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【動画】シュコダ・オクタビアWRCがソスノバ・クラシックラリーショーで走りを披露

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シュコダ・モータースポーツは、5月13日〜14日にチェコで開催されたソスノバ・クラシックラリーショーでエミル・リンドホルムが走行を披露したシュコダ・オクタビアWRCのストーリーを公開した。1999年にWRCデビューを果たしたオクタビアWRCは、のべ27台が製造された。一方、リンドホルムは、2022年のWRC2タイトルをシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで獲得し、今季前半は最新型ファビアRSラリー2でWRC2を戦ってきている。シュコダ・モータースポーツのラリー活動の血統でつながれたWRカーをドライブする機会に恵まれたリンドホルムは、その興奮の模様を動画で伝えている。

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オクタビアWRC:パワーを秘めた楽しくてたまらないパッケージ

最も有名なオクタビアWRCが戻ってきた! 今年のソスノバ・クラシックラリーショーでは、ファンたちが、2002年のラリーモンテカルロでクラッシュしたことで有名になったマシンが走る姿を再び目にすることができたのだ。20年以上経ったWRCカーのステアリングを握るのは、どれほど格別なものなのか。その模様は動画を観ていただきたい。

1990年代シュコダ・モータースポーツは、世界のラリーシーンで、下位クラスのカテゴリーで成功を収めていた。まずフェイバリット、その後にフェリシア・キットカー。そしてついに、新たに創設されたWRカーカテゴリーでベストのチームを作り上げようと決断する。しかしながら、それはシュコダ・モータースポーツがそれまでに経験したことのない、まったく新しい全輪駆動の特別なマシンを作り上げるということでもあった。それまでの経験で唯一、開発に活用できたのは、前輪駆動のオクタビア・キットカー。あとは、まったく未知の世界だった。チームはそのチャレンジを乗り越え、1999年、シュコダ・オクタビアWRCをラリーモンテカルロにスタートさせる。その競技でのパフォーマンスについては多く語られてきたが、ここではこのマシンがどのように動かされてきたのかに注目してみよう。

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パワフルな2リットル

このオクタビアのボンネットの下には、当時の一般的なパワーユニットであるターボチャージャー付き2リッターガソリンエンジンが搭載され、221kW/3,250rpmを発生した。後期型では、トルクは600Nmに達している。現在での見方でも、非常にパワフルなエンジンだ。現在のシュコダ・ファビアRSラリー2のエンジンと比較すると、主な違いは低回転でのトルクがより増しているが、レスポンス、特にターボチャージャーのブースト圧の立ち上がりは、現在の方が格段に良くなっている。この点は、量産車でも似ている。初代シュコダ・オクタビアRSも、ターボ効率は現行モデルよりかなり高い。

しかし、ターボ効率がより顕著になっているにもかかわらず、エンジンパワーはうまくコントロールされ、制御されている。ちなみに、オクタビアのターボチャージャーはギャレット社製の特注品で、交換するのは非常に高価なものだ。言うまでもなく、供給量は容赦なく減少している。この点においては、カスタマー向けのファビアRSラリー2の方が、エンジンのターボチャージャーが純正ターボチャージャーで処理されているため、より親切だ。

アクティブデファレンシャル

動画のEvo2バージョンは、全輪駆動システムにふたつのアクティブ油圧制御デファレンシャルを備えている。リヤには従来の機械式セルフロックシステムがあった。ドライバーは、ステアリングホイールの左にあるコントロールパネルでアクティブ・デファレンシャル・マップを切り替えることができた。当時の油圧装置は最速ではなかったため、このマシンをソスノバのターマックで走らせるためには独特なドライビングスタイルが求められ、コーナー進入時の大きなアンダーステアに対応するためにアクセルペダルを勢いよく踏み込まなくてはならなかった。そうすると、すべてのデファレンシャルが締まり、オクタビアは美しくスムーズでタイトなオーバーステアを披露するのだった。ドライバーにしてみれば、このアンダーステアとオーバーステアの境界線はコントロールしやすく、どのラップでも正確にコーナーのエイペックスを攻め、出口で横滑りをしながらソスノバ・サーキットのアウト側エッジを辿っていく。オクタビアは、現代のクルマほど落ち着きがあって正確なわけではないが、その大らかなスタイルはラリードライバーの心をつかんだことだろう。

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動きの大きさも邪魔にならない

大きな違いはショックアブソーバーだ。ショックとその長さのおかげで、オクタビアは縦方向にも横方向にもかなり大きな動きを見せる。しかし驚くべきことに、ブレーキング時にクルマが沈むことで、ドライバーはタイヤのグリップレベル、特にブレーキング時のグリップレベルを把握しやすくなる。事実、ショックアブソーバーの改良が進んだ現行世代のラリー専用ものよりも、クルマのグリップは少し読みやすい。このオクタビアは、現在のスタンダートからすれば、非常に長いクルマ。そのため、オーバーステア的な性格を持つ一方で、高速走行時の安定性を備えており、多くのドライバーを競技キャリアの中で楽しませてきた。しかし、サイズが大きいからといって重いわけではなく、オクタビアはWRCの規定カテゴリー制限である1230kgに簡単に収まった。ブレーキの性能と反応性は現代のクルマとまったく遜色なく、古さはまったく目立たない。

歴史への敬意

オクタビアWRCをドライブすることは、ファビアRSラリー2のドライバーにとって素晴らしい経験だ。WRカーエンジンが信じられないほどのパワーを発生するにも関わらず、総合で最も速いのは、WRC2カテゴリーのファビアだ。ステアリングを握れば、20年以上前のWRカーに乗るよりも、その走りはより速く正確だ。それでも、オクタビアはドライブするのが素晴らしいマシンだ。ワイルドで衝動的で、修正もしなくてはならない。すべてをつかむのに時間はかかるが、最後の100分の1秒まで、唇に笑みを浮かべて楽しむことができる。しかし、サーキットで楽しむためのドライビングと、SSを全開スピードで駆け抜けることとはまったく違う。オクタビアWRCでそれを経験した人たちは、尊敬に値する。

ソスノバ・クラシック2023でオクタビアWRCの走行を楽しんだエミル・リンドホルム
https://youtu.be/0OxX4LtdiZM



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