WRCクロアチア:初日はトヨタのロバンペラが後続に1分以上の差で首位。勝田は7番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCクロアチア:初日はトヨタのロバンペラが後続に1分以上の差で首位。勝田は7番手

©TOYOTA

2022年WRC第3戦クロアチアラリーは4月22日(金)の競技初日を終え、トヨタのカッレ・ロバンペラが2番手以下に1分以上の差をつけて首位を快走。2番手にはヒョンデのティエリー・ヌービル、3番手には同じくヒョンデのオィット・タナックがつけている。この日のSS7でSS4番手タイムをマークした勝田貴元は総合7番手で初日を終えた。

競技初日に行われたのはSS1〜SS8の計8SS、SS距離は120.38kmと設定されている。4SSを2度走行する構成で、アップダウンのあるターマックロードが選手たちを待ち受ける。この日は予報どおり雨に見舞われ路面はウェット、ところによっては濃い霧が辺りを覆う難しいコンディションに。さらに、次々と行われるインカットで路肩の泥が掻き出される状況は、先頭走者のロバンペラにとって有利に働くこととなった。ラリー1勢では、ヒョンデのヌービルとタナックがウエットタイヤ5本、その他のドライバーが6本で最初のセクションに挑む。

オープニングステージでは、昨年SS1でリタイアを喫してしまったロバンペラが一番時計。4.1秒差の2番手にヌービル、13秒差の3番手にMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンを従える格好でラリーはスタートした。なお、このSS1ではトヨタのエサペッカ・ラッピが右フロントサスペンションをヒットしリタイアを喫することに。さらにトヨタのエルフィン・エバンスは左前輪、Mスポーツ・フォードのピエール‐ルイ・ルーベは左右のフロントタイヤをパンク。Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスは土手に乗り上げあわやクラッシュというシーンもあり、ラリーの難しさを予感させるスタートとなった。また、このSS1ではシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで出場した福永修がクラッシュ、マシンのフロント部分を破損してストップしている。

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続くSS2もロバンペラはベストタイムをマーク。SS2番手にヌービル、SS3番手にタナックというトップ3となり、タナックが総合3番手に浮上した。ブリーンはコーナーでのアンダーステアでコースアウトしかけ、ここで数秒を失っている。このSSではMスポーツのルーベが再びパンクを喫し、スペアタイヤをすべて失ってしまったためにリタイアを余儀なくされた。SS3を制したのはエバンス。SS2番手のロバンペラに2.6秒差、SS3番手のヌービルに2.8秒差としたが、エバンスはSS1でのロスが響いており総合8番手と低迷している。なお、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーはスタート直後の左コーナーでスライドし、コースアウト。クルーふたりは無事だがマシンはフロント部を破損し、競技続行を諦めることに。

1ループ目の最後となるSS4は、ロバンペラがこの日3度目のトップタイム。SS2番手にヌービル、SS3番手にブリーンという順になり、上位陣に順位の変動はなし。このSSでは、エバンスが左フロントタイヤを再びパンクしタイムロスを喫している。サービスインの段階で、ヌービルのマシンはエンジンがかからなくなり、クルーふたりが押してタイムコントロールに。疲労困憊となりながら、4分遅れでTCに入ることに成功した。これでヌービルには40秒のペナルティが科されることに。これで総合順位はロバンペラ、タナック、ブリーン、ヌービルの順となり、首位ロバンペラは2番手タナックに対し47.3秒のマージンをもって午後のループに挑むこととなった。

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午後のループはコンディションがより悪化し、どのステージでも多くの選手がタイムダウンを強いられる結果となった。SS1の再走となるSS5は、SS1同様にロバンペラが制したものの、15秒以上もタイムを落としている。TC遅着のペナルティで総合4番手まで後退したヌービルがSS2番手タイムをマークして総合2番手に返り咲いた。このSSでは、総合5番手につけていたグリーンスミスが右前輪のパンクでタイムロス、総合8番手にドロップした。深い霧に覆われたSS6は、再びロバンペラがベスト。フロントガラスが曇るトラブルで、ヌービルは総合2番手の座をタナックに譲ることとなった。このSSではグリーンスミスがコースオフし復帰に時間がかかりタイムロス、ヒョンデのオリバー・ソルベルグもコントロールを失いコースオフ、マシンの左フロント部分にダメージを負った。

SS7、ロバンペラが4SS連続でベストタイムをたたき出す快走をみせて、さらにマージンを広げることに成功。タナックはこのSSだけで首位ロバンペラに20.2秒の遅れを喫してしまい、チームメイトのヌービルに逆転を許して総合3番手に順位を落とした。初日最後となるSS8では、ヌービルが一矢報いるトップタイムを刻むが、ロバンペラも2.8秒差のSS2番手タイムでまとめ、ふたりの総合タイム差は1分4秒となっている。総合2番手ヌービルと3番手タナックの差は19.3秒、タナックと4番手ブリーンの差は11.9秒となっており、2日目以降は2番手争いが熱を帯びそうだ。勝田は難しいコンディションのなかリスクを避けたドライビングで総合7番手。SS7では4番手タイムをマークするなど存在感を見せている。

TOYOTA


23日(土)の競技2日目に行われるのはSS9〜SS16の計8SS、SS走行距離116.98kmでの戦いとなる。初日と同じく4SSを2度ずつ走行する構成で、ほぼ初日と同じエリアを使ったコース設定。SS11/15のみアドリア海に近いスキーリゾートを利用したルートで、標高が1000m〜1200mに達する。オープニングのSS9は日本時間23日(土)の14時43分スタート。

WRCクロアチア SS8後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:15:35.5
2. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:04.0
3. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:23.3
4. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:35.2
5. O.ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) +2:38.5
6. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:49.1
7. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:38.0
8. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +5:12.6
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +5:48.9
10. E.カミリ(シトロエンC3ラリー2) +6:11.8



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