WRCクロアチア:勝田貴元、難関ターマックを6位でフィニッシュ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCクロアチア:勝田貴元、難関ターマックを6位でフィニッシュ

©Toyota Gazoo Racing WRT

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、4月20日(木)から23日(日)にかけてクロアチアの首都ザグレブを拠点に開催された2023年WRC第4戦クロアチアラリーに、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンとともにトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで参戦。シーズン屈指の難関ターマックラリーを総合6位でフィニッシュした。

(以下チームリリース)


勝田貴元、難関クロアチアを総合6位でフィニッシュ

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、4月21日(金)から23日(日)にかけて、クロアチアの首都ザグレブを中心に開催された2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦「クロアチア・ラリー」に、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンと共にGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場。路面コンディションが頻繁に変わる難関ターマック(舗装路)ラリーを、総合6位で走り切りました。

クロアチア・ラリーは2021年に初めてWRCとして開催され、今回で3年目となります。ザグレブの周辺に展開するステージは、舗装のコンディションが頻繁に、そして大きく変わることで知られ、それに伴いグリップも大幅に変化します。また、最短距離でコーナーを抜けるために路肩の未舗装部分を通過する「インカット走行」により、多くの泥や砂利が舗装路に掻き出され、出走順が後方のドライバーたちにとっては非常に滑りやすく、難易度の高いラリーです。雨に見舞われた昨年の大会と比べると、今年は比較的コンディションが安定していましたが、それでも依然路面の変化を読むことは難しく、多くのドライバーがトリッキーな路面に手を焼きました。

勝田は競技初日の金曜日の朝から順調に走行し、他の選手たちがパンクやホイールのダメージで大きな遅れをとる中、総合5位まで順位を上げました。午後の最初のステージではスピンを喫してタイムを失い、続くSS6では濡れた路面でのタイム向上を狙って選んだレインタイヤが裏目に出る形となり、総合7位に順位を下げました。しかし、一日の最後のSS8では4番手タイムを記録し、総合6位まで順位を挽回しました。

Toyota Gazoo Racing WRT

競技2日目の土曜日、デイ2で勝田はTGR-WRTのセバスチャン・オジエ、カッレ・ロバンペラという、過去2大会で優勝経験のあるチームメイトの世界王者を含む3人のライバルと総合4位争いを展開。難しいコンディションのステージで5、6番手タイムを何度も記録するなど健闘しましたが、チームメイトふたりには先行を許し、順位は変わらず総合6位のまま。最終日のデイ3は、ボーナスの選手権ポイントがかかる「パワーステージ」に狙いを定めて臨み、まずは3ステージのうち2ステージで4番手タイムを記録しました。そして、最後のパワーステージも4番手タイムで走破し、ボーナスの2ポイント獲得に成功。総合では、3年連続となる6位で難関ターマックラリーを戦い抜きました。

勝田貴元:苦しんだ2戦の後に、大きなミスなくクリーンな走りでこのラリーを終えることができて良かったです。過去2年間出場して、とても厳しく、難しいコンディションのラリーであることは分かっていました。今年は、天気は悪くなかったのですが、それでもどこでプッシュすればいいのか、グリップレベルを把握することが難しく、またダーティなセクションで自信を持つことも難しかったです。日曜日のステージは最もトリッキーでしたが、クルマのセットアップが上手くいったのでフィーリングはかなり良くなりました。クロアチアはこれで3年連続で6位となり、難しいラリーであることを考えれば決して悪い結果ではありませんが、もちろん、もっと改善していい結果を出したいと思っています。次のラリー・ポルトガルを楽しみにしています。

Toyota Gazoo Racing WRT

ユホ・ハンニネン(TGR WRCチャレンジプログラム・インストラクター):貴元にとっては非常に難しいシーズンのスタートでしたが、クロアチアでポジティブな結果を出すことができて良かったです。昨年はこのラリーで自信を持つことができませんでしたが、その時と比べるとトップドライバーたちとのタイム差はかなり縮まっているので、それは良いことです。ただし、グリップの変化が多いこのようなラリーでもっと自信を持って戦えるように、さらに努力する必要があります。それでも、ラリーを走り切り、パワーステージでボーナスの2ポイントを獲得できたことは、これまで貴元が常に自信を持って戦うことができている次のポルトガルに向けて、いい追い風になったと思います。

クロアチア・ラリーの結果:
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h50m54.3s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +27.0s
3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +58.6s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m18.3s
5 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m28.0s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m22.5s

■次回のイベント情報
勝田の次戦は、5月11日から14日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される、第5戦「ラリー・ポルトガル」です。今シーズン2回目のグラベル(未舗装路)ラリーとなるポルトガルは、勝田が得意としているラリーのひとつ。2021年、2022年と2年連続で総合4位に入り、2022年は経験豊かなベテランのダニ・ソルドと最後まで激しい表彰台争いを展開しました。



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