特筆すべきはリタイアの少なさ──数字で見るカッレ・ロバンペラ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

特筆すべきはリタイアの少なさ──数字で見るカッレ・ロバンペラ

©Red Bull

第11戦ラリーニュージーランドでチャンピオンを獲得したカッレ・ロバンペラ。どうしても史上最年少、という部分に注目が集まりがちだが、様々な数字を見ていくと、彼が「獲るべくしてチャンピオンを獲った」ということが見えてくる。

まず圧巻だったのは、今シーズンの序盤戦だ。第2戦スウェーデン(スノー)、第3戦クロアチア(ターマック)、第4戦ポルトガル(グラベル)と、キャラクターのまったく異なるラリーで連勝を飾っている。特に第4戦ポルトガル以降のグラベルラリーでは、砂利掃除役で不利な先頭スタートにもかかわらず、金曜日を終えた段階で上位につけ、出走順の不利がなくなる土曜日には先頭に立ち、日曜日は後続との差を見ながらラリーをコントロールというベテランさながらの戦い方を見せつけた。仮に運悪くデイリタイアを喫したとしても、確実に最終SSのパワーステージで上位タイムをマーク、ボーナスポイントを獲得している。

今季、ロバンペラはパワーステージだけで45点(1位7回、2位3回)をマークしている。逃した1回は、“1-2-3-4”フィニッシュを確実なものとすべくペースを抑えたサファリのみ。本来ならさらに得点を重ねていても不思議ではない。

そして、リタイアが非常に少ないという点も見逃せない。彼が再出走できなかったのは、50戦WRCに出場してわずか4回。今季は第9戦ベルギーで転倒したが、翌日再出走し、最終日にはパワーステージポイント5点を獲得している。ロスを最小限にして確実にポイントを積み重ねる。そうした堅実な戦いぶりが、チャンピオンへの道を拓いていったのだ。
(RALLY PLUS vol.34より データは2022年第11戦ニュージーランド終了時点のもの)


2000.10.1……カッレ・ロバンペラ生誕
2000年代に誕生したWRCワークスドライバーは、現状ロバンペラとオリバー・ソルベルグ(2001年9月23日)のふたりのみだ。

約4年11カ月……初出場イベントからチャンピオン獲得まで
ロバンペラの初WRCは2017年のラリーGB。超短期間で世界の頂点に上り詰めたがキャリア自体は長く、競技スタートは12歳だ。

50回……WRC出場数
ほぼ5年間フル参戦し、第11戦ニュージーランドで50戦目を迎えたロバンペラ。ちなみに勝田貴元は51戦目、オジエは173戦目だ。

24%……ポディウムフィニッシュ率
12回……ポディウムフィニッシュ回数

これまで12回上った表彰台のうち8回勝利を収めているロバンペラ。2022年前半、怒濤の勢いで数字を積み重ねていることが分かる。

16%……WRC勝率
8回……勝利数

初勝利から約1年で頂点に至ったロバンペラ。ターマック、グラベル、スノーと路面を問わない強さがタイトル獲得の原動力と言える。

92回……SSベストタイム獲得回数
2020年7回/2021年22回/2022年63回
2021年から22年にかけてスピードが大きく増していることが分かる。SSごとに確実にタイムを積み重ねることが勝利につながる。

11回……パワーステージ奪取回数
2020年2回/2021年2回/2022年7回

パワーステージのボーナスは積み重なると大きな効果を発揮する。2022年は他の追随を許さないスピードを見せ、ここまで47点を加算。

4回/9回……リタイア回数/スーパーラリー
50戦して再出走できないほどのリタイアはわずかに4回。この数字こそが、ロバンペラの安定感の高さを表していると言えるだろう。

20年……
マーカス・グロンホルム以来の
フィンランド人WRCチャンピオン

2002年のマーカス・グロンホルム以来のフィンランド人チャンピオンとなった。フィンランド人のWRC王者はロバンペラで7人目。

Red Bull



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