WRCスウェーデン:SS1を終えてロバンペラがベストタイムで首位に立つ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:SS1を終えてロバンペラがベストタイムで首位に立つ

©TOYOTA

2月9日(木)、2023年WRC第2戦のスウェーデンが開幕。シェイクダウンに続いてナイトステージのSS1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンがベストタイムをマークし、首位でラリーをスタートした。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合3番手、今回ワークスドライバーとしてマニュファクチャラーズ選手権のノミネートを受けた勝田貴元/アーロン・ジョンストンが総合6番手につけている。

(以下チームリリース)


WRC2023年シーズンの第2戦は、森林地帯の積雪路が舞台となるラリー・スウェーデン。シリーズ唯一のフルスノーイベントであり、昨年大会からホストタウンをウーメオーに移して再出発しました。首都ストックホルムの北約600kmに位置するウーメオーは、スウェーデン北部最大の都市であり、例年多くの積雪があることで知られています。今年のラリーウイークは例年よりもやや気温が高く、まとまった降雪もありませんが、ステージとなる森林地帯の道は氷と雪に覆われ、路肩には高さ50cm前後の雪壁(スノーバンク)もあるなど、スノーラリーを行なう上で理想的なコンディションとなりました。

9日(木)はまず午前中にシェイクダウンが行われ、全長5.45kmのステージで、昨年のこのラリーの勝者であるロバンペラが1番手タイムを記録。今回、初めてチームのマニュファクチャラーズポイント獲得対象ドライバーに選ばれた勝田が3番手タイムを、エバンスが4番手タイムを記録しました。その後、ウーメオーのサービスパークの北側に設けられた特設ステージで、夜7時過ぎから競技がスタート。全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント1」で、世界王者であるロバンペラがベストタイムを刻み、首位でラリーをスタートしました。また、エバンスは3.1秒差の総合3位で、勝田は5.6秒差の総合6位で初日を走破しました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリー・スウェーデンはいつだって素晴らしいイベントですし、今晩最初のステージを見に集まった多くの観客の姿を目にして、とても嬉しかったです。カッレは本当に自信を持って走っているように見えましたし、エルフィンと貴元も良い走りをしていたので、チームとして良いスタートが切れたと思います。クルマも雪の上で調子が良さそうなので、この週末に向けてとても満足のいくスタートになりました。今日は気温が少し高かったですが、これからマイナス状態になるので、ラリーにとっては良い気候になりそうです。明日の最初のステージは、レッキの時点で既に轍(わだち)が刻まれていたので、2回目に走行する際は少し難しくなりそうですが、全体的には、早い出走順からスタートするのは悪いことではないように思います。

カッレ・ロバンペラ
ラリーが始まり、スウェーデンのファンの皆さんがラリーを見に来てくれたことを嬉しく思います。また、ここはフィンランドからも非常に近く、フィンランドからも多くのファンの皆さんが来てくれたのも素晴らしいことです。今晩の最初のステージはとてもテクニカルで、差が出やすいステージでした。自分としてはとにかくクリーンに、しっかりと走ることだけを心がけていたので、それほど速かった感じはしませんでしたが、結果的に良いタイムが出ました。ステージのコンディションは、明日一番手で走行する自分たちにとっては昨年よりも少し難しくなっているように思います。路面が柔らかくなっているので、シェイクダウンの最初の走行時と同じように、自分の後から走る選手たちの方が速く走れると思います。また、同じステージを2回目に走る時もきっと大変だと思いますが、ベストを尽くして走ります。

エルフィン・エバンス

TOYOTA


今晩の最初のステージは、ラリーのスタートを飾るものとしてはなかなか良かったと思いますが、私たちはベストな走りができませんでした。路面のグリップを読むのが難しく、スタート直後のジャンクションでやや慎重になってしまいました。事前にテストを行なって臨んでもなお、ここスウェーデンの道はコンディションが独特で、カルチャーショックを受けました。シェイクダウンのステージのコンディションは、テストの時と大きく異なり、そのため最初は少し遅れてしまいましたが、その後改善点を見つけることができました。今回は新しいステージが多いため、ペースノートを新たに作らなければならないところが多く、非常にハイスピードなステージも多いので大変ですが、全力を尽くして頑張ります。

勝田 貴元

TOYOTA


今晩のような暗いステージでラリーをスタートするのはいつも大変で、少し慎重になってしまいましたが、本当のステージが始まる明日からが本番です。氷と雪に覆われた道に戻ってくることができて嬉しいですし、シェイクダウンではクルマのフィーリングも非常に良かったです。ただし、路面のコンディションは走るたびに悪くなっていったので、明日からのステージを2回目に走る時に、路面がどうなっているのか気になります。深い轍が刻まれ、グラベルも多く出ると思うので、注意しなくてはなりません。それでも、ここまでのところ自信はありますし、今晩はいいスタートが切れたと思います。

ラリー・スウェーデン デイ1の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3m23.3s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +1.6s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.1s
4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3.9s
5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5.0s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.6s
7 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +6.7s
8 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +10.8s
9 ヤリ・フットゥネン/アンティ・リンナケト (シュコダ Fabia R5) +11.4s
10 オーレ・クリスチャン・ベイビー/トシュテン・エリクソン (フォルクスワーゲン Polo GTI R5) +12.3s

明日のステージ情報
競技2日目となる2月10日(金)のデイ2は、いよいよ森林地帯での本格的な戦いがスタート。ウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。そのうち、最も北側に展開するSS4/7「ボッツマーク」は、今年新たに設けられた全長25.81kmのロングステージで、2回目のSS7は日没後の走行となります。そして、一日の最後にはSS1の再走ステージがSS8として行われます。SSは全部で7本となり、その合計距離は106.76km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は488.90kmとなります。



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