WRCポルトガル:波乱の競技初日を終えてトヨタのカッレ・ロバンペラがトップ、勝田はマシントラブルからリタイア – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCポルトガル:波乱の競技初日を終えてトヨタのカッレ・ロバンペラがトップ、勝田はマシントラブルからリタイア

©Toyota Gazoo Racing WRT

2023年シーズンWRC第5戦ラリーポルトガルは、5月12日(金)に初日の8SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位。10.8秒差の2番手にはダニ・ソルド、26.0秒差の3番手にはティエリー・ヌービルと、ヒョンデのふたりがつけた。トヨタの勝田貴元はSS2フィニッシュ後にオルタネーターのトラブルからデイリタイアを決めている。

金曜日のルートは、サービスが置かれたポルト南部の「Lousa(12.03km)」「Gois(19.33km)」「Arganil(18.72 km)」の3SSをループし、風光明媚な「Mortagua(18.15 km)」と、新たに設けられたフィゲイラ・ダ・フォスの市街地ステージ「SSS Figueira da Foz(2.94km)を走行する8SS、121.25km。ポルトでの中間サービスは行われず、SS3後にタイヤフィッティングゾーンが設定されるのみ。長い1日、マシンにダメージを与えず走り切ることが求められる。

Hyundai Motorsport GmbH

SS1、ルーズグラベルが乗った路面にスタート順の早いクルーが苦しむなか、ベストタイムをマークしたのは8番手スタートのピエール・ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)。0.3秒差の2番手にはこちらもスタート順に恵まれたダニ・ソルド(ヒョンデ)がつけた。その後方、2.3秒差の3番手にオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)、2.6秒差の4番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタ)、3.4秒差の5番手に勝田貴元(トヨタ)のオーダーで続いた。トップ出走のエルフィン・エバンスはベストから7.9秒も遅れており、「グリップレベルがかなり低くて、本当に難しかった」と肩をすくめている。

SS2は「リズムに乗り切れていない」とこぼしながらもタナックが制し、ルーベとソルドをかわしてトップに立つ。7.5秒差の5番手タイムに終わったルーベは、ソルドにも抜かれ、総合3番手にポジションダウン。このステージ、3番手タイムで走り切った勝田だったが、SS1からオルタネーターのトラブルが発生しており、SS3を前にデイリタイアを余儀なくされている。「SS1から不調をきたしていましたが、SS3のスタート前にストップしました。 言葉になりません……」と、勝田は肩を落とした。

TOYOTA

SS3は、セットアップを変更して走行に臨んだロバンペラが、タナックに2.8秒差のベスト。ロバンペラはソルドをかわし、首位のタナックから3.0秒差の2番手に順位を上げた。午前中のセクションを終えて、3.6秒差の総合3番手にソルド、14.6秒差の総合4番手にヒョンデのティエリー・ヌービル、18.0秒差の総合5番手にエバンスのオーダーだ。総合3番手につけていたルーベはマシントラブルからペースを落としており、6番手にポジションを下げている。

10分間のタイヤフィッティングゾーンを挟んだ午後のセクション。SS4では首位のタナックがパンクを喫して、50秒以上のタイムロス。これでタナックは総合7番手にドロップしてしまう。このステージのベストはエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)。3.0秒差の2番手タイムを刻んだソルドが、ロバンペラをパスして首位に立った。先頭スタートのエバンスはリピートステージながらも、依然としてルーズグラベルに苦しめられ、ラッピにかわされて総合6番手に順位を落としている。

SS5はロバンペラがヌービルに0.4秒差のベストタイムを記録。タイヤへのダメージを警戒してペースを抑えたソルドを抜いて、0.8秒差ながらも首位に立った。1回目の走行を経てさらに荒れたコンディションとなったSS6でも、ロバンペラがソルドに2.1秒差の連続ベスト。首位ロバンペラと2番手ソルドの差は2.9秒に広がった。17.7秒差の総合3番手にヌービル、20.2秒差の総合4番手にルーベ、28.3秒差の総合5番手にラッピ。エバンスは46.6秒差の6番手、交換するタイヤが残っていないためペースを抑えて走るタナックは1分03秒2差と、上位争いから完全に脱落してしまった。

1回のみの走行となる18.15kmのSS7「Mortagua」、3番手につけていたエバンスがスタートから13.8km地点でコースオフ。マシンのダメージが大きく、その時点でリタイアを決めた。ロバンペラに0.4秒差のベストタイムを記録したラッピは総合5番手から、3番手へと順位を上げた。この日を締めくくるのはフィゲイラ・ダ・フォスの街中を走るSS8は、ソルドがヌービルとタナックに0.7秒差のベスト。ソルドは首位ロバンペラとの差を10.8秒に縮めて、初日を終えた。

荒れた展開の中、トヨタ勢で唯一生き残った首位ロバンペラは「出走順2番手から首位で初日を終えられたのは素晴らしいよ。石が転がっていたり荒れているところかなりあったけど、クレバーなドライビングをすることができた」と、笑顔を見せている。

総合2番手にソルド、首位から26.0秒差の3番手にヌービルとヒョンデのふたり。最終SSでヌービルにパスされたものの、26.9秒差の4番手にルーベ、27.3秒差の5番手にラッピが続く。3番手から5番手は1.3秒内にひしめいており、2日目以降も激しいバトルが展開されそうだ。この日パンクに見舞われたタナックは、1分04秒7差の6番手でタフな1日を走り切っている。

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競技2日目はSS9〜SS15の8SS、SS走行距離は148.68km。オープニングのSS9は、日本時間5月13日の15時35分にスタートする。

WRCポルトガル SS8後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) 1:22:27.7
2. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +10.8
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +26.0
4. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +26.9
5. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +27.3
6. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:04.7
7. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:48.2
8. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:38.4
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +4:48.4
10. A.ミケルセン(シトロエンC3ラリー2) +5:29.3



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