田。SS5まで総合6番手につけていた新井敏弘は、SS6のスタート前にエンジントラブルによりストップ。これにより、2分53秒差の総合6番手に福永が浮上している。



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