【速報】WRCジャパン:勝田貴元、母国で3位表彰台獲得。ティエリー・ヌービルが歓喜のシーズン2勝目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【速報】WRCジャパン:勝田貴元、母国で3位表彰台獲得。ティエリー・ヌービルが歓喜のシーズン2勝目

©TOYOTA

2022年シーズンWRC第13戦ラリージャパンは、11月13日(日)にすべての競技走行を終えて、ヒョンデのティエリー・ヌービルがシーズン2勝目を飾った。1分11.1差の2位はチームメイトのオィット・タナックが入り、ヒョンデが1-2フィニッシュを決めた。トヨタの勝田貴元が母国開催イベントで、見事3位表彰台に輝いている。

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競技4日目は、ラリー拠点の豊田スタジアム北東の恵那・中津川エリアの5SSを、サービスを挟まず一気に駆け抜ける69.82km。距離は70㎞弱と短いが、ツイスティで逃げ場がなく、「グリップが頻繁に変わり、ひとつミスをすれば命取り」と、多くのクルーが警戒する。事前の予報では雨となっていた日曜日だが、ラリーカーがサービスをスタートした段階では曇り。ただ、最新の予報では午後から雨となっており、最終のパワーステージは今回のラリー初となるウエットコンディションで行われる可能性が高い。

首位のヌービルと、総合2番手につけるエルフィン・エバンス(トヨタ)の差はわずか4.0秒。総合3番手のタナックは39.9秒も離れており、優勝争いはヌービルとエバンスに絞られたと言ってもいい。地元イベントで表彰台を狙う勝田貴元(トヨタ)は、タナックに24.6秒差の総合4番手。パンクやミスがあれば、逆転が可能なポジションに付けている。

タイヤ選択はヌービルとタナックがハード2本/ソフト2本/ウエット2本。エバンスはハードとソフトを3本ずつ。勝田はハード3本/ソフト2本/ウェット1本でサービスを出た。ヒョンデは雨の可能性を考慮、エバンスはドライで乗り切れると判断したかたちだ。

オープニングは7.52㎞のSS15「Asahi Kougen 1」。午後に最終のパワーステージ(SS19)にも設定されているこのSSは、一部にダンプが存在するが、日差しもあり、コンディションはドライとなった。ここではエバンスがヌービルに3.4秒差のベストタイムをたたき出し、0.6秒差にまで一気に詰めてきた。アドバンテージを失ったヌービルだが「リヤに2本のソフトを履いているし、これからのステージでタイムが落ちることは分かっている。午後には雨が降るとチームから聞いているし、ウエットタイヤでもっと速く走れるはず」と、想定どおりと冷静にコメント。

SS16はこの日最長、岐阜県をルートとする21.59㎞の「Ena City 1」。エバンスがスタートから9.9㎞の右コーナーでワイドに膨らみ、左リヤタイヤをパンク。ステージ中での交換を余儀なくされ、1分30秒以上をロスし、総合4番手に順位を下げた。「右コーナーでちょっとワイドになった。どうすることもできなかった……」と、エバンスはがっくりと肩を落とす。このステージでベストをマークしたヌービルはチームメイトのタナックを1分2秒1差に従え、労せずしてセーフティリードを手にした。勝田はトヨタ勢最上となる総合3番手に順位を上げている。

SS17は1回のみの走行となる11.60㎞の「Nenoue Plateau」。ヒョンデのふたりがペースを落とす一方、オジエがこの日2度目のベストをマーク。4.6秒差の2番手にエバンス、5.0秒差の3番手に勝田とトヨタの3台がトップ3を占めた。

M-SPORT


SS16の再走となるSS18では予報どおりに雨が降り始め、コンディションはフルウエットに。前回の走行により落ち葉やグラベルが掻き出されており、非常に滑りやすい状況だ。唯一ウエットタイヤ4本を履いてスタートしたブリーンが「パワーステージに向けて最高のコンディションになった」と、ベストタイム。2番手タイムのオジエは、ウエットタイヤを持たないエバンスを捕らえて、総合4番手に順位を上げた。

パワーステージを前に首位のヌービルは、総合2番手のタナックに50.7秒、総合3番手の勝田は1分43.9秒も離れており、大勢は決まったか。最終のSS19は、WRC2を走るマウロ・ミーレ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)からスタート。4番目に走ったエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が3位に入り、WRC2チャンピオンの座を決めた。また、グレゴワール・ミュンステール(ヒョンデi20 Nラリー2)が、WRC2初勝利を手にしている。

ラリー1勢はウエット4本を持つブリーンが最初にコースへと飛び出し、5分20秒5を記録。後続のドライバーがこのタイムを上まわることなく、ボーナスポイント5点を獲得した。ラリー1勢最後に登場したヌービルはSS4番手タイムでまとめ、シーズン2勝目。フィニッシュ後、コ・ドライバーのマルティン・ウィダグとともにマシンへと駆け上がり、高々と拳を築き上げた。ヒョンデはチームを去るタナックが2位に入り、表彰台を独占したアクロポリス以来の1-2フィニッシュを決めた。

TOYOTA


勝田は大きくペースを落としながらも、最後まで走り切って3位表彰台。プレッシャーのかかるホームイベントで、トヨタ勢最上位に入ってみせた。以下、4位にオジエ、5位にエバンスと、パンクで順位を落としたトヨタのふたりが入っている。なお、WRC2に参戦していたヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)は最終SSでポジションを上げ、総合10位フィニッシュを果たした。

WRCジャパン 暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2:43:52.3
2. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:11.1
3. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:11.3
4. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:23.6
5. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4:05.1
6. G.グリーンスミス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +4:07.4
7. G.ミュンステール(ヒョンデi20 Nラリー2) +7:50.8
8. T.スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2) +8:12.4
9. E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +8:25.6
10. H.コバライネン(シュコダ・ファビアR5) +8:59.8



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