ヒョンデが若手育成プログラムを再開、テーム・スニネンをラリー1ドライバーに起用、エミル・リンドホルムはヒョンデからWRC2部門参戦 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ヒョンデが若手育成プログラムを再開、テーム・スニネンをラリー1ドライバーに起用、エミル・リンドホルムはヒョンデからWRC2部門参戦

©HYUNDAI

ヒョンデ・モータースポーツは、ヒョンデ・モータースポーツ・ドライバー育成プログラム(Hyundai Motorsport Driver development Programme =HMDP)を改めて立ち上げ、WRCの参戦活動と若手育成のコミットメントを強化することを発表。4月に急逝したクレイグ・ブリーンの後継として、テーム・スニネンをヒョンデi20N ラリー1ハイブリッドのドライバーに起用する。スニネンは、ダニ・ソルドとサードカーをシェアしての参戦となり、エストニア、フィンランドの参戦が発表されている。また、2022年WRC2チャンピオンで今季はこれまでシュコダ・ファビアRSラリー2で参戦してきたエミル・リンドホルムを抜擢。ヒョンデi20Nラリー2でWRC2部門を戦う。

2017年に初めて立ち上げられたHMDPは、ヒョンデ・モータースポーツの未来を築くことを目的に、若手ドライバーを招集し、次世代のラリー1ドライバー候補となるためにスキルを身に付けることに専念してトレーニングする環境を提供する。

スニネンは今後、ラリー1マシンでの参戦のほか、ラリー1、ラリー2マシンの開発テストに参加するほか、イベント前テストにも参加する。なお、ソルドの今季の参戦プランに変更はないとしており、スニネンのフィンランド以降のWRC参戦予定については、後日発表されるという。

HMDPは、現状のカスタマーレーシング部門のWRC2プログラムとi20Nラリー2をさらに発展させ、ヒョンデ・モータースポーツ内での重要性を高めていくことも発表。リンドホルムは、まずは第8戦ラリーエストニア(7月20〜23日、グラベル)にi20Nラリー2で参戦し、その後のプランは後日発表される。これまでi20Nラリー2で参戦してきたファブリツィオ・ザルディバールは、予定通りWRC2部門の参戦を継続する。

ヒョンデ・モータースポーツは、2023年シーズンの間にプログラムに参加するドライバーのラインナップを拡大するためにカテゴリーの注視を続け、2024年には次世代のWRCドライバーで未来をさらに発展させることを目指すとしている。

ヒョンデ・モータースポーツのシーン・キム社長は「HMDPを改めて立ち上げることをうれしく思う。チームにはティエリー・ヌービル、エサペッカ・ラッピ、ダニ・ソルドという経験豊富なドライバーが在籍しているが、今後は若手世代の高いポテンシャルを支える方向にも視野を向ける」と語る。
「このプログラムで若手を支えることは、情熱的なラリーファンのひとりとして後進の育成に力を注いできたクレイグ・ブリーンの功績を称えるとともに、WRCに対する我々のコミットメントを強く示すもの。ヒョンデのようなマニュファクチャラーにとって、このように若手ドライバーを支えることは、将来、世界チャンピオンに成長するための次のステップに進む機会を与えるためにも重要なことだ」

ヒョンデ・モータースポーツのチーム代表、シリル・アビテブールは「HMDPは、隙間を埋めるのではなく、ヒョンデが若いドライバーの中から様々な選択肢を確保するための戦略的プラットフォーム。すでにテームやエミルのように今後が楽しみな才能が揃っている。プログラムをさらに充実させるために、彼らの成長をサポートすることを楽しみにしている」とコメントしている。

カスタマーレーシング部門のマネージャー、アンドレア・シソッティは「HMDPは、ヒョンデ・モータースポーツが若い才能を育てるための方法のひとつ。このプログラムにより、ヒョンデ・モータースポーツのカスタマーレーシングの製品と潜在顧客に向けての魅力的な能力がさらに強化され、若い才能を育てるためのベンチマークとなることを目指す」と語る。
「また、この展開によりヒョンデi20 Nラリー2の開発を継続することが可能となり、このカテゴリーでトップメーカーになるという我々の野心をさらに高めることができるなど、相互にメリットが生まれる」

WRCのトップカテゴリーマシンの復帰が決まったスニネンは「またトップのマシンに乗る素晴らしい機会。ずっと乗りたかった」と語る。
「エストニアとフィンランドは、これまで自分が得意としてきたラリーだが、限られたテストの中でラリー1マシンとハイブリッドシステムを習得するのはビッグチャレンジ。どちらのラリーもスプリントラリーとして知られ、110%の自信が必要だし、いいリザルトを収めるためには最初のコーナーから全開でプッシュしなくてはならないので自分の忍耐力が問われることになるが、自分たちのアプローチを示すには時間をかけるしかない。自分の目標は、一歩一歩マシンを学び、少しずつペースを上げながらチームのために高ポイントを持ち帰ることだ」

長くドライブしてきたシュコダからヒョンデへの電撃スイッチとなったリンドホルムは「世界で最も実績があり、成功しているラリーチームの一員となる機会を与えられたことに、とてもワクワクしている」と語る。
「ヒョンデ・モータースポーツに加入することに決めたのは、ラリーでの実績と、特に若い才能を育てるというこのブランドのコミットメントが大きいから。このチームのラリーへの明確な献身は、自分自身の情熱や野心と完全に一致している。このチームでの自分の冒険のスタートとして、ラリーエストニアは完璧な舞台だと思う。自分にもチームにも相性のいいイベントなので、自分にとっての自信にもつながる。今シーズン、何度もWRC2の表彰台に上がるチャンスがあると、強く信じているよ」



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